10/25開催 東京サピアアカデミー 無料講義と基調講演

知の発信拠点として再編される「東京サピアアカデミー」

サピアタワーを舞台に、大学や文化機関が連携して知的情報を公開するイベント「東京サピアアカデミー」が、2025年10月25日（土）に開催されます。主催は株式会社JR東日本ビルディングで、会場はサピアタワー内のステーションコンファレンス東京（サピアタワー4～6階）。受付は12時30分から、イベントの開始は13時、終了は17時を予定しています。

このイベントは、基調講演と大学講義がいずれも無料で受講できることが最大の特徴です。知的好奇心を満たす講義プログラムと、展示やまちづくりに関する議論を通じて、来場者に都市や文化、産業の未来を考える機会を提供します。イベントそのものは、かつての「東京オトナ大学」の流れを汲むものとして位置づけられており、2023年に名称変更して以降、サピアタワーの知的発信と交流の場としての魅力向上を目指しています。

基調講演：内田まほろ氏が語る「空間づくり」と「まちづくり」

基調講演は14時40分から15時40分までの1時間、MoN Takanawa: The Museum of Narratives 開館準備室 室長の内田まほろ氏が登壇します。講演タイトルは「唯一無二のミュージアムを目指して。都市のあり方からみるこれからの『空間づくり』『まちづくり』」です。内田氏は展示とテクノロジー、アートを融合させるプロデュースの経験が豊富で、展示計画の視点から現代都市のあり方を論じます。

講演の背景には、2026年春開館予定の「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」（TAKANAWA GATEWAY CITY 内）の設立に向けた取り組みがあり、内田氏はその開館準備の指揮を執っています。また、大阪・関西万博のテーマ事業シグネチャーパビリオン（石黒浩プロデュース「いのちの未来」）の企画統括ディレクターを務めるなど、国内外でのプロジェクト経験を有します。基調講演では、これらの現場経験に基づき、伝統と未来をつなぐ場づくりについて具体的に解説されます。

内田まほろ氏のプロフィール（要点）

職務

キュレーター、展示プロデューサー。MoN Takanawa: The Museum of Narratives 開館準備室 室長（一般財団法人JR東日本文化創造財団）。

主な経歴

2002～2020年に日本科学未来館で科学とアートやデザインを融合した企画展・常設展の開発に従事。Barbican Centreやグッドデザイン賞等でゲストキュレーターや委員を務める。

関連プロジェクト

大阪・関西万博テーマ事業シグネチャーパビリオン「いのちの未来」（石黒浩プロデュース）企画統括ディレクター。TAKANAWA GATEWAY CITYの文化発信に関わるミュージアム創出を主導。

基調講演は、都市計画やミュージアム運営、展示プロデュースに関心を持つビジターだけでなく、企業の地域戦略やまちづくりに関わる担当者にも示唆を与える内容となる見込みです。

大学講義プログラム──幅広い分野をカバーする前半・後半の講座

イベントでは、サピアタワーに入居する大学の教員陣による講義が前半と後半に分けて行われます。前半は13時00分〜14時00分、後半は16時00分〜17時00分に実施。各講義は45分程度の設定となっており、多様なテーマが並びます。

以下に、登壇者と講義タイトルを時系列で列挙します。各講義の詳細は「東京サピアアカデミーWEBサイト」（9月11日オープン）に掲載され、参加申込は9月22日（月）12時より同サイトで受け付けます。

前半（13時00分～14時00分）

• 関西学院大学 商学部 准教授 森谷周一：人的資本経営の実現において鍵となる要因は何か　—人事部および現場管理職の役割—
• 甲南大学 名誉教授 田中雅博：生成AIは人生100年時代の賢い相棒　—ちょっと試してみましょう！—
• 産業能率大学 総合研究所 経営学部 教授 横井真人：ダーウィンの進化論を読み解く　～企業戦略の歴史的考察と未来に向けて～
• 東北大学 総長特別補佐（社会連携・萩友会担当） 加藤諭：歴史からたどる日本の大学　～これまでとこれから～
• 北海道大学 大学院工学研究院 教授 太田泰彦：半導体の地政学　～日本はなぜ急ぐのか～
• 立命館大学 総合科学技術研究機構 客員教授（博士（経営学）） 西山昭彦：企業社員の未来像を探る　—仕事と趣味の両面から—
• 流通科学大学 商学部 専任講師：ブランドとは何か　—理論から読み解くブランドの本質—

前半は経営・人材・テクノロジー・産業政策など多角的なテーマが並び、企業の人事や戦略立案、技術動向を学ぶ機会になります。生成AIの実演的なアプローチや、半導体を巡る地政学的な解説など、実務と政策の交差点にある論点が含まれます。

後半（16時00分～17時00分）

• 関西大学 ビジネスデータサイエンス学部 教授 鎌田真由美：ITプラットフォーム；社会を動かす”プラットフォーム”の今と明日
• 事業創造大学院大学 副学長・事業創造研究科研究科長・教授 唐木宏一：CFOの役割　—経営の場でますます重要となるファイナンスの考え方—
• 東京大学 先端科学技術研究センター 特任助教／経済安全保障・政策刷新プログラムディレクター 川井大介：第二次トランプ時代における、インド太平洋と日本外交の分岐点

後半はデータサイエンス、ファイナンス、国際関係をテーマに据え、経営と政策の両面から日本社会の構造変化や対応策を考える内容です。プラットフォーム経済の現状と将来、CFO像の変化、国際安全保障と外交の分岐点といった切り口で議論が展開されます。

開催の実務情報と主催者・運営体制

イベントは株式会社JR東日本ビルディングが主催し、サピアタワー入居大学（10校）が協賛、協力に東日本旅客鉄道株式会社が名を連ねます。WEBサイトは9月11日から公開され、参加申込は9月22日（月）12時から同サイトにて開始します。申込方法や講義の細かい登壇時間、会場の配置などはすべてWEBサイト上で案内されます。

会場の所在地は東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー4～6階（ステーションコンファレンス東京）。イベント当日は受付開始が12時30分、大学講義の前半は13時00分～14時00分、基調講演が14時40分～15時40分、大学講義の後半が16時00分～17時00分というタイムスケジュールです。

主催・協賛・協力／問い合わせ

イベント全体の運営は主催会社の事務局が取りまとめ、各講義の学術的内容や講師選定は入居大学側の協賛体制で行われます。WEBでの事前申込制を採用しているため、参加を希望する場合は指定日時に合わせて申し込む必要があります。

サピアタワーのイベントの歩みとJR東日本ビルディングの事業概要

サピアタワーでは2011年から9回にわたり、著名人講演や入居大学による講義を受講できる「東京オトナ大学」を開催してきました。2020年以降は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い開催が見合わせられていましたが、2023年に4年ぶりに再開し、名称を「東京サピアアカデミー」へ変更しています。名称変更は、サピアタワーの知的情報発信および交流拠点としての位置づけを明確にする狙いがあります。

主催会社である株式会社JR東日本ビルディングは、”駅・街・人をつなぎ、新たな価値の創造をめざす”という企業理念のもと、JR東日本が推進する大規模開発への参画や自社単独での開発を行っています。事業領域はプロパティマネジメント事業、デベロッパー事業、ネットワークオフィス事業、にぎわい事業など多岐にわたり、オフィスビル等の貸付やコンファレンス運営事業も手がけています。

記事の要点整理

以下の表は、本記事で取り上げた本イベントの重要情報を整理したものです。開催日時、会場、主要プログラム、申込方法や問い合わせ先など、参加を検討する際に必要となる基本情報をまとめています。

以上が本イベントの主要な情報の整理です。参加手続きや講義の詳しい内容・登壇時間の細部は、9月11日オープンの公式WEBサイトでの公開情報と、9月22日正午からの申込開始後の案内を確認してください。