10月1日開始 高島屋、コスメをショッパー&コームに再生
ベストカレンダー編集部
2025年9月16日 19:05
コスメが紙とコームへ
開催日:10月1日

メイク用品が別の“モノ”へ──紙とコームに生まれ変わる取り組み
株式会社髙島屋は、循環型社会の実現を目指すプロジェクト「Depart de Loop(デパート デ ループ)」の一環として、役目を終えたメイク用品と化粧品の空容器を回収・再生する「コスメ再生プロジェクト」を拡大します。プレスリリースは2025年9月16日17時39分に発表され、本企画は2025年10月1日(水)から本格始動します。
本企画では、これまでクレヨンやキャンドルに再生してきた回収物に加え、アイシャドウやチークなどのメイク用品のパウダー部分を紙の着色料として用いて、ショッピングバッグやメッセージカード、名刺といったペーパーアイテムにアップサイクルします。加えて、化粧品の空容器を洗浄・粉砕し再生プラスチック材としてコームに仕立てるなど、素材ごとに新たな循環を設計しています。

プロジェクトの背景とこれまでの回収実績
「コスメ再生プロジェクト」は2023年2月に開始され、回収量は2025年8月末時点で合計約1,483kgに達しています。年度別の回収量は以下の通りです。
- 2022年度:約266kg
- 2023年:約154kg
- 2024年度:約763kg
- 2025年度(3月~8月):約300kg
回収物は原料の特性を踏まえ、クレヨンやキャンドルとしての再生に加え、今回のような紙の着色やプラスチック製品への再利用といった多様なアップサイクル方法に展開されています。

実施内容と配布・販売の詳細
新しい取り組みのうち、ペーパーアイテム(ショッピングバッグ・メッセージカード・名刺)とアップサイクルコームについて、配布・販売の具体的なスケジュールおよび取扱店が公表されています。
ペーパーアイテムは高島屋5店舗の対象売場で配布され、アップサイクルコームは高島屋10店舗および高島屋のコスメサイト「TBEAUT」で販売されます。以下は対象店舗の一覧と配布/販売条件です。
アイテム | 取扱/配布店舗 | 主な条件・備考 |
---|---|---|
ペーパーアイテム(ショッピングバッグ・メッセージカード・名刺) | 日本橋・新宿・横浜・大阪・京都(高島屋5店舗の対象売場) | 対象売場にて税込3,000円以上購入の方、先着15,000名にピンクのショッピングバッグを購入商品と一緒に配布。各店舗の対象売場は公式ホームページで確認可能。 |
アップサイクルコーム(ケース付/全4色) | 日本橋・新宿・玉川・横浜・大宮・柏・高崎・大阪・泉北・京都(高島屋10店舗)、TBEAUT(オンライン) | 10月1日(水)発売、数量限定、各3,520円(ジョンマスターオーガニック) |
また、今回生成されたアップサイクルペーパーは社内の名刺にも採用され、高島屋の化粧品バイヤーを中心にビジネスの場で使用されます。社内外で素材の再利用価値を示す一例として位置付けられています。
プレスリリースでは、プロジェクト紹介のショートムービーが公開されることにも触れられており、視覚的に製造工程や完成品の質感を確認できるようになっています。

素材の再生プロセスと協業パートナー
今回のアップサイクルは複数の専門企業との協業で実現しています。ペーパーアイテムの着色には、アイシャドウやチークの赤・ピンク系(ラメ含む)からパウダー部分のみを選別して抽出し、再生紙の原料に混ぜる工程が採用されました。紙の製造は山陽製紙株式会社(大阪本社工場)で行われ、プロダクト実現には規格外野菜などを原料とする製品を提供するmizuiro株式会社との協業が含まれます。
一方、アップサイクルコームの製造は3社協業で進められました。再生プラスチックのリプロダクトを手掛けるパラレルプラスティックス(運営会社:Hamee株式会社)、ブランド側としてジョンマスターオーガニック、そして高島屋の協働により、廃棄プラスチックの新たな循環が試みられています。
- ペーパーアイテムの主な工程
- 1. 赤・ピンク系のメイク用品からパウダー部分を選別・抽出
2. 再生紙パルプに混ぜて着色
3. 製紙工程によりピンク色のバッグやカードに整形(山陽製紙 大阪本社工場) - コームの主な工程
- 1. お客様と取引先から回収した空容器をバイヤーが色や種類に応じて選別し洗浄
2. 容器を粉砕して素材化
3. 粉砕容器(約1割)と白い再生プラスチック(約9割)を組み合わせ、溶解温度の差を利用してマーブル模様に成形
4. ケース付の完成品として販売(再生プラスチック100%)
回収した空容器は、ECOMMITのリサイクルパートナーである有明興業のスキームを通してセメント原料などの環境資源にも活用されてきました。今回のコームは、色の模様に回収容器を約1割混ぜることで色味に個体差が生じる設計となっており、ブラウンの色はジョンマスターオーガニックの容器色を活かしたものになっています。製品はインバス時のヘアトリートメントのなじませにも適した仕様です。

Depart de Loopの位置づけとこれまでの取り組みの一覧
Depart de Loopは高島屋グループが掲げる循環型社会実現のためのプロジェクト名です。リサイクルシステムを持つ企業とパートナーシップを結び、原料の再資源化を行い、新たな製品として店舗やオンラインで再紹介・販売する取り組みが継続的に行われています。
これまでの主要な取り組みと開始時期は以下のとおりです。
- 衣料品(ポリエステル)再生/2021年6月から
- カシミヤ再生/2021年11月から
- デニム再生/2022年4月から
- コスメ再生/2023年2月から
- 羽毛ふとん再生/2023年10月から
- スーツ再生/2025年4月から
今回のペーパーアイテムおよびアップサイクルコームは、コスメ再生の新展開として位置づけられています。各工程で洗浄や選別を行うことで、廃棄物とされてきた素材に新しい用途を与える設計になっています。

関連情報と問い合わせ
本件の詳細は髙島屋が公開しているPDF資料にまとめられており、関連リンクとしてプレスリリースのPDFが示されています。問い合わせは高島屋各店へ。
関連リンク(プレスリリースPDF): https://www.takashimaya.co.jp/base/corp/topics/250916d.pdf

この記事の要点まとめ
以下の表は、本記事で触れた主要な情報を整理したものです。配布・販売の条件、対象店舗、協業パートナー、回収実績などを網羅しています。
項目 | 内容 |
---|---|
発表元・日時 | 株式会社髙島屋/2025年9月16日 17:39 |
プロジェクト名 | Depart de Loop(デパート デ ループ)内「コスメ再生プロジェクト」 |
開始日(新企画) | 2025年10月1日(水) |
回収実績(合計) | 2025年8月末時点 約1,483kg |
年度別回収量 | 2022:約266kg/2023:約154kg/2024:約763kg/2025(3月~8月):約300kg |
ペーパーアイテム配布店舗 | 日本橋・新宿・横浜・大阪・京都(対象売場にて) |
ペーパーアイテム配布条件 | 対象売場で税込3,000円以上購入の方、先着15,000名にピンクのショッピングバッグ配布(購入商品と一緒にお渡し) |
アップサイクルコーム販売店舗 | 日本橋・新宿・玉川・横浜・大宮・柏・高崎・大阪・泉北・京都、TBEAUT(オンライン) |
アップサイクルコーム仕様・価格 | ケース付・全4色/各3,520円(ジョンマスターオーガニック)、数量限定 |
主な協業パートナー | mizuiro株式会社、山陽製紙株式会社(大阪本社工場)、パラレルプラスティックス(運営:Hamee株式会社)、ジョンマスターオーガニック、有明興業(ECOMMITパートナー) |
素材利用のポイント | メイク用パウダーを紙の着色料に再利用/空容器を洗浄・粉砕して再生プラスチックとしてコームへ(容器はコームの色模様の約1割) |
その他 | 社内名刺にもアップサイクルペーパーを採用。ショートムービーで工程紹介。 |
この記事では、髙島屋が展開するコスメ再生の最新展開を、配布・販売条件、参与する企業、素材の加工工程、回収実績などを含めて整理しました。具体的な取扱店や対象売場の詳細は髙島屋の公式情報で確認することができます。
参考リンク: