9月23日発売|多摩少年院の若者が描いたトート登場
ベストカレンダー編集部
2025年9月18日 10:25
HIGH HOPEトート発売
開催日:9月23日
多摩少年院の若者が描いた思いを形にしたトートバッグの誕生
FC東京との連携により、株式会社一が多摩少年院の在院者とともに企画したオリジナルトートバッグが完成し、2025年9月23日(火祝)に味の素スタジアムで開催される『NO PLANET, NO TOKYO』にて販売されます。株式会社一は「10代の犯罪を減らす」ことをミッションに掲げる組織であり、今回の取り組みはその一部として実施されました。
企画は多摩少年院で実施されたHIGH HOPEプログラムの一環として行われ、少年たちに問いかけられた2つの問いかけ、「このバッグを、誰に届けたいか」と「どんな気持ちになってほしいか」に対して真剣に向き合った議論からデザインが生まれています。彼らの言葉や絵が直接反映されたグラフィックが特徴です。
プログラムの開始と参加者構成
HIGH HOPEプログラム 製品企画は2025年3月に開始されました。第1期生として在院者9名が参加し、計5回のグループワークを通じてアイデアを練り、製品デザインを仕上げました。デザインには外部デザイナーとセレクトショップの協力、刑務所での製造が含まれています。
第2期に関しては2025年9月12日(金)に在院者11名を対象としたワークショップを実施し、今回は販売価格の検討を行っています。今後も製品企画の継続と販売結果の分析など、プログラムは段階的に進行します。
- 開始時期
- 2025年3月
- 第1期参加者
- 在院者9名、計5回のグループワーク
- 第2期ワークショップ
- 2025年9月12日、在院者11名(販売価格検討)
デザインの核心と少年たちのメッセージ
トートバッグのデザインコンセプトは「買った自分も、その先にいる子どもたちも、心温まるバッグ」です。少年たちが描いた絵をもとにしたグラフィックには、見た目や育ちが異なっても通じ合えるというメッセージが込められています。デザインに添えられた英文メッセージは、”They didn’t look alike. They didn’t grow up the same. But somehow, they understood each other. And that was enough.” という表現で、その日本語訳は「彼らは見た目も違った。育った環境も違った。でもなぜか、通じ合うことができた。それで十分だった。」です。
採用されたコンセプトのほかに検討された案として「全世界の人たちが支え合えるバッグ」や「持ったら誰でも起死回生できちゃうトートバッグ」なども挙がりましたが、今回の製品は少年たちの思いと実際のグラフィック表現のバランスで最終決定されています。
少年たちの言葉と担当者のコメント
プログラム参加者からは次のような感想が寄せられています。代表的な発言をそのまま掲載します。 「人の事を困らせ続けてきた自分でも人を助けたり、応援したりできると分かったし、人と人の支え合いの輪の中に入れると知ってすごく嬉しかったです。」 「今だからこそ、少年院だからこそ、社会へ与える良い影響のかけらでもいいので、このプログラムを通じて社会貢献したいと思いました。」 「児童養護施設とか、身寄りのない子供たちが、僕たちのように少年犯罪を犯さないように、今から何かしらの寄付とか、子供たちの未来を守るための行動ができるのではないかと思った。そういった子供たちの未来を変えられるような社会貢献を少年院内からできるということに夢を感じた。」
担当者の高谷美晴は、トートバッグ作りを通して少年たちから「人を困らせてきた自分たちでも、人を助けられる側になれるんだ」という感想が聞かれたと伝えています。個々のメッセージには違いがあったものの、共通していたのは「誰かを助けたい」という想いが根底にある点でした。
製造と販売の具体的な仕様、イベント情報
デザインは株式会社ennnのデザイナー 鈴木正人によって仕上げられ、製造はセレクトショップSHIPSを運営する株式会社シップスの協力のもと、府中刑務所で行われました。製品にはサイドに『FC東京』と『HIGH HOPE』のタグが付属します。
製品は大サイズと小サイズの2種類で、素材は綿100%です。9月23日当日の決済はクレジットカード決済のみが利用可能となっています。
製品仕様と価格
- 本体素材: 綿100%
- タグ: サイドに『FC東京』および『HIGH HOPE』
- サイズ(大): W 500mm × H 520mm
- サイズ(小): W 290mm × H 360mm
- 価格(大): 3,900円(税込)
- 価格(小): 2,900円(税込)
- 販売時の決済方法(9/23イベント): クレジットカード決済のみ
販売イベントの詳細
販売は2025シーズン『NO PLANET, NO TOKYO』の会場で行われます。開催日は2025年9月23日(火祝)、会場は味の素スタジアムです。試合はFC東京対アビスパ福岡で、キックオフは18:00です。
会場所在地は〒182-0032 東京都調布市西町376-3で、大会の公式情報は公式ページで案内されています。イベントページは関連情報として示されています。
HIGH HOPEの理念、組織体制、今後の予定と企業情報
HIGH HOPEはICHI INC.(株式会社一)が展開する事業の一つで、少年院や矯正施設に関わる若者たちが生きがいを見つけ、自律的に人生を歩むことを支援するプログラムです。ICHI INC.は再犯防止・更生保護を目指し、地域企業や自治体、教育機関、スポーツクラブ、アーティスト、メディア、金融機関などと協働するオープンイノベーションによる事業展開を掲げています。
代表の中馬一登は、約9割の少年院入所者に幼少期の逆境体験があると指摘し、社会構造の変革を目指す必要性を述べています。ICHI INC.は医療・福祉面からのアプローチや、刑務作業製品のブランド開発なども並行して進めています。
代表プロフィールと法人概要
代表: 中馬 一登。1987年京都生まれ。26歳で弟2人と株式会社MIYACOを設立し、代表を10年間務めた後、2023年にICHI INC.を設立しました。HIGH HOPE事業を立ち上げ、少年院でのアントレプレナーシップ育成や刑務作業製品のブランド化に取り組んでいます。
法人情報は以下の通りです。設立は2023年11月。住所は京都市上京区相国寺門前町643-6 風良都館3階、代表取締役は中馬一登です。HIGH HOPEの詳細は関連サイトに掲載されています。
- 会社名
- 株式会社一(ICHI INC.)
- 代表取締役
- 中馬 一登
- 設立
- 2023年11月
- 所在地
- 〒602-0898 京都市上京区相国寺門前町643-6 風良都館3階
- HIGH HOPEウェブ
- https://high-hope.ichi.jpn.com/
FC東京との連携について
FC東京は地域社会の多様な課題に対して対話を重ねながら取り組む『TOKYO SOCIAL COLLABORATION』を2024年1月より開始しています。コミュニティジェネレーターの石川直宏が中心となり、公募で集まったメンバーとともに社会連携活動を展開しています。今回のトートバッグ企画はその枠組みの中で実現した協働事例の一つです。
TOKYO SOCIAL COLLABORATIONの詳細は運営のウェブサイトで確認できます。今回の共同作業はスポーツクラブと社会的課題解決を図る実務的な連携の好例となっています。
重要事項の整理表と締めの一文
以下の表は本記事で触れた主要な情報を整理したものです。販売日、製品仕様、価格、関係者、プログラムの実施時期や場所などを一覧化しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売日 | 2025年9月23日(火祝)『NO PLANET, NO TOKYO』会場にて |
| 販売場所 | 味の素スタジアム(〒182-0032 東京都調布市西町376-3) |
| 試合情報 | FC東京 vs アビスパ福岡、キックオフ18:00 |
| 製品名 | HIGH HOPE オリジナルトートバッグ(大・小) |
| サイズ | 大: W 500mm × H 520mm、 小: W 290mm × H 360mm |
| 素材 | 綿100% |
| 価格 | 大: 3,900円(税込)、小: 2,900円(税込) |
| 決済方法(9/23) | クレジットカード決済のみ |
| デザイン担当 | 株式会社ennn デザイナー 鈴木正人 |
| 製造協力 | 株式会社シップス協力、府中刑務所で製造 |
| 企画主体 | 株式会社一(ICHI INC.) 高谷美晴ほかプログラム運営 |
| プログラム開始 | 2025年3月(第1期)、第2期ワークショップは2025年9月12日 |
| 今後の予定 | 製品企画2期 第2回販売結果の分析 2025年10月3日 13:10〜15:10(多摩少年院、在院者10名程度) |
| 代表 | 中馬 一登(ICHI INC. 代表取締役) |
本取り組みは、少年院内での製品企画を通じて当事者の自己肯定感や社会参加の機会を創出することを目的とし、地域や企業との連携により具体的な製品化と販売につながった事例です。関連情報やプログラムの詳細はHIGH HOPEのウェブサイトで確認できます。
参考リンク: