スターバックスが3拠点で実施 タンブラーチャレンジでマイタンブラー普及へ
ベストカレンダー編集部
2025年9月18日 14:01
タンブラーチャレンジ実施
開催期間:5月10日〜8月17日

アーティストや大学、地域を舞台に生まれた「スターバックス タンブラーチャレンジ」の狙い
スターバックス コーヒー ジャパン株式会社は、2025年5月より期間限定で、国内3か所を舞台にしたタンブラー利用促進プロジェクト「スターバックス タンブラーチャレンジ」を実施しました。本取組は、タンブラー利用を単なる割引や案内にとどめず、生活や感情に寄り添った「タンブラーを使いたくなる瞬間」を創出することを目的としています。
このチャレンジは、2023年5月に発足した参加型プロジェクト「タンブラー部」と連動して行われ、音楽イベント・大学キャンパス・地域コミュニティーという異なる文脈の協業により、リユース文化を次の段階へと押し上げる試みとして実施されました。期間や会場ごとに異なる取り組みが展開され、利用促進に向けた実証的なデータや気づきの獲得を目指しています。

3つの場で行われたチャレンジの具体的な取り組みと参加者の反応
「スターバックス タンブラーチャレンジ」は、音楽フェス、大学キャンパス、街の店舗という3つの文脈で、それぞれ異なる手法とメッセージでマイタンブラー利用を促進しました。各取り組みの期間や内容、参加者の声、定量的な実績を下記に示します。
以降の各節では、実施期間や実施内容、得られた反応を詳述します。各チャレンジごとに目的に応じた工夫が施され、参加しやすさを高めるための価格設定やノベルティ配布、体験型の仕掛けなどが用いられています。

【タンブラーチャレンジ#1】 平井 大さん×タンブラー部 ― “推し”から始まるマイタンブラー
実施期間は2025年5月10日~2025年6月1日(全5公演)。平井 大さん主催の音楽フェス『HIRAIDAI presents THE BEACH TRIP 2025』会場にスターバックスのブースを出展し、マイタンブラー持参者に対してアイスコーヒーを無料提供
アーティストの呼びかけによってファンが行動を起こす可能性を検証する狙いがあり、平井さんご本人がブースを訪れる日もあったことが報告されています。会場での反応として、参加者からは「ファンクラブアプリでコーヒー配布を知った」「昔買ったタンブラーを思い出し持ってきた」といった声が寄せられました。
- 提供数
- 5,067杯(全5公演合計)
- ノベルティ
- 特製ステッカー「STARBUCKS Tumbler x THE BEACH TRIP」
- イベントレポート
- イベントレポート(外部リンク)

【タンブラーチャレンジ#2】 関西学院大学店×タンブラー部 ― キャンパスでの実践
実施期間は2025年6月16日〜6月27日。兵庫県・関西学院大学 西宮上ケ原キャンパス内のスターバックス店舗で、環境月間に合わせた「MY TUMBLER WEEKS」を実施しました。店内利用(マグ・グラス)やマイタンブラー利用を積極的に案内するとともに、マイタンブラーを持っていない学生向けに通常250円のリユーザブルカップを110円で販売
参加者には特別ステッカーを配布し、店舗パートナーによる声がけを強化したことで、初めてマイタンブラーを使った学生から「地球のためになることを自分ができたと思うと嬉しかった」といった感想が寄せられています。店舗での丁寧な対応が利用につながったことが示唆されています。
- 販売施策
- リユーザブルカップの特別販売:通常250円→110円
- 期間中の取り組み
- マイタンブラー利用の推奨、店内でのマグ・グラス利用の案内、特別ステッカー配布
- イベントレポート
- イベントレポート(外部リンク)

【タンブラーチャレンジ#3】 スターバックス 湘南 蔦屋書店×タンブラー部 ― 街のためのマイタンブラー
実施期間は2025年7月19日〜8月17日。テーマは「湘南の未来のために、今できること」。地域の廃棄物削減や緑の増加をゴールに据え、参加者がサステナビリティを学びながらゲーム形式などで楽しんで取り組める仕掛けを用意しました。マイタンブラーの利用を通じて街全体の環境負荷低減に寄与することを目指しています。
参加者には親子連れも多く、子どもが楽しめるゲーム形式の取り組みによって「街のために」といった身近な動機付けが有効であったという反応がありました。親子での参加が促される設計は、日常生活への定着を見据えた施策の一つとして評価できます。
- 目的
- 地域の廃棄物削減、緑の増加を促すための市民参加型の仕組みづくり
- 参加者の声
- 「海の近くに住んでいるので環境のことに興味があった」「ゲーム形式で子どもも楽しめた」
- イベントレポート
- イベントレポート(外部リンク)

「タンブラー部」と今回のチャレンジが示した実務的な気づき
スターバックスはこれまでも店内でのマグ・グラス提供やタンブラー持参客への割引などでリユースを促進してきましたが、日常的にマイタンブラーを持ち歩き利用することには依然としてハードルがあると認識しています。今回のチャレンジでは、場の文脈に合わせた呼びかけや参加しやすい価格設定、アーティストとの共創や地域密着のテーマ設定により利用のきっかけを創出することが有効であることが示されました。
「タンブラー部」は2023年からの参加型プロジェクトで、入部手続きは不要、マイタンブラーを利用するすべての利用者が部員=“TUMBLers(タンブラーズ)”として位置付けられています。プロジェクトは全国の店舗に加え、アプリや特設ウェブページなどのデジタル空間でも活動が展開されており、今回の実証から得られた知見は今後の施策設計に反映される予定です。
- タンブラー部の特徴
- 参加手続き不要、全国の店舗・デジタル空間で部活動を展開
- 目指す世界
- 「タンブラーを持つことが、楽しい、当たり前になる世界」

今回の取り組みの要点とデータの一覧
以下に、本記事で紹介した「スターバックス タンブラーチャレンジ」の主要な情報を表形式で整理します。各チャレンジの実施期間、主な施策、成果や参加者の声を網羅しています。
チャレンジ名 | 実施期間 | 主な施策 | 成果・参加数 | 参加者の声・特記事項 |
---|---|---|---|---|
#1 平井 大さん×タンブラー部 | 2025年5月10日~2025年6月1日(全5公演) | マイタンブラー持参でアイスコーヒー無料提供、特製ステッカー配布、アーティストの呼びかけ | 提供数:5,067杯 | ファンにより来場動機化、アーティスト来訪あり。イベントレポートあり(リンク掲載) |
#2 関西学院大学店×タンブラー部 | 2025年6月16日〜6月27日 | 環境月間連動「MY TUMBLER WEEKS」、リユーザブルカップ特別販売(250円→110円)、特別ステッカー配布 | 学生を中心に利用増加(詳細数値は報告書参照) | 学生の初利用が発生。「地球のためにできた」との感想。店舗パートナーによる声がけが奏功 |
#3 湘南 蔦屋書店×タンブラー部 | 2025年7月19日〜8月17日 | 地域テーマ「湘南の未来のために、今できること」、サステナビリティ学習、ゲーム形式の参加施策 | 親子連れの参加多数(詳細数値は報告書参照) | 「街のために」の呼びかけが身近に受け取られるという傾向。子どもも楽しめる工夫が有効 |
記事中に紹介した各イベントの詳細レポートや、スターバックス コーヒー ジャパンの概要は公式サイトで確認できます(https://www.starbucks.co.jp/)。同社の日本での展開は1996年の銀座1号店開業に始まり、2025年6月末時点で全国47都道府県に2,041店舗(ライセンス店舗含む)、世界80以上のマーケットで約40,000店舗のネットワークを有しています。約6万人のパートナー(従業員)が一杯のコーヒーを通じてサービスを提供しています。
今回の「スターバックス タンブラーチャレンジ」は、マイタンブラー利用を促すための多様なアプローチが有効であることを示すとともに、地域やコミュニティーの文脈に応じたメッセージ設計の重要性を示しました。得られた知見は今後のリユース活動や施策に反映され、タンブラー利用を日常へとつなげるための取り組みに活かされます。
参考リンク: