i-plugがROXXのAI面接『Zキャリア』を代理販売へ
ベストカレンダー編集部
2025年9月24日 18:44
AI面接代理販売開始
開催日:9月24日

新卒採用分野でのAI活用を前提とした販売代理店契約の成立
2025年9月24日15時30分、学生と企業をつなげる新卒オファー型就活サービス「OfferBox(オファーボックス)」を運営する株式会社i-plug(本社:大阪市淀川区、代表取締役 CEO:中野智哉、東証グロース:4177)は、採用支援サービス「Zキャリア AI面接官」を提供する株式会社ROXX(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:中嶋汰朗、東証グロース:241A)と販売代理店契約を締結したことを発表した。
本稿では、発表された契約の背景、契約内容の具体的な役割分担、利用者および企業側にもたらす機能面・運用面での変化、両社のプロフィールおよび関連するサービス情報を漏れなく整理して報告する。

発表の位置付けと経緯
i-plugはグループミッションとして「つながりで、人の可能性があふれる社会をつくる」を掲げ、Vision2030において「未来を担う若い世代から、もっとも選ばれるプラットフォームになる」ことを中長期的な目標に設定している。今回の販売代理店契約は、このVision2030を実現するための戦略の一環として位置づけられている。
同社は中長期戦略の加速を図るため、今期はアライアンス強化に注力すると明記している。とくに新卒事業においては、パートナー企業との連携および共創を通じて競争優位性を高める方針が示されている。
- 発表日時
- 2025年9月24日 15:30(プレスリリース掲載日時)
- 発表主体
- 株式会社i-plug(OfferBox運営会社)
販売代理店契約の中身 — 何が変わるのか
今回の契約により、i-plugはROXXが提供する「Zキャリア AI面接官」を法人向けに代理販売する権利を得る。代理販売を通じて、OfferBoxを含む新卒採用領域における「決定人数の最大化」をさらに加速させることを目的としている。
契約の要旨は、i-plugが自社の新卒採用チャネル上でAI面接サービスを企業向けに導入・販売し、面接工数の削減と選考効率化を提供する点にある。学生側はスマートフォンから24時間365日いつでも面接を受けられるようになり、企業側は選考初期段階での候補者見極め精度を向上させることができる。
期待される効果と機能的メリット
プレスリリースで明示されている機能的メリットは主に以下の通りである。これらは企業側、学生側双方に影響する。
- 採用担当者の面接工数削減:AI面接により一次選考などの工数を減らし、採用担当者はより深いコミュニケーションに注力できる。
- 24時間365日スマートフォンでの受験:学生が時間や場所を選ばず面接を受けられるため、接点機会が増える。
- 選考の初期段階での見極め精度向上:AIによる分析によりミスマッチの低減が期待される。
- 決定人数の最大化:上記要素を総合することで、採用決定に至る人数を増やす狙い。
このほか、新卒採用においては1to1のコミュニケーション需要が高まる一方、日程調整にかかる時間や手間が学生の選考辞退につながるという問題がある。i-plugは自社の強みである母集団形成力を生かしつつ、AI面接を組み合わせることで新卒採用プロセス全体の価値提供範囲を拡大する意図を示している。
ROXXの技術とi-plugの事業基盤、両社の役割分担
ROXXは「時代の転換点を創る」をミッションに掲げ、テクノロジーで労働市場のミスマッチ解消を目指すHR Tech企業である。主なサービスには、若年層・未経験者向け転職プラットフォーム「Zキャリア」と、採用面接をAIで行う「Zキャリア AI面接官」がある。
今回の販売代理店契約においては、ROXXが開発・提供するAI面接ソリューションを、i-plugが自社の顧客基盤とチャネルを用いて法人向けに代理販売する構図となる。技術提供とチャネル供給という両社の強みを結びつけるかたちでのアライアンスである。
両社の主な情報(プレスリリース記載)
- 株式会社ROXX
-
- 代表取締役:中嶋 汰朗
- 設立日:2013年11月1日
- 所在地:東京都新宿区新宿6-27-30 新宿イーストサイドスクエア8階
- 主な事業内容:ノンデスクワーカー向け転職プラットフォーム『Zキャリア』の開発・運営、オンライン完結型リファレンス/コンプライアンスチェックサービス『back check』の開発・運営
- 公式サイト:https://roxx.co.jp/
- 株式会社i-plug
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- 代表取締役:中野 智哉
- 従業員数:299名(単体/2025年3月31日現在)
- 所在地:大阪府大阪市淀川区西中島5-11-8 セントアネックスビル3階
- 主な運営サービス:新卒オファー型就活サービス『OfferBox』
- 公式サイト:https://i-plug.co.jp
また、i-plugのグループ会社として次の2社が明記されている。これらも同社のサービスポートフォリオの一部として参照される。
- 株式会社イー・ファルコン(https://www.e-falcon.co.jp) 主なサービス:「適性検査eF-1G」(https://www.e-falcon.co.jp/ef-1g)
- 株式会社マキシマイズ(https://maximise.jp) 主なサービス:「Tsunagaru就活」(https://tsunashu.com)
契約が示す市場的な意味と業務運用上の留意点
今回の販売代理店契約は、新卒採用市場におけるAIの導入がサービス提供側のビジネスモデルにも直接影響することを示す一例である。AI面接を含めたテクノロジーの導入は、採用効率の向上と候補者体験の両立を求められる場面で有効とされるが、運用には留意点もある。
具体的には、AIによる評価項目の透明性、学生と企業双方のプライバシー保護、AI判断の偏りを抑えるための定期的なモデル評価、および実務担当者向けの運用フロー整備が必要となる。プレスリリースはこれらの詳細な運用プロセスについては言及していないが、i-plugが自社チャネルで販売を行う以上、導入企業向けの運用支援や利用規約、データ利活用に関する説明が求められることが想定される。
また、学生側の利便性向上が図られる一方で、採用担当者側にはAI面接結果を適切に解釈するスキルと、AIの出力結果を踏まえた対話設計が必要となる。これらは選考の質を担保するための重要なポイントである。
項目 | 内容 |
---|---|
発表日時 | 2025年9月24日 15:30 |
主な当事者 | 株式会社i-plug(OfferBox運営)/株式会社ROXX(Zキャリア開発・提供) |
契約の種類 | 販売代理店契約(i-plugがROXXの「Zキャリア AI面接官」を法人向けに代理販売) |
目的 | 新卒採用における決定人数の最大化、面接工数の削減、選考効率化 |
提供されるサービス | Zキャリア AI面接官(ROXX提供)、OfferBox(i-plug提供)との接続・販売 |
学生側の利用形態 | スマートフォンから24時間365日いつでもAI面接を受験可能 |
企業側の期待効果 | 面接工数の削減、初期選考段階での候補者見極め精度向上、ミスマッチ低減 |
i-plugの基本情報 | 代表:中野智哉、従業員数:299名(2025年3月31日現在)、所在地:大阪府大阪市淀川区西中島5-11-8 セントアネックスビル3階、公式サイト:https://i-plug.co.jp |
ROXXの基本情報 | 代表:中嶋汰朗、設立日:2013年11月1日、所在地:東京都新宿区新宿6-27-30 新宿イーストサイドスクエア8階、公式サイト:https://roxx.co.jp/ |
関連グループ会社(i-plug) | 株式会社イー・ファルコン(適性検査eF-1G)、株式会社マキシマイズ(Tsunagaru就活) |
以上のとおり、本件はi-plugのVision2030に沿ったアライアンス戦略の一環として、AI面接という技術を用いて新卒採用の選考効率化と決定人数の最大化を狙う販売代理店契約である。今後は導入企業の運用設計やデータ利活用の説明、AI評価の透明性確保などが実務上の課題として注視されることになる。
参考リンク: