9月26日公開:クレヨンしんちゃん、インドで3言語吹替上映
ベストカレンダー編集部
2025年9月17日 12:01
インド公開開始
開催日:9月26日
デリーで巻き起こった熱気――プレミア試写会の模様と登壇者の応対
2025年9月14日(日)、インド・デリーで開催された『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』のプレミア試写会は、現地のファン約200人とメディアが集まり、温かな歓迎に包まれた。上映前には橋本昌和監督としんのすけキャラクターが登壇し、会場の空気を和ませた。
会場では、橋本監督がヒンディー語で「ナマステ」と挨拶し、来場者からの拍手と歓声が続いた。上映中は観客が大きな笑い声や歌声をあげるなど、映画の世界に没入する独自のスタイルが見られた。上映後は監督と声優・小林由美子を収録したメイキング映像が公開され、質疑応答の時間も設けられた。
プレミア試写会のプログラム
当日の進行は上映前の登壇、上映、本編終了後のメイキング映像公開とQ&Aという流れで行われた。質疑応答ではインド独自の質問から作品に関する具体的な制作意図まで幅広い問いが投げかけられた。
- 開催日 2025年9月14日(日)
- 会場 日印政府公認アニメイベント内の『Japanese Film Festival』会場
- 登壇者 橋本昌和監督、しんのすけのキャラクターおよびメイキング収録の関係者
- 来場者 約200人のファンと現地メディア
駐インド日本国大使の挨拶
プレミアには駐インド日本国大使の小野啓一氏も登壇し、ヒンディー語で「橋本監督としんちゃん、インドへようこそ」と挨拶を述べ、日印の文化交流を祝した。
会場は大使の挨拶にも盛り上がりを見せ、上映後はサインや写真を求めるファンが集まるなど、最後まで高い関心が続いた。
インド公開に向けた体制と吹替陣、音楽のローカライズ
本作は日本での公開(2025年8月8日)に続き、2025年9月26日(金)からインド全国で公開される。インド公開ではヒンディー語、タミル語、テルグ語の吹替版が用意される点が特徴だ。
ヒンディー語版の吹替には、インド国内で人気を博す声優陣が参戦する。特にエリート刑事カビール役にSanket Mhatre、富豪ウルフ役にLohit Sharmaが起用されており、それぞれ『ONE PIECE』のゾロや『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨、『呪術廻戦』の五条悟などの吹替で知られるキャリアを持つ。
主要吹替キャストのプロフィール
| 役名 | 日本語版声優 | ヒンディー語版担当声優 | 代表作・備考 |
|---|---|---|---|
| エリート刑事・カビール | 山寺宏一 | Sanket Mhatre | 『ONE PIECE』ゾロ、『鬼滅の刃』鬼舞辻無惨等の吹替実績 |
| 大富豪・ウルフ | 賀来賢人 | Lohit Sharma | 『呪術廻戦』五条悟の吹替、Crunchyroll Anime Award 2025 ヒンディー語最優秀声優賞受賞 |
これらインドの人気声優の起用は、日本アニメとの親和性が高いタレントが参加したことで、現地での注目度をさらに押し上げる狙いがある。
劇中歌『オラはにんきもの ~インドバージョン~』の配信
インド向けのローカライズの一環として、劇中で使用される挿入歌『オラはにんきもの ~インドバージョン~』が2025年9月13日(土)より、ヒンディー語・タミル語・テルグ語の3言語でデジタル配信されている。オリジナルは1993〜1995年のTVアニメオープニングとして使用され、オリコンベスト10入りした楽曲で、インドでもTVシリーズの放送が19年続いて愛されてきた。
- 配信URL(ヒンディー語)
- https://shin-chan.lnk.to/Hindi
- 配信URL(タミル語)
- https://shin-chan.lnk.to/Tamil
- 配信URL(テルグ語)
- https://shin-chan.lnk.to/Telugu
作品のあらすじとこれまでの評価・受賞歴
『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』は、カスカベ防衛隊の5人がダンス大会で優勝しインドで催される「カスカベキッズエンタメフェスティバル」に参加するところから始まる。舞台はインド。観光中にボーちゃんが奇妙な雑貨店で見つけた「鼻の形」に似たリュックサックが物語の鍵となる。
リュックの中から出ていた紙を誤って鼻に刺してしまったボーちゃんは、邪悪な力に導かれて『暴君(ボーくん)』へと変貌し、世界規模の脅威ともいえる力を得てしまう。しんのすけたちはボーちゃんの暴走を止めるために奮闘する、人情と笑いとダンスが混ざったエンターテインメント作品である。
ストーリーの要点
- カスカベキッズがダンス大会で優勝し、インドへ招待される
- インド観光中にボーちゃんがリュックを購入し、暴走が始まる
- 暴君となったボーちゃんに立ち向かうしんのすけたちの友情と奮闘
日本では2025年8月8日に公開され、大ヒット上映中である。インドでも前作『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』が2025年5月に劇場公開されており、2025年8月22日に開催された『ANNアワード2025』では前作が「Best International Animated Feature Film」を受賞し、さらに『クレヨンしんちゃん』のキャラクターが「Best Animated Licensed Character (International)」も受賞するなど、高い評価を受けている。
橋本監督のワークショップと日印文化交流の現場
プレミア試写会の翌日、2025年9月15日(月)にはデリーの大学で在インド日本国大使館主催のワークショップが開催された。橋本監督が約200人の参加者を前に、アニメーション制作のプロセスや脚本作り、監督になるための道筋などを自身の経験を交えて語った。
ワークショップは約1時間の質疑応答を含み、参加者からは「脚本はどのように作るのか」「監督になるためには何が必要か」といった実務に関わる問いが次々と寄せられた。監督は具体例を挙げて丁寧に説明し、会場は終始高い熱気に包まれた。
ワークショップの主な内容
- アニメ制作の基礎解説(脚本、絵コンテ、演出の流れ)
- 監督としてのキャリアパスと実務上の心得
- 参加者との質疑応答、サイン・写真対応
この一連のイベントは、日印の文化交流を深め、インドにおける『クレヨンしんちゃん』の人気と親和性を再確認する機会となった。終了後もファンの関心は高く、サインや写真を求める列ができるなど、現地での支持が明確に示された。
記事の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ |
| 日本劇場公開日 | 2025年8月8日(金) |
| インド劇場公開日 | 2025年9月26日(金) ヒンディー語・タミル語・テルグ語吹替版上映 |
| プレミア試写会 | 2025年9月14日(日) デリー 約200人の来場者 |
| ワークショップ | 2025年9月15日(月) 在インド日本国大使館主催、デリーの大学で実施 約200人参加 |
| ヒンディー語吹替主要キャスト | Sanket Mhatre(カビール役)、Lohit Sharma(ウルフ役) |
| 挿入歌(インド版)配信開始 | 2025年9月13日(土) ヒンディー語/タミル語/テルグ語配信 ヒンディー語 https://shin-chan.lnk.to/Hindi タミル語 https://shin-chan.lnk.to/Tamil テルグ語 https://shin-chan.lnk.to/Telugu |
| 関連受賞 | ANNアワード2025にて前作がBest International Animated Feature Film受賞、キャラクターがBest Animated Licensed Character (International)受賞 |
| 著作表記 | ©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2025 |
本記事では、デリーで行われたプレミア試写会とワークショップ、インド公開のための吹替体制と音楽ローカライズ、作品のあらすじおよび受賞歴を整理した。現地でのファンの反応や関係者の発言、各種日付と配信情報は上記の表にまとめた通りである。著作表記は公式の表記に従い記載した。