「毎日アイス」で出社意欲9割 コクヨの職場実験
ベストカレンダー編集部
2025年9月12日 14:40
毎日アイス健康オフィス
開催期間:6月2日〜8月29日

オフィス再編期間に実施された“毎日アイス”で健康に向き合う取り組み
コクヨ株式会社は、東京品川オフィスの営繕工事に伴う仮オフィス運用期間(2025年6月〜8月)において、江崎グリコ株式会社の協力を得て期間限定オフィス「毎日アイスを食べて健康になれるオフィス」を開設しました。発表日付は2025年9月12日11時30分で、本取組は社員の健康維持と出社意欲の向上を主目的に設計されました。
コクヨの本社所在地は大阪市、社長は黒田英邦氏。協力企業の江崎グリコは本社大阪市、社長は江崎悦朗氏です。実施期間は6月から8月の3か月間で、蔵前オフィスを拠点に施策が展開されました。

実施内容の全容:アイス配布、AGEs測定、健康セミナー
本取り組みは三つの主要施策で構成されました。ひとつは江崎グリコの「SUNAO」シリーズ全9種を用いたアイス無料配布。ふたつめは最終糖化産物であるAGExs(AGEs)の無料測定。みっつめは産業医や江崎グリコ担当者による健康セミナーの開催です。以下に各施策の実施日程・場所・内容を詳述します。
配布実施にあたっては、社員が日常的に手に取りやすい環境整備と、測定やセミナーを組み合わせた検証設計を行い、健康指標の変化を把握できるよう前後での測定を実施しました。

(1)「SUNAO」アイスシリーズの無料配布
実施日程は2025年6月2日(月)〜8月29日(金)。実施場所はコクヨ蔵前オフィス(現在は閉鎖)。配布は1日1個まで、社員向けに合計5,000個を無料提供する計画でした。
期間中に消費されたアイスは合計4,976個。ブランドのラインアップは全9種が対象で、社員には1日1個の範囲で配布されました。配布方式は常設の冷凍設置により自由に取れる形式とし、日常的な接触機会の創出を意図しています。

(2)最終糖化産物(AGEs)の無料測定
AGEs測定は二期に分けて実施し、前半と後半で数値の変化を検証しました。前半は2025年6月2日(月)〜6月5日(木)、後半は2025年8月18日(月)〜8月27日(水)に機器を設置しました。出社した社員は各自で計測可能な体制に整備されました。
測定結果はアンケートと合わせて解析され、期間中に約4割の社員でAGEsスコアの改善が確認されたと報告されています。検査を通じて食事選択や行動の変化を捉えることを目的としています。

(3)健康セミナー
健康セミナーは2025年6月17日(火)に開催されました。講師は江崎グリコ グループ広報部 青山沙帆氏、コクヨ産業医の山明日美氏が務め、それぞれ「適正糖質について」「糖に着目して食事・運動からアプローチ」をテーマに講演を行いました。
セミナーは適正糖質の考え方や具体的な食事・運動への応用を軸として実施され、社員の意識変容や日常の選択肢拡大を促す内容でした。資料としてSUNAOブランドの考え方やロカボに関する情報提供も行われました。
アンケート結果と社員からの反応:出社意欲・コミュニケーション・健康指標
取り組み後のアンケートでは、出社意欲やコミュニケーション機会、AGEsスコアの変化に関する定量的な結果が得られています。アンケートは期間2025年8月21日〜8月29日で実施され、対象は仮オフィス出社実績のあるコクヨグループ社員です。
アンケートの有効回答数は項目により異なり、AGEsスコアの改善に関する設問では有効回答数44、出社意欲やコミュニケーションに関する設問では有効回答数105となっています。集計結果は以下の通りです。
- 約4割の社員のAGEsスコアが改善(有効回答数44による測定前後の比較)。
- 約9割の社員が本取り組みにより出社意欲につながったと回答(有効回答数105)。
- 7割を超える社員が「普段取らない人とのコミュニケーション機会が生まれた」と回答(有効回答数105)。
自由回答欄には、休憩や声かけのきっかけになったこと、糖質の少ない食品だけでなく食物繊維の多い食品や低GI値食品を意識するようになったことなどの具体的な実感が寄せられています。これらは、配布という物理的な接点がコミュニケーション促進と健康意識の変化につながったことを示しています。
加えて、期間中のアイス消費数は4,976個で、当初予定の5,000個無償提供枠にほぼ到達している点も報告されています。
「SUNAO」と適正糖質の位置づけ、関連情報
「SUNAO」は、一般社団法人 食・楽・健康協会が提唱する「適正糖質」の考え方(1食あたり20〜40g、間食では10g以下)に沿うブランドとして紹介されています。SUNAOは糖質を我慢するのではなく、上手に付き合うことをサポートする商品群であり、からだに配慮したおいしさを目指しています。
糖質はエネルギー源として重要である一方で過剰摂取は脂肪蓄積につながるため、日々の糖質量を調整する「適正糖質」の概念が重視されています。本取り組みはその考え方を実際の職場で体験・検証することを目的としています。
- 参考リンク
- ブランドサイト: https://cp.glico.com/sunao/
- 公式X: https://x.com/sunaochan_glico
- ロカボ公式(適正糖質の説明): https://locabo.net/about/
実施概要のまとめ(表)と総括的な説明
以下の表は、本取り組みの主要データと日程、結果を整理したものです。続く文章では表の要点を簡潔にまとめます。
項目 | 内容 |
---|---|
実施主体 | コクヨ株式会社(本社:大阪市/社長:黒田英邦)、協力:江崎グリコ株式会社(本社:大阪市/社長:江崎悦朗) |
実施期間 | 2025年6月2日〜2025年8月29日(3か月間) |
実施場所 | コクヨ蔵前オフィス(仮オフィス/現在は閉鎖) |
アイス配布 | SUNAOアイス全9種、1日1個まで、合計5,000個提供予定、消費実績4,976個 |
AGEs測定 | 前半:2025年6月2日〜6月5日、後半:2025年8月18日〜8月27日(出社者が各自で計測) |
健康セミナー | 2025年6月17日、講師:江崎グリコ 青山沙帆氏(適正糖質)、コクヨ産業医 山明日美氏(食事・運動アプローチ) |
アンケート実施期間 | 2025年8月21日〜8月29日 |
主要な結果 | 約4割の参加者でAGEsスコア改善(有効回答数44)、約9割が出社意欲向上と回答(有効回答数105)、7割超が新たなコミュニケーション機会を実感(有効回答数105) |
発表日 | 2025年9月12日 11時30分 |
本稿ではプレスリリースの全情報を網羅的に整理しました。取り組みは一過性のイベントに留まらず、職場での物理的接点を通じて健康行動やコミュニケーションに変化をもたらした点が確認されています。配布と測定、教育を組み合わせた設計により、具体的な数値と社員の自覚的な変化が得られたことがポイントです。