カードゲームで学ぶ脱炭素『カーボンバジェット』製品化へ
ベストカレンダー編集部
2025年9月22日 14:14
カーボンバジェット製品化
開催期間:9月9日〜10月31日

生活の選択を「体感」する教材としての位置づけ
2025年9月22日13時40分付で発表された株式会社LODUのプレスリリースは、気候変動対策を個人レベルで「何をすればよいか分からない」という課題に対し、遊びの形式で科学的知見を習得できる教材を提示しています。国際的な評価やCOPでの議論を背景に、IPCC第6次評価報告書が示す「人間活動が地球温暖化の主因である」ことを踏まえ、個人と地域が実践可能な行動を学べるツールの必要性を出発点としています。
同社は、従来の学校・企業向け教材開発の実績を活かし、協力型カードゲーム『カーボンバジェットゲーム』を開発しています。本ゲームは、科学データに基づいた効果の大小や地域差を体感的に学べることを目的に設計されており、学習と娯楽を両立させる教材としての位置づけが明確です。

なぜゲームなのか ― 学びを行動に結びつけるための工夫
気候変動対策の情報は量も多く、実際にどの行動が効果的かは必ずしも直感的に理解できない点が課題です。カードゲームという形式は、選択の結果が即時に可視化されるため、抽象的な知識を具体的な判断へと結びつける媒体として有効です。
協力型ゲームにすることで、個人の選択が地域や他者との協働にどう影響するかを学べます。競争ではなく協働に重心を置く設計は、実社会の脱炭素活動で重要となる合意形成や共同実施の感覚を養うことを意図しています。

ゲームの構成と3つの学び
『カーボンバジェットゲーム』は、プレイヤーが地域のリーダーとなり仲間と協力して脱炭素アクションを実行する協力型カードゲームです。プレイ時間は約25分、対象年齢は10歳以上で、子どもから大人まで幅広い世代を想定しています。ゲームは大きく分けて4つのステップから成り立ちます。
プレスリリースでは「4つのステップから成り立つ」と明記されていますが、具体的な手順や各ステップの詳細な流れはゲームのマニュアルや体験ワークショップで提示されることが想定されます。ここでは開示されている学習設計の要点を整理します。

ゲームで得られる3つの主要な学び
本ゲームで明示されている学びは次の3点です。第1に、カーボンバジェットの概念を体感することです。ゲームは3ラウンド制で、ラウンドが進むごとにカーボンバジェットが累積し、排出量に上限があること、累積が進むと気温上昇リスクが高まることをプレイを通じて理解します。
第2に、効果の大きいアクションを科学的に理解することです。ゲーム内で各アクション(カード)のCO₂削減量は、出典として「国内52都市における脱炭素型ライフスタイルの選択肢カーボンフットプリント 削減効果データブック(出所:公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES: アイジェス))」を参照しています。したがって、ゲーム上で強力なカードは現実世界でも削減効果が大きいアクションに対応します。
第3に、削減効果の地域差を学ぶことです。同じ行動でも地域によって削減効果が異なる点をゲーム内のシステムで再現します。公共交通が普及している地域では電気自動車の普及効果が相対的に小さく、冷暖房の使用頻度が高い地域では住宅に関する対策の効果が大きくなるといった差異を、プレイを通じて理解します。

製品化に向けた資金調達とリリース計画
本プロジェクトは製品化に必要な資金を募るために、クラウドファンディングサイト「READYFOR」で支援を募集しています。募集期間は2025年9月9日(火)から2025年10月31日(金)までです。目標金額は300万円で、All-or-Nothing方式を採用しています。
目標の300万円が達成された場合、ネクストゴールとして500万円を目指し、教材開発の継続や全国のファシリテーター研修に充当するとしています。プロジェクトページのURLは次の通りです: https://readyfor.jp/projects/carbon_budget_game
支援に応じた主なリターン
プレスリリースで示された主なリターンは次の通りです。まず、完成したゲームの製品版がリターンとして提供されます。続いて、開発メンバーによる体験ワークショップへの招待枠が設定されています。
また、スポンサー枠や企業向け出張研修など、組織での導入を見据えたリターンも用意されています。これらのリターンは企業・自治体・教育機関向けの導入や、研修プログラムとの連携を想定したものです。
開発陣の経験と普及・配布の計画
開発側のメッセージでは、株式会社LODUがこれまでに30種類以上のゲーミフィケーション教材を開発し、100を超える学校や企業に導入してきた実績を強調しています。その経験とノウハウを本作に反映させ、「当社の中でもトップクラスのクオリティ」であると位置づけています。
開発方針としては、学びと遊びのバランスを重視し、短時間で深い体験が得られることを良い教材の条件として挙げています。対象は小学校高学年から大人まで幅広く設定されており、異なる世代が同じテーブルで学ぶ設計になっています。
配布と研修の具体的な計画
クラウドファンディングが成功した場合、環境省が設置する全国地球温暖化防止活動推進センターのネットワークと連携し、全国の地域センターへのゲーム無償配布を行う計画が示されています。これにより、地域レベルでの体験機会の拡大を図ることが目標とされています。
あわせて、ファシリテーター育成研修を実施し、地域で本ゲームを円滑に運用できる人材を育てる予定です。さらに、ゲームデータは無料でダウンロード公開し、誰でも印刷して遊べる状態を目指すことが明記されています。
会社概要と連絡先情報
プレスリリースに記載された会社情報は以下の通りです。会社名は株式会社LODU(ロデュ)、所在地は石川県野々市市、代表取締役は島田 高行です。同社の事業内容としては、SDGs・サステナビリティに関する教育ゲーム教材の開発・提供、企業・自治体・教育機関向け研修やワークショップの実施、ゲームを活用した組織開発・地域活性化支援などが挙げられています。
コーポレートサイトのURLは https://lodu.co.jp/ です。プレス発表日時は2025年9月22日13時40分で、クラウドファンディングの募集期間は2025年9月9日~2025年10月31日です。目標金額は300万円(All-or-Nothing方式)、ネクストゴール500万円が設定されています。
この記事の要点まとめ
以下の表は本記事で触れた主要情報を整理したものです。発表の要点、ゲームの特徴、クラウドファンディングの条件、出典となるデータ、そして配布・研修計画を一覧で示しています。表の後に本文の締めとして簡潔な要約を置きます。
項目 | 内容 |
---|---|
発表日 | 2025年9月22日 13:40 |
発表元 | 株式会社LODU(石川県野々市市、代表取締役:島田 高行) |
製品名(仮) | カーボンバジェットゲーム(カードゲーム教材) |
ゲーム形式 | 協力型カードゲーム、3ラウンド制、プレイ時間:約25分、対象年齢:10歳以上 |
学習の柱 | 1) カーボンバジェットの体感、2) 科学データに基づくアクション効果の理解、3) 地域差の理解 |
データ出典 | 国内52都市における脱炭素型ライフスタイルの選択肢カーボンフットプリント 削減効果データブック(出所:公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES: アイジェス)) |
クラウドファンディング | サイト:READYFOR、期間:2025年9月9日~2025年10月31日、目標:300万円(All-or-Nothing)、ネクストゴール:500万円 |
主なリターン | 製品版ゲーム、開発メンバーによる体験ワークショップ招待、スポンサー枠、企業向け出張研修 等 |
普及・配布計画 | 全国地球温暖化防止活動推進センターと連携し地域センターへの無償配布、ファシリテーター研修、ゲームデータの無料ダウンロード公開 |
会社ウェブサイト | https://lodu.co.jp/ |
以上がプレスリリースの主要な内容と計画の整理です。発表では、科学的根拠に基づく学習設計と、短時間で体験が得られる教材としての有用性、さらには全国展開を視野に入れた普及体制構築が明示されています。クラウドファンディングの結果や、無償配布・研修による地域展開の具体化が今後のポイントとなります。