Re・Labが蜜感を安定化する焼き芋製法を特許出願
ベストカレンダー編集部
2025年9月16日 09:56
焼き芋製法を特許出願
開催日:9月15日

加圧高温仕上げ製法で焼き芋の“蜜感”を安定化させる取り組み
食品開発と地域資源の活用を手掛ける株式会社Re・Lab(本社:埼玉県所沢市、https://re-lab.co.jp/)は、独自の製造方法である「加圧高温仕上げ製法」による焼き芋の製造方法で特許出願(出願番号:2025-152897)を行い、2025年9月15日付で出願中となったことを2025年9月16日 08時00分に発表しました。今回の出願は、焼き芋の味覚的価値と流通上の実用性を同時に高める技術として注目されています。
この製法は従来の焼き芋とは工程や狙いが異なり、特に「安定した甘さ」「ねっとりとした食感」「蜜感の再現」を目的に設計されています。ギフトや輸出を視野に入れた常温流通を可能にする点が評価されており、食品加工分野における保存性と感覚的品質の両立を目指しています。

出願の要点と公開日時の明記
発表文では、出願番号として2025-152897が明記され、出願日は2025年9月15日、発表は2025年9月16日 08時00分となっています。会社名は株式会社Re・Labと表記され、所在地は埼玉県所沢市です。
同社は自社ウェブサイト(https://re-lab.co.jp/)にて事業概要を公表しており、本技術を製品化した焼き芋ブランドとして「蜜る!限界突破芋」や缶詰タイプの「蜜る!焼きいも缶」を展開している点も併せて紹介されています。

製法の構成要素と理論的背景
出願された製法は、複数の工程を組み合わせることで、さつまいもの糖化やデンプンの糊化を制御し、最終製品における蜜滴りやねっとり感を安定して再現することを目的としています。工程ごとの機能と狙いが明確に分けられている点が特徴です。
具体的には以下の工程が組み合わされています。これらは各段階で物理・化学的変化を促進し、製品の味と保存性を高める設計となっています。
- 低温調理による予備加熱(糖化促進)
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低温で長時間加熱することで、でんぷんが徐々に糖へと転化する糖化反応を促進します。この段階で原料の内部に糖化を進めることにより、後続の高温処理後も安定した甘味を担保します。
工程管理により温度・時間を最適化することで、サイズや等級に差があるさつまいもでも一定の糖化度を得やすくします。
- 低温調理後の高温高圧仕上げ(デンプンの糊化と殺菌)
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続く高温・高圧の段階ではデンプンの糊化を促進するとともに、微生物的な安全性を確保するための殺菌効果を得ます。これにより食感のねっとり感や蜜感の形成が安定化します。
高圧条件下での処理により短時間での糊化と殺菌が可能になり、製造効率と品質の両立を図ります。
- 段階的冷却による蜜感保持
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最後に段階的に冷却することで、内部の糖分や粘性を維持しつつ、蜜滴りの演出を損なわない状態で製品を安定化させます。急冷による物性変化を避けることで、食感の再現性が高まります。
この冷却管理により、常温保存下でも蜜感が保たれることが確認されており、冷凍に頼らない流通が可能となる点が重要です。
製品化と流通戦略:常温保存で広がる活用領域
出願文書は、同技術が従来品では得られなかった「蜜滴り演出」や「常温保存可能性」を実現したことを明記しています。これにより、ギフト用途や海外輸出を含む流通チャネルでの採用が想定されます。
常温流通が可能となることで、冷凍・解凍に伴う品質劣化を避け、輸送コストや取り扱い負担の軽減が期待されます。ギフト市場では外観や食感の安定が求められるため、本技術による安定化は商品化上の強みになります。
現在の販売状況と今後の販売計画
現在、対象となる商品は「蜜る!限界突破芋」と「蜜る!焼きいも缶」として展開されており、販売先は郵便局のカタログギフトと一部地域の小売店に限られています。これらはすでに流通を開始している実例として位置付けられています。
また、同社は2025年10月より自社ECサイトでの販売を開始する計画であると明示しています。今後は販路拡大を進める方針であり、郵便局カタログ・一部小売店・自社ECに加え、ギフト市場や輸出市場への展開を中心に据えた戦略が示されています。
アップサイクルとしての価値と輸出の意義
本技術は、これまで等級やサイズによって商品化が難しかったさつまいもを積極的に商品化できる点を掲げています。低等級原料の活用により原料の付加価値を引き上げる「アップサイクル」に貢献する取り組みです。
海外輸出においては、冷凍不要の常温流通が可能になることで物流コストや保存インフラの制約を緩和し、新規市場への参入障壁を下げる効果が期待されます。贈答用途や特産品としての位置付けでの採用が見込まれます。
事業展開の方向性と協業スキーム
Re・Labはこれまでに食品開発、補助金コンサルティング、地域資源を活用したブランド化支援を行ってきた企業です。今回の特許出願は、同社が掲げる「焼き芋の新しい価値創造」に係る技術的成果として示されました。
同社は今後、ギフト市場・EC販売・海外輸出を中心に展開を拡大するとともに、当該技術を他素材へ応用する方針を打ち出しています。これにより、食品業界や六次産業化に対する技術的な波及効果を志向しています。
ライセンス・共同開発の選択肢
発表文には、食品メーカーとの共同開発や装置ライセンス提供を視野に入れている旨が記載されています。仕入れや機械ライセンス、共同開発に関心を持つ事業者向けに対応窓口を設ける意向も示されています。
このようなスキームにより、製造装置の導入や製造委託、技術移転など多様な協業形態が想定され、地域資源を活用した新商品開発の加速につながる可能性があります。
Re・Labの事業的立ち位置
株式会社Re・Labは、食品開発や地域資源のブランド化支援を業務の中心に据え、補助金コンサルティング等も行う企業として紹介されています。今回の特許出願は、同社の技術力と事業モデルが業界に評価されたとの位置付けです。
同社ウェブサイト(https://re-lab.co.jp/)では事業内容の詳細が確認できます。企業として技術保護(特許出願)と事業化の両面を進める姿勢が明確です。
要点の整理とデータ一覧
以下は今回の発表に含まれる主要情報を整理した表です。技術名称、出願番号、出願日、公開日時、製法の主要工程、現在の販売形態、今後の展開など、記事本文で触れた内容を網羅しています。
項目 | 内容 |
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発表企業 | 株式会社Re・Lab(本社:埼玉県所沢市、https://re-lab.co.jp/) |
発表日時 | 2025年9月16日 08時00分(発表文記載) |
出願日・出願番号 | 出願日:2025年9月15日、出願番号:2025-152897(特許出願中) |
技術名称(表現) | 「加圧高温仕上げ製法」による焼き芋製造方法(出願文より) |
主要工程 |
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主な評価点 | 安定した甘さ、ねっとり感、蜜滴り演出、常温保存による流通可能性、アップサイクル効果 |
現行商品 | 「蜜る!限界突破芋」、「蜜る!焼きいも缶」 |
現在の販路 | 郵便局のカタログギフト、一部地域の小売店 |
今後の販路予定 | 自社ECサイトでの販売(2025年10月開始予定)、ギフト市場、海外輸出の拡大 |
事業連携の方針 | 食品メーカーとの共同開発、装置ライセンス提供、仕入れ・機械導入に関心を持つ事業者向けの対応窓口を設置予定 |
その他 | 地域資源のブランド化支援、補助金コンサルティング等を手掛ける企業の取り組みとしての位置付け |
以上の通り、Re・Labが出願した「加圧高温仕上げ製法」は、焼き芋の感覚的品質と流通上の実用性を両立させることを狙いとした技術です。特許出願により技術的な権利保護を図る一方で、製品化および協業を通じた事業展開を進める計画が明記されています。
参考リンク: