自治体AI zevo、GPT-oss-20B/120Bを日本リージョンで追加
ベストカレンダー編集部
2025年9月24日 10:14
GPT-oss日本提供開始
開催日:9月19日

自治体向け生成AIに新たな選択肢:GPT-ossシリーズが日本リージョンで利用可能に
シフトプラス株式会社は、都城市と共同で開発した自治体向け生成AIプラットフォーム「自治体AI zevo(ゼヴォ)」において、OpenAIが公開したオープンウェイトのGPT-ossシリーズからGPT-oss-20BおよびGPT-oss-120Bの2モデルを、新たに日本リージョンで利用可能なモデルとして追加したと発表しました。利用開始日は2025年9月19日(金曜日)で、同社のプレスリリースは2025年9月24日 08時30分に公開されています。
これにより、従来提供してきたChatGPT/Claude/Gemini等に加え、国内リージョンに配置されたオープンウェイトモデルが選択肢として加わり、自治体のLGWAN環境での生成AI活用における運用上の柔軟性と選択肢が拡充されます。GPT-ossシリーズはAmazon Bedrockでの利用が可能となっています。
追加モデルの概要と提供方法
今回追加されたGPT-oss-20BとGPT-oss-120Bはいずれも国内リージョンでの提供となります。国内リージョンであることを重視する自治体や組織に対して、データの所在や運用の安心感を担保する点が明示されています。
利用に際して、自治体AI zevo上では新たにこれらのモデルが利用可能となり、追加費用なしで利用できる旨が発表されています。プラットフォーム側ではAmazon Bedrock経由での利用を想定しており、既存のzevo利用者は追加コストなしにモデルを切り替えたり並列で利用したりすることが可能です。
- 利用開始日:2025年9月19日(金曜日)
- プレス発表:2025年9月24日 08時30分(シフトプラス株式会社)
- 提供方法:自治体AI zevo上、Amazon Bedrockにて利用可能
- 追加費用:不要
GPT-oss-20B/GPT-oss-120Bの技術的特徴
両モデルともOpenAIが公開したオープンウェイトモデルで、拡張思考機能を搭載している点が共通しています。内部設計や学習データ量の違いにより、処理能力や適用領域に差があるため、用途に応じて選択が可能です。
下記では各モデルの主要スペックと想定される適用例を整理します。具体的な数値やカットオフ日時など、導入検討時に必要となる情報も含めて記載します。
モデル名 | コンテキストウィンドウ(入力) | コンテキストウィンドウ(出力) | リージョン | ナレッジカットオフ | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
GPT-oss-20B | 128000 | 32000 | 日本 | 2024年6月 | コンパクトで高速。日常的な業務に適したモデル |
GPT-oss-120B | 128000 | 32000 | 日本 | 2024年6月 | より多くの訓練データを学習。複雑な業務や高度な推論が必要なケースに対応 |
- 共通点:拡張思考機能搭載、国内リージョン提供、ナレッジカットオフは2024年6月
- 相違点:パラメータ数や学習済みデータ量に基づく処理能力と適用範囲の差
導入時の考慮点と利用シーン
GPT-oss-20Bは処理速度やコストを重視した日常業務向けの利用に向いています。たとえば窓口対応の定型応答、内部資料の要約、テンプレート作成など繰り返し発生する軽量なタスクに適しています。
一方でGPT-oss-120Bはより広範な学習データを反映しているため、複雑な文章生成や多段推論、複数ドメインの情報統合が必要なタスクに適しています。条例や規程の全体把握、複雑な文章のドラフト作成、専門的な相談対応などに活用が期待されます。
- 日常運用:GPT-oss-20Bでの定型業務の自動化
- 高度対応:GPT-oss-120Bでの複雑な相談や文書作成支援
- 併用運用:モデルの使い分けによる業務最適化
自治体AI zevoの周辺機能と連携サービス
自治体AI zevoは単体の生成AI提供に留まらず、業務での利用を支える付帯機能や連携サービスを提供しています。今回のモデル追加に合わせて、既存サービスとの連携やトライアル提供についても明記されています。
付帯サービスとしては、ビジネスチャットツール「LGTalk」とLGWAN専用音声認識AI文字起こしツール「eRex」との連携が挙げられます。これらを組み合わせることで、業務フローの一部として生成AIを直接運用に組み込める構成が可能です。
LGTalkの提供とトライアル
「自治体AI zevo」を契約した場合、付帯サービスとして職員数分のLGTalkアカウントを提供可能とされています。LGTalkはファイル無害化などセキュリティ機能を重視したチャットツールで、チャット上から直接自治体AI zevoの生成AIを呼び出して利用できる点が特徴です。
また、試用目的で10アカウントまで利用可能なトライアルも用意されています。セキュリティや操作性の確認、実運用前の検証に使える選択肢として案内されています。
eRex連携と音声認識のトライアル
LGWAN専用の音声認識AI文字起こしツール「eRex」との連携も可能です。eRexはLGWAN環境での音声データをテキスト化する機能を担い、自治体の会議記録や窓口での録音データの文字起こし等に活用できます。
eRexについても1か月間の無償トライアルを実施しており、実際の業務データで性能評価を行った上で採用判断を行うことができます。連携に関する問い合わせ窓口はシフトプラスに設置されている旨がリリースに含まれます。
シフトプラス株式会社の事業背景と導入実績
シフトプラス株式会社は2006年12月に設立され、本社を大阪市西区に置く企業です。代表取締役は中尾 裕也氏で、法的な本店所在地は宮崎県都城市宮丸町3070番地1、業務拠点としての本社住所は大阪府大阪市西区江戸堀2丁目1番1号 江戸堀センタービル8階です。国内に23カ所の営業所を構え、地方自治体向けシステムの提案・設計・構築・保守やコンサルティングを行っています。
同社の主力ソリューションの一つに「ふるさと納税」管理システム LedgHOME(レジホーム)の自社開発があり、これまでに北海道から九州まで500以上の自治体で導入されています(2024年3月末時点)。同システムは日本全国の寄附額の約50%を管理している実績があると発表されています。
- 代表者
- 中尾 裕也
- 本店所在地
- 宮崎県都城市宮丸町3070番地1
- 本社所在地
- 大阪府大阪市西区江戸堀2丁目1番1号 江戸堀センタービル8階
- 設立
- 2006年12月
- 営業拠点
- 国内23カ所
- 主な製品・サービス
- 自治体AI zevo、LedgHOME(ふるさと納税管理システム)等
シフトプラスは自治体向けのシステム開発・運用における実績を基盤に、LGWAN環境での生成AI提供を進めています。今回のGPT-ossシリーズの日本リージョン提供は、自治体の運用要件に応じた選択肢の拡大という位置付けです。
追加情報の整理表と記事のまとめ
以下の表で、本記事で取り上げた主要な情報を整理します。表を参照することで、導入検討や社内報告資料作成時の要点把握がしやすくなります。
項目 | 内容 |
---|---|
発表企業 | シフトプラス株式会社(代表取締役:中尾 裕也) |
プレスリリース日 | 2025年9月24日 08時30分 |
モデル利用開始日 | 2025年9月19日(金曜日) |
追加モデル | GPT-oss-20B、GPT-oss-120B(いずれも日本リージョン) |
提供方法 | 自治体AI zevo上(Amazon Bedrockを通じて利用可能) |
コンテキストウィンドウ | 入力:128000、出力:32000(両モデル共通) |
ナレッジカットオフ | 2024年6月(両モデル共通) |
追加費用 | 不要(自治体AI zevoの利用者は追加費用なしで利用可能) |
付帯サービス | LGTalk(職員数分のアカウント提供、10アカウントまでトライアル利用可)、eRex(1か月無償トライアル) |
会社設立 | 2006年12月 |
導入実績(関連) | LedgHOME:500以上の自治体導入(2024年3月末時点)、全国寄附額の約50%を管理 |
関連リンク | https://www.lgsta.jp/zevo/ |
本記事では、自治体AI zevoへのGPT-oss-20BおよびGPT-oss-120B追加に関するリリース内容を網羅的に整理しました。国内リージョンでの提供、両モデルの技術仕様、利用開始日とプレス発表日、追加費用の有無、関連する付帯サービス(LGTalkおよびeRex)のトライアル情報、シフトプラス株式会社の事業背景と既存実績について明確に示しています。導入検討を行う際は、ナレッジカットオフやコンテキストウィンドウといった技術仕様、LGWAN環境での運用要件、付帯サービスのトライアルを踏まえた評価を行うことが重要です。
参考リンク: