タカラベルモントが始動 理美容師のキャリア設計支援
ベストカレンダー編集部
2025年9月11日 11:43
キャリア設計支援開始
開催日:9月1日

業界の現状が示す課題 — 美容師の高い離職率と将来不安
厚生労働省の「衛生行政報告例」(令和3年度)をはじめとするデータは、理美容業界が抱える構造的な課題を明確に示している。プレスリリースによれば、美容師の入社3年以内の離職率は50%以上、さらに10年以内では約90%に達している。これらの数字は、若手が業界に定着しにくい実態を表しており、個人のキャリア形成や業界全体の持続性に直結する問題である。
離職の理由として挙げられているのは「給与の低さ」「休暇の取りづらさ」「仕事のハードさ」に加え、「結婚・出産・育児」といったライフイベントである。プレスリリースでは、これらがワークライフバランスの維持を難しくしている点を指摘している。また、他業種と比較して理美容師に多く見られるのが「年齢が上がることへの不安」であり、具体的には健康、お金、キャリア、ライフイベントといった要素が将来の不安要因として挙げられている。

離職理由と将来不安の構造化
タカラベルモントの調査に基づく図表(表1、表2)によって、離職の背景と将来に対する悩みが整理されている。表1は美容師の離職理由、表2は将来の働き方に関する悩みや不安(美容師と他業種の比較)を提示しており、両者を併せて見ることで業界の課題が見えてくる。
業界構造としては、開業がキャリアのゴールになりがちで、それ以外の選択肢が少ない点も指摘されている。結果として将来の見通しが不明確になり、長期的に働き続けるモチベーションや環境整備が進みにくい状況にある。

タカラベルモントの取り組み — 「キャリア設計支援」2025年9月開始
タカラベルモント株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長:吉川秀隆)は、理美容師のキャリア問題に対応するために、キャリア支援プロジェクト第2弾として「キャリア設計支援」を2025年9月より開始したと2025年9月11日10時に発表した。目的は、理美容師および理美容師を目指す人々が、自分らしいキャリアを描けるよう支援することにある。
同支援は、業界課題の軽減を目指し、協力企業と連携して提供される。プレスリリースは支援の具体内容を詳述しており、関係者やサロン経営者、従業員に向けた実務的なサポートが盛り込まれている。

支援の主な2本柱
「キャリア設計支援」は以下の2つの柱で構成される。どちらも無料で相談を受け付ける点が明記されている。
- ライフプランニング設計支援:結婚・出産・介護などのライフイベントや将来の夢を見据え、資産形成やリスク面も含めたトータルな人生設計をサポートする。協力企業のライフプランナーが個別の収支シミュレーションを行い、公的支援や資産形成、保険などを含めて提案する。
- キャリア形成の仕組み化支援(キャリアステップ構築):サロンにおけるキャリア形成の仕組みづくりを支援し、スタッフが自分のキャリアデザインを描ける体制を構築する。キャリアコンサルタント監修の下、特別研修を受けた社内従業員が「キャリアサポーター」としてサロンとスタッフ双方を支援する。
これらはサロン運営の現場と個々の理美容師の両面を対象に設計されており、実務的な導入支援から個別相談まで幅広いサービスが想定されている。

支援の実務内容と連携先 — 動画・事例リンクも公開
ライフプランニングでは、協力企業のライフプランナーが将来の夢や課題に合わせた収支シミュレーションを行う点が強調されている。シミュレーション結果を基に公的支援の活用、資産形成、保険の見直しなどを提案するという具体性のある内容だ。
キャリア形成支援については、キャリアコンサルタントの監修に基づく体系化が行われ、特別研修を受けた社内従業員がキャリアサポーターとして関わる。サロン側には、長期的にスタッフが働き続けられる仕組みの導入支援を行い、スタッフ側には将来の見通しを描くための実務的な助言を行う。
公開されている資料・事例
支援の理解を深めるためのオンライン資料やインタビュー記事も公開されている。プレスリリースでは以下のリンクを案内している。
- ライフプランニングインタビュー動画:https://vimeo.com/1053625993/63dd38606d?ts=0&share=copy
- サロンインタビュー記事(持続的成長のためのキャリア創り):https://salon.tb-id.com/scope/career_step250807
- サロンインタビュー記事(持続的成長のためのキャリア創り):https://salon.tb-id.com/scope/career_step250902
また、支援に関する詳細は全国のタカラベルモント営業所での案内が用意されている。営業所一覧は以下のページで確認可能である:
https://www.takarabelmont.com/company/office/
プロジェクトの位置づけ、協力企業、会社概要
今回の「キャリア設計支援」は、タカラベルモントが2024年に始動したキャリア支援プロジェクトの第2弾に位置付けられる。プロジェクト全体は理美容師が業界内で長く輝ける環境づくりを目的としており、環境改善や学習支援の開発など幅広い領域で活動している。
第1弾では産休・育休を経て復職する理美容師を支援する「ママ理美容師のキャリア形成支援」を実施し、復職を後押しするサポートツールの作成・配布を行っている。今回の第2弾はその延長線上にあり、個人の人生設計とサロンの組織づくりを同時に支えることを目指している。
協力企業とプロジェクト概要
プレスリリースで公表された協力企業は以下の通りである。
- ソニー生命保険株式会社(担当:名古屋ライフプランナーセンター第9支社 末廣香澄他)
- finest(キャリアコンサルタント 米津幸絵)
- 株式会社博展
- Lond Holdings
- 株式会社FILMS
- 株式会社CHAINONエンターテイメント
- 株式会社True
これらの企業やコンサルタントと連携し、ライフプランとキャリアステップの両面からサポートする体制が構築されている。なお、両支援は無料で相談可能と案内されている。
会社情報と公表資料の参照先
タカラベルモント株式会社の公表情報は以下の通りである。プレスリリースには会社概要や沿革、連絡先に関する基礎データが記載されているため、参照用にまとめる。
会社概要には代表者、所在地、創業年月日、資本金、従業員数、事業内容などが明記されている。加えて公式サイトやSNSの情報、100周年を迎えた旨とパーパス(「美しい人生を、かなえよう。」)の制定、そして大阪・関西万博のプレミアムパートナーである点も記載されている。
- 商号
- タカラベルモント株式会社
- 代表者
- 代表取締役会長 兼 社長 吉川 秀隆
- 所在地
- 大阪本社(本店):大阪市中央区東心斎橋2-1-1
東京本社:東京都港区赤坂7-1-19 - 創業
- 1921年10月5日
- 資本金
- 3億円
- 従業員数
- 1,629名(2025.3.31現在)
- 事業内容
- 理美容・化粧品事業・デンタル・メディカル事業
- 公式サイト
- https://www.takarabelmont.com/
- 公式SNS
- インスタグラム @takarabelmont_japan
プレスリリースの発表日時は2025年9月11日 10時00分である。元のプレス発表はPR TIMES上でも公開されている(関連リンク:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000294.000055758.html)。
要点の一覧と本記事のまとめ
以下の表は本記事で触れた主要事項を整理したものだ。支援開始日、主要内容、協力企業、問い合わせ先などを明確にしている。
項目 | 内容 |
---|---|
発表日 | 2025年9月11日 10:00 |
支援開始 | キャリア設計支援(開始:2025年9月) |
主な支援内容 | ①ライフプランニング設計支援(資産形成・公的支援・保険等の提案) ②キャリア形成の仕組み化支援(キャリアステップ構築・キャリアサポーター派遣) |
利用料 | 両支援ともに無料で相談可能 |
協力企業 | ソニー生命保険株式会社、finest(米津幸絵)、株式会社博展、Lond Holdings、株式会社FILMS、株式会社CHAINONエンターテイメント、株式会社True |
参考リンク | PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000294.000055758.html ライフプラン動画:https://vimeo.com/1053625993/63dd38606d?ts=0&share=copy サロン事例:https://salon.tb-id.com/scope/career_step250807 、 https://salon.tb-id.com/scope/career_step250902 営業所一覧:https://www.takarabelmont.com/company/office/ |
離職率データ | 入社3年以内:50%以上、10年以内:約90%(厚生労働省「衛生行政報告例」令和3年度) |
会社概要(抜粋) | 商号:タカラベルモント株式会社/代表:吉川秀隆/創業:1921年10月5日/資本金:3億円/従業員数:1,629名(2025.3.31) |
この取り組みは、業界の構造的な課題に対して個人と組織の両面から具体的な対応を図る試みであり、ライフイベントに伴う不安やキャリアの見通しの欠如という現実へ実務的に向き合う内容となっている。本記事で示したリンク先や会社情報を参照することで、支援の詳細や相談窓口を確認できる。
参考リンク: