ノウタス、万博で新品種「パープルM」を発表

ノウタス ぶどうEXPO開催

開催日:9月16日

ノウタス ぶどうEXPO開催
パープルMってどんなぶどうなの?
小粒で食べやすさと流通・加工の利便性を重視した試作段階の新品種。会場では実物展示と試食があり、製品化に向けた工程や共同研究の方針が示されました。
一般でも試食や購入はできるの?
本イベントは招待制だが、会場の記念スタンプは誰でも押せる。紫ワインは予約販売開始、Mr. CHEESECAKEの提供は9/25銀座店から、一部商品はオンライン販売予定。

大阪・関西万博で開かれた「ノウタス ぶどうEXPO」の全体像

2025年9月16日、ノウタス株式会社は大阪・関西万博会場内のレストラン「醗酵食堂 Hasshoku」を会場に、招待制イベント「ノウタス ぶどうEXPO」を開催しました。本イベントは農業関係者、研究者、企業、メディアを対象に、ぶどうにまつわる研究開発、AIによる栽培技術、ファッションや食文化のコラボレーションを一堂に紹介する場として企画されました。

会場提供は株式会社初亀の協力により実現し、イベント期間中は会場内に今回発表された新品種の記念スタンプが常設されるなど、来場者が体験と記憶を持ち帰れる仕掛けが用意されました。ノウタス側はこの場を通じて「ぶどうの未来」を多角的に提示するとともに、企業や大学との連携成果を広く示しました。

ノウタス、大阪・関西万博内「醗酵食堂 Hasshoku」にて「ぶどうEXPO」イベントを開催 画像 2

イベントの開催日時と主催・会場

日時は2025年9月16日(火)。主催はノウタス株式会社、会場は大阪・関西万博内レストラン「醗酵食堂 Hasshoku」です。会場にはイベント記念の「パープルM」特製スタンプが設置され、万博閉幕まで常設される運びとなっています。

発表、展示、試食などを組み合わせたプログラムは招待制で実施され、全国の関係者やメディアが招かれました。会場提供の経緯や協力企業についても説明があり、地域連携や産学連携の現場としての位置づけが強調されました。

  • 開催日:2025年9月16日(火)
  • 主催:ノウタス株式会社(本社:東京都港区)
  • 会場:醗酵食堂 Hasshoku(大阪・関西万博会場内)
  • 会場提供:株式会社初亀
ノウタス、大阪・関西万博内「醗酵食堂 Hasshoku」にて「ぶどうEXPO」イベントを開催 画像 3

新品種「パープルM(プロトタイプ)」の発表と関連プログラム

本イベントの中心となった発表の一つが、小粒で親しみやすさを重視した新品種「パープルM(プロトタイプ)」です。ノウタス取締役の村上信五氏と林ぶどう研究所の林慎吾氏が中心となり、品種改良の成果としてその特徴や栽培上の特性について報告が行われました。

「パープルM」は試作段階のプロトタイプであり、味や食感、流通上の利便性を意識した小粒設計が特徴です。会場では、実物の展示に加えて、製品化に向けた今後の工程や関係者によるコメントが示されました。

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発表内容の詳細

発表では品種の基本特性だけでなく、流通や加工を意識した活用方法についても説明がありました。摘粒や規格外果実の活用案もあわせて示され、食品企業や加工メーカーとの連携が前提にあることが明確化されました。

同時に会場には「パープルM」関連のコラボ商品が並び、来場者は味わいを確認できる試食機会が提供されました。試食は新商品紹介とあわせて行われ、食文化としての可能性を具体的に伝える内容となっていました。

  1. 発表者:ノウタス取締役 村上信五、林ぶどう研究所 林慎吾
  2. 品種名:パープルM(プロトタイプ)
  3. 特徴:小粒で親しみやすい食味・加工や流通を見据えた設計
  4. 会場展示:実物展示・試食・記念スタンプ設置
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研究連携と技術紹介:AI栽培から環境技術まで

ノウタスはAIを活用した次世代ぶどう栽培に関する研究開発成果を紹介しました。代表取締役会長の髙橋明久氏が、AIを駆使した果樹の植物工場化や通年収穫技術について説明し、持続可能かつ安定的な生産体制の構築を目指す方針を提示しました。

発表資料では、センサーや画像解析、栽培管理の自動化による品質安定化、収穫時期の最適化など具体的な技術要素が示され、現場導入に向けたロードマップや共同研究の成果が共有されました。

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大学・企業との共同研究の中身

イベントでは以下の共同研究や技術連携について紹介がありました。各共同研究は、ぶどう栽培を中心としつつエネルギー効率化や土壌改良、収穫自動化といった側面を補完しています。

桐蔭横浜大学(宮坂特任教授)
ペロブスカイト太陽電池の農業分野での活用検討。温室・施設栽培におけるエネルギー供給最適化の試験。
九州大学(松元教授)
トリコデルマ菌を利用した培養土によるぶどう栽培の研究。病害抑制や土壌改良効果の評価。
AGRIST社
AIぶどう収穫ロボットの共同研究。自動摘果・収穫の効率化と労働負荷軽減を目的とする実証。

これらの連携は現場の生産性向上だけでなく、フードロス削減やエネルギー効率化といった社会的課題への対応にもつながる取り組みとして位置づけられています。

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コラボレーション商品と提供・販売情報

イベントでは複数の企業コラボ商品が紹介され、製品化や販売スケジュールの詳細も明らかになりました。商品群は飲料、スイーツ、調味料など多岐にわたり、規格外果実の有効活用や農福連携の取り組みが一貫して示されています。

以下は発表された商品と提供・販売に関する情報です。各商品の特徴と販売開始時期、販売場所などが明記されました。

  • 紫ワイン(雫ジャパン)
    • 特徴:バタフライピーの抗酸化作用を活かした鮮やかなオーガニック紫色ワイン。
    • 販売:本日より予約販売を開始。
  • 規格外ぶどうの限定スイーツ(Mr. CHEESECAKE・長野須坂 牧農園)
    • 商品名:Glass Dessert Classic with Grape(パープルMコラボ)
    • 提供開始:2025年9月25日(木)〜、Mr. CHEESECAKE GINZA SIX店のイートインスペースにて提供開始。
  • ぶどう琥珀糖(ハラペコラボ)
    • 特徴:ぶどう果汁を使用した和菓子的な琥珀糖。日本の和菓子文化の発信を目指す。
    • 発売時期:近日発売予定。
  • ぶどう粒のステーキソース(シコメルフードテック)
    • 特徴:摘粒で間引かれたぶどうを利用したソース。酸味と甘みのバランスが肉料理と親和性が高い。
    • 目的:フードロス削減の一環としての活用。
  • 規格外ぶどうのバウムクーヘン(ココトモファーム・マイナビ農業・アグベル)
    • 特徴:グルテンフリー仕様。農福連携で就労支援施設と連携した生産。
    • 販売:ココトモファームのオンラインストアで販売中。

加えて会場では全国のぶどう20〜30品種を集めた食べ比べ会も開催され、ぶどうマニアやフリーライターによる解説を通じて、地域ごとの味わいの違いや文化的背景を学ぶプログラムが実施されました。

ファッションと作業着の紹介

ファッション領域からは、ノウタス監修の「Mr. JUNKO WORK WEAR」が紹介され、コシノジュンコ氏がビデオメッセージで農作業に適したデザインや機能性について説明しました。農作業とファッションを融合する試みは、農作業への参画意欲を高める取り組みとして位置づけられています。

この取り組みは、農作業を単なる労働としてではなく文化的・生活的価値を付加することを意図したもので、イベント参加者からはデザイン性と実用性の両立に関心が寄せられました。

ノウタスの企業概要と事業構造

ノウタス株式会社は2022年設立。本社は東京都港区南青山2-15-5、代表者は髙橋明久氏で、子会社にノウタス高槻農園株式会社があります。基本理念として「人生に農を足す」を掲げ、農業を生産活動としてだけでなく、人々の暮らしに楽しさや豊かさを加える存在として再定義することを目指しています。

会社が強調する価値観は「Win-WinよりもFun-Fun」。互いに楽しい関係が継続性を生むという考え方を基盤に、潜在的な農業関心層を行動に移すことを狙っています。

事業ドメインの構成

ノウタスは以下の三つの事業領域を中心に活動しています。各領域は独立しているわけではなく、利用者が体験から関与、そして生産へとステップアップできる循環を意図しています。

事業名 概要
アグリテインメント事業 農業体験やイベント、メディアを通じて農に親しむ場を提供。
アグリキャリア事業 農業に関わりたい人材や企業を繋ぎ、副業・兼業やリモート支援を支援。
アグリサイエンス事業 AIによるぶどう栽培や品種改良など、科学的アプローチで農を革新。

この循環構造を支えているのは、コンサル・IT・金融・クリエイティブ・農業など多様なバックグラウンドを持つ人材です。専門性を持つメンバーが連携することで、農業×エンタメ×テクノロジーを横断する新たな事業展開が行われています。

記事内情報の整理

以下に本記事で取り上げた主要事項を表形式で整理します。発表日、開催場所、主要な発表事項、共同研究先、コラボ商品、企業概要などをまとめています。

項目 内容
イベント名 ノウタス ぶどうEXPO
開催日 2025年9月16日(火)
会場 醗酵食堂 Hasshoku(大阪・関西万博内)
会場提供 株式会社初亀
主催 ノウタス株式会社
発表された新品種 パープルM(プロトタイプ) — 小粒で親しみやすい品種改良ぶどう
発表者(新品種) ノウタス取締役 村上信五 / 林ぶどう研究所 林慎吾氏
主要研究連携 桐蔭横浜大学(ペロブスカイト太陽電池) / 九州大学(トリコデルマ菌培養土) / AGRIST社(AI収穫ロボット)
コラボ商品(抜粋) 紫ワイン(雫ジャパン/予約販売開始) / Glass Dessert Classic with Grape(Mr. CHEESECAKE、9月25日提供開始) / ぶどう琥珀糖(ハラペコラボ、近日発売) / ぶどう粒のステーキソース(シコメルフードテック) / バウムクーヘン(ココトモファーム等、オンライン販売)
記念施策 醗酵食堂 Hasshoku内に「ノウタスぶどうEXPO」限定の特製スタンプを常設(万博閉幕まで)
会社概要 ノウタス株式会社:設立2022年、所在地 東京都港区南青山2-15-5、代表 髙橋明久、子会社 ノウタス高槻農園株式会社
理念 「人生に農を足す」 / 「Win-WinよりもFun-Fun」

以上がイベントの主要点とノウタスの事業・取り組みの整理です。発表された技術や商品、連携体制は農業の生産と消費、文化を結びつける構図を示しており、会場で示された各種成果と今後の展開が注目されます。