10月1日発売|干し芋残渣で作るGREEN DOLCE新作

干し芋残渣スイーツ発売

開催日:10月1日

干し芋残渣スイーツ発売
このスイーツっていつ買えるの?
2025年10月1日から購入可能です。クラダシ運営のKuradashiとau PAY マーケット Kuradashi店で、干し芋残渣を使ったスイーツ4種が発売されます。詳しい個別商品は当日公表予定です。
干し芋残渣って安全なの?
日興フーズ由来の干し芋残渣をペースト化して使用しており、受賞歴あるパティシエが監修。品質に問題ない素材を選定し、食品としての加工・品質管理のもとで商品化されています。

干し芋の“残渣”を素材に変える取り組みの全容(発表日:2025年9月18日)

2025年9月18日10時、株式会社クラダシは未利用素材を活用するスイーツブランド「GREEN DOLCE」の第2弾商品を発表した。今回の主素材は、茨城県で年間約2,000トン発生している「干し芋残渣(ざんさ)」。同社は販売開始日を2025年10月1日(水)とし、運営するソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」にて発売すると公表している。

クラダシはミッションに「ソーシャルグッドカンパニーでありつづける」、ビジョンに「日本で最もフードロスを削減する会社」を掲げる企業である。本発表では、原料としての未利用素材の活用だけでなく、都内のファミリーレストラン向けに干し芋残渣ペーストを卸すという、新たな流通形態の開始も明らかにされた。

クラダシ、“かくれフードロス”をおいしく変えるスイーツブランド「GREEN DOLCE」第2弾商品を10月より販売開始 画像 2

背景:なぜ干し芋残渣を取り上げたのか

全国の干し芋生産量・消費量の約9割を占める茨城県では、加工過程で形や見た目、おいしさを追求する結果、皮や端の部分などが切り落とされ廃棄される。廃棄量はサツマイモ全体の約40〜50%に達するとされ、残渣は畑に放置されることが多く、悪臭や害虫発生など地域課題にもつながっている(出典:茨城大学 環境報告書2024)。

こうした「かくれフードロス」を解消するため、クラダシは未利用素材の価値を見出し、味や品質に問題のない素材を活用して魅力的な商品へと転換することを目指している。今回の取り組みは、その具体的な一例として位置付けられている。

  • 対象素材:干し芋残渣(茨城県産、日興フーズ株式会社の原料を使用)
  • 発生量の目安:年間約2,000トン(茨城県内)
  • 廃棄率の目安:さつまいも全体の約40〜50%が加工時に除去される
  • 出典:茨城大学 環境報告書2024(令和5年度)

商品設計と販売計画:4種のスイーツと販路拡大

「GREEN DOLCE」は、未利用素材を活用し、受賞経験のあるパティシエが監修・開発するスイーツブランドである。第1弾(2025年5月展開)は酒粕やワインの澱を用いた焼き菓子で、購入者アンケート(実施期間:2025年7月24日〜7月31日)では「未利用素材でも味に問題がない」という反応が多く寄せられた。

第2弾では、日興フーズ株式会社で生じる干し芋残渣をペースト化し、素材本来の甘みと風味を生かした4種のスイーツを展開する。販売開始日は2025年10月1日、販売場所はKuradashiサイトに加え新たに「au PAY マーケット Kuradashi店」でも取り扱うことで販路拡大を図る。

商品概要(公表情報)

発表時に公表された内容は以下の通りである。商品詳細(各スイーツの名称や仕様など)は販売開始日の2025年10月1日に改めて発表予定とされている。

商品
干し芋残渣を使用したスイーツ4種
販売開始日
2025年10月1日(水)
販売場所

生産者・監修者・流通の声:事業者とシェフのコメント

本プロジェクトには素材提供企業、監修したシェフ双方からのコメントが寄せられている。素材提供は「金の干し芋」で知られる日興フーズ株式会社。事業側は「さつま芋のおいしいを丸ごと使い切る」プロジェクトを推進しており、廃棄されていた素材が高品質なスイーツに仕上がったことに高い評価を示している。

スイーツ監修は2名のシェフ。Constellation.の加藤皓史氏は、未利用素材を活かしたスイーツ3種の開発に言及し、「おいしいこと自体が社会に良い循環を生む仕組みを作りたい」と述べている。MOKA CHOCOLATE & Factoryの小清水圭太氏は、廃棄される部分を主役に据えた滑らかな口どけのスイーツを目指した点を強調している。

  1. 日興フーズ株式会社のコメント:紅はるかは蔵で寝かせることで甘みが増すが、製造過程で40〜50%が廃棄される。今回の仕上がりに感動した、との旨。
  2. 加藤皓史氏(Constellation.):素材の可能性を広げ、持続可能な食文化の実現を目指す旨。
  3. 小清水圭太氏(MOKA CHOCOLATE & Factory):廃棄部分を主役に、笑顔で続くサステナブルなお菓子作りを志向する旨。

卸事業の開始とファミリーレストランでの活用

クラダシは未利用素材の新たな流通機会を創出するため、卸事業にも取り組む。今回、干し芋残渣ペーストを都内のファミリーレストランへ初めて販売し、その店舗では秋限定メニュー内で本ペーストを活用したメニューが提供された。

この卸売りの取り組みは、単に一商品を販売するだけではなく、未利用素材を原料とする「新素材」の市場創造を目指す試みとして位置付けられている。消費者向け商品の販売と並行してB2Bルートを整備することで、未利用素材の流通を拡大する戦略である。

クラダシの実績と今回の意義、最後に要点整理

クラダシはKuradashiを通じ、フードロス削減を目指すマーケットを運営している。2025年6月末時点での主な累計実績は、フードロス削減量29,627トン、経済効果144億1,471万円、CO2削減量78,541t-CO2、支援総額168,849,985円である。これらの実績は、未利用素材の流通拡大と社会貢献活動を結びつける取り組みの確実な成果を示している。

今回のGREEN DOLCE第2弾は、未利用素材である干し芋残渣をスイーツに転換するだけでなく、原料ペーストを外食チェーンへ供給するなど流通の幅を拡げる点で重要な意味を持つ。製造側、商品設計者、流通事業者が連携して価値を創出する事例として注目される。

項目 内容
発表日 2025年9月18日 10:00
販売開始日 2025年10月1日(水)
ブランド GREEN DOLCE(株式会社クラダシ)
主素材 干し芋残渣(茨城県産、日興フーズ株式会社由来の原料を使用)
商品点数 スイーツ4種(詳細は2025年10月1日公表)
販売チャネル Kuradashiサイト(https://kuradashi.jp/)、au PAY マーケット Kuradashi店(https://wowma.jp/user/92667791)
卸販売 都内ファミリーレストランへ干し芋残渣ペーストを販売、秋限定メニューで活用
背景データ 茨城県の干し芋生産は国内の約9割、干し芋残渣は年間約2,000トン発生(茨城大学 環境報告書2024)
クラダシの主要実績(2025年6月末時点) フードロス削減量:29,627トン / 経済効果:144億1,471万円 / CO2削減量:78,541t-CO2 / 支援総額:168,849,985円
会社情報 株式会社クラダシ 代表取締役社長CEO:河村晃平 本社:東京都品川区上大崎3-2-1 目黒センタービル5F 設立:2014年7月 URL:https://corp.kuradashi.jp/

本件は、未利用素材を素材のまま放置せず、加工・商品化・流通を通じて経済と環境の両面にアプローチする取り組みである。消費者向け販売と卸売りの両輪で未利用素材の価値を引き出し、かくれたフードロスを軽減することを目指している点が整理された要点である。

参考リンク: