2026年4月開始、佐賀が導入するタイ人ドライバー受入

佐賀県の外国人ドライバー受入

開催日:4月1日

佐賀県の外国人ドライバー受入
運転業務っていつから始まるの?
本格稼働は2026年4月を目標としています。内定者は最短で2025年12月に入国予定で、入国前の約3ヶ月の教育と入国後6ヶ月の特定活動期間で免許取得を目指します。
どうやってタイ人を選んだの?
現地での対面面接と乗車試験で選考しました。2025年8月26日の面接会と8月29日の採用試験で60名超の応募から、日本語N3以上など条件を満たす3名を内定しました。

タイ現地の人材を活用する佐賀県のドライバー受入モデルとは

ファクトリーラボ株式会社が、佐賀県から受託した「佐賀県型外国人ドライバーチャレンジ事業」により、タイ王国から日本へ特定技能トラックドライバーを受け入れる事業が展開されます。本事業は、運送業界が直面するドライバー不足という構造的課題に対応するために設計され、2026年4月の運転業務開始を目指して進められています。

プレスリリースは2025年9月16日 07時02分付で公開され、ファクトリーラボのタイ現地拠点および自動車学校にて採用試験を実施した旨が報告されています。日本と同じ「右ハンドル、左側通行」の交通ルールを持つタイから、日本語話者で運転経験のある人材を対象に日本式の運転教育を提供し、県内運送事業者での雇用や中型免許への切替など、実運用を見据えた受入モデルを構築する点が特徴です。

ファクトリーラボがタイ現地の大手自動車学校と提携し、佐賀県の特定技能トラックドライバー受入事業を受託・展開へ 画像 2

背景となるドライバー不足の状況

厚生労働省の一般職業紹介状況(2024年2月分)によれば、ドライバーの有効求人倍率は2.64倍に達しています。2020年度のドライバー不足は約4万人と推計されていましたが、推計値は年々増加し、2025年度には14万人を超え、2030年度には21万人を超えると見込まれています。

こうした長期的な需給ギャップを埋めるため、自治体や業界団体、教育機関と連携した海外人材の活用が急務となっています。本事業は佐賀県が2025年6月に公募したモデル事業としてファクトリーラボが受託したものです。

ファクトリーラボがタイ現地の大手自動車学校と提携し、佐賀県の特定技能トラックドライバー受入事業を受託・展開へ 画像 3

採用プロセスと選考の経緯:現地面接と乗車試験

採用選考はタイ現地で段階的に実施されました。報告によると、ファクトリーラボのタイ現地拠点および提携する自動車学校にて採用試験を実施した日として、2025年8月29日の実施が明記されています。併せて、2025年8月26日にはタイ現地で面接会が行われ、対面面接および乗車試験が実施された旨が記載されています。

これらの選考を通じて、60名を超える応募者の中から3名の内定者が選出されました。選考に合格した3名はいずれも日本での就労経験があり、タイの日系企業での就労経験や技能実習生としての経験を持ち、日本語能力は日本語検定でN3レベル以上とされ、流暢に会話が可能な人材です。また、タイ現地で運送業の経験がある点から、日本式の運転方法を習得するポテンシャルが高いと判断されています。

選考内容の詳細

  • 面接:対面面接による適性評価
  • 乗車試験:現地自動車学校にて実車による技能確認
  • 応募者数:60名超
  • 内定者数:3名
  • 選考日程:2025年8月26日(面接会)、2025年8月29日(採用試験の実施報告)

内定者は、早ければ2025年12月に入国して受入企業へ入社する予定とされています。入国後は特定活動として最大6ヶ月間設定される期間内に日本の運転免許を取得することが求められます。

自動車学校連携による教育計画:入国前後の学科・実技教育

入国前の教育については、佐賀県内の城北自動車学校(佐賀県佐賀市)と、タイ現地のアドバンス自動車学校(タイ・バンコク郊外)とファクトリーラボの3者で提携し、受入者が日本に入国するまでの約3ヶ月間で日本の自動車免許を取得するための学科および実技の安全運転教育を行います。

入国後は、特定活動期間(6ヶ月)を活用して日本の運転免許を早期に取得させることを目標としています。これにより、受入企業における即戦力化を図り、実際の運転業務開始(目標:2026年4月)への移行を円滑にする構成です。

連携先の役割

城北自動車学校(佐賀県佐賀市)
佐賀県公安委員会指定の教習所。外国人への運転教育に対応し、外免切替に特化したカリキュラムを実施。経験豊富な指導員による指導を提供。
アドバンス自動車学校(タイ・サムットプラカーン県)
タイで陸運局認定、教育省監督下の大手自動車学校。タイ全土に38校を展開しており、現地での乗車テストや学科教育を実施。
ファクトリーラボ株式会社
受入調整、教育連携、入国後の就労先調整などを担当。ダイレクトリクルーティングにより人材を確保。

以上の体制により、入国前教育で基礎を固め、入国後の6ヶ月間で免許取得を完了させるスケジュールが設計されています。

ファクトリーラボの取り組みと事業展開の方向性

ファクトリーラボはバンコクに現地拠点を持ち、SNS等を活用したマーケティングによりローカルの送り出し機関を介さないダイレクトリクルーティングを行っています。これにより、タイ現地または日本国内にいる日本語話者のタイ人材のデータベースを保有し、2万人を超える候補者情報を管理しているとしています。

これまでに特定技能や技術・人文知識・国際業務(高度人材)といったビザ区分での紹介・派遣、あるいはタイ現地の日系企業向けの人材紹介や派遣を行ってきました。国別にはタイ、インドネシア、ベトナム、ネパール等の人材を取り扱っており、送り出し機関に頼らない採用スキームを掲げ、クリーンでリーズナブルな採用を提供するとしています。

今件の位置づけと拡張計画

本事業で得られるノウハウを活かし、ファクトリーラボは東南アジア現地での入国前教育を標準化し、優秀なドライバー人材を九州、ひいては全国へ提供する計画を示しています。具体的には佐賀県でのモデルを基にして、インドネシアでも同様の取り組みを予定していると明記されています。

また、タイ人材の特性については、日系企業との相性の良さや温厚で協調性を重んじる国民性が挙げられており、日本文化や日本企業環境への適応力を高く評価しています。こうした特性は実務現場での受け入れやすさに寄与するとの見解が示されています。

関係者情報と主要データの整理

本章ではプレスリリースに記載された関係者情報や主要な日付、数値を整理します。関係機関・企業名、選考日程、参加人数、予定時期などを網羅的にまとめ、事業の全体像を把握しやすくします。

以下の

に本記事で取り上げた主要情報を整理します。その後、簡潔なまとめの文章で締めます。

項目 内容
プレスリリース発表日 2025年9月16日 07時02分
事業名 佐賀県型外国人ドライバーチャレンジ事業(受託:ファクトリーラボ株式会社)
目標運転業務開始 2026年4月
入国予定(最短) 2025年12月
選考実施日 2025年8月26日(現地面接会)・2025年8月29日(採用試験実施報告)
応募者数 60名を超える
内定者数 3名
内定者の条件 日本語検定N3以上の日本語能力、日本での就労経験またはタイの日系企業での就労経験、タイ現地での運送業経験
入国後の特定活動期間 6ヶ月(この期間内で日本の運転免許取得を目指す)
提携教習所 城北自動車学校(佐賀)・アドバンス自動車学校(タイ)
協力団体 佐賀県トラック協会(会長:馬渡雅敏)
ファクトリーラボの強み バンコク現地拠点、2万人超の日本語話者タイ人データベース、ダイレクトリクルーティング、東南アジア現地法人
関連リンク https://factorylab.co.jp/news/-NbnOV4Q
ドライバー需給に関する数値 有効求人倍率 2.64倍(2024年2月)、不足量:2020年度 約4万人、2025年度 14万人超、2030年度 21万人超(推計)

以上の情報は、ファクトリーラボが公表したプレスリリースに基づく内容を網羅的に整理したものです。本件は、地域の人手不足対策と海外からの人材活用、教育連携の具体例として位置づけられ、入国前後の教育体制、採用の実績、関係機関の役割分担が明確に示されています。

参考リンク: