10月1日開始 花王・コーセー・イオンが化粧品容器回収を本格実装
ベストカレンダー編集部
2025年9月25日 15:48
化粧品容器の水平リサイクル
開催日:10月1日

3社協働で始まる店頭回収の本格展開
花王株式会社(社長・長谷部佳宏)、株式会社コーセー(社長・小林一俊)、イオンリテール株式会社(社長・古澤康之)は、2025年10月1日より協働し、化粧品プラスチック容器の水平リサイクルの取り組みを本格実装します。本取り組みは東京都、千葉県、埼玉県の「イオン」「イオンスタイル」約70店舗を対象に、花王グループの花王ソフィーナとカネボウ化粧品、コーセーの売り場に使用済み化粧品プラスチック容器の回収ボックスを設置するものです。
本発表は花王のニュースリリースとして2025年9月25日 11時10分に公表されました。取り組み開始日や対象エリア、参加企業の役員名などの基本情報はすべて公表されており、複数年にわたる協働の蓄積を踏まえて規模を拡大して社会実装する段階に移行する点が特徴です。
参加企業と発表日時の要点
以下に今回の発表に関する要点を整理します。各社のリーダーシップと開始日時、対象エリアが明確に示されています。
- 発表日時:2025年9月25日 11時10分(花王ニュースリリース)
- 本格開始:2025年10月1日より開始
- 参加企業:花王株式会社(社長・長谷部佳宏)、株式会社コーセー(社長・小林一俊)、イオンリテール株式会社(社長・古澤康之)
- 対象エリア:東京都、千葉県、埼玉県の「イオン」および「イオンスタイル」約70店舗
上記は発表に記載された事実情報であり、取り組みの範囲と運用開始日を明示しています。
これまでの取り組みと技術的背景
花王とコーセーは2021年10月から化粧品事業のサステナビリティ領域で包括的な協働を開始しました。これまでの協働では、使用済みペットボトル由来のケミカルリサイクルPET素材の採用や、製品化に至らなかったメイク商品を絵具や水性ボールペンへアップサイクルする取り組みなど、多面的な試行を行ってきました。
また、花王は2022年2月〜7月にかけてイオンリテールと協働し、関東エリア約40店舗で使用済み化粧品プラスチック容器の回収実証を実施しました。さらに2024年5月には、回収容器を原料とするケミカルリサイクル技術を用い、スキンケアブランド「TWANY(トワニー)」の化粧水つけかえ容器の一部に再生素材を採用した商品化(数量限定)を実現しています。
協働の経緯(年表)
これまでの主な出来事を時系列で整理します。各年における協働・技術採用の事実を明示しています。
- 2021年10月:花王とコーセーが化粧品事業のサステナビリティ領域で包括的協働を開始
- 2022年2月〜7月:花王とイオンリテールが関東エリア約40店舗で回収実証を実施
- 2024年5月:回収容器を原料にケミカルリサイクル技術で再生素材を製造し、TWANYの化粧水つけかえ容器の一部に採用(数量限定販売)
- 2025年10月1日:東京都・千葉県・埼玉県の「イオン」「イオンスタイル」約70店舗で本格実装開始(今回の発表)
この年表は、取り組みの発展過程と技術的検証の蓄積を示しています。
- *1 ケミカルリサイクルの説明
-
使用済みの資源を化学分解してPET樹脂の原料に変換し再利用する手法のことです。リサイクル対象物の異物や汚れの除去において優れる点があるとされています。
- *2 TWANY容器採用の販売状況
-
2024年5月に数量限定で販売された商品に再生素材が一部採用されましたが、現在は販売されていません。
回収対象・運用方法と実務上の注意点
2025年10月1日から設置される回収ボックスは、各社の売り場(花王ソフィーナ、カネボウ化粧品、コーセー)に配置されます。消費者が使用済みの化粧品プラスチック容器を持参し、店頭で回収する方式です。集められた容器は水平リサイクルの工程に乗せられ、再生素材として化粧品容器に再採用されます。
運用にあたっては、回収対象の明確化と除外品目の周知が重要です。対象外のものを回収ボックスに入れると処理に支障が出るため、店舗側と参加メーカーは案内を徹底します。
回収対象と対象外の具体例
回収対象と対象外はプレスリリースで明確に示されています。対象外に該当するものは回収ができませんので注意が必要です。
- 回収対象:使用済み化粧品プラスチック容器(ただし後述の対象外を除く)
- 対象外:メイクアップ品(口紅・マスカラ・ネイル・ファンデーション・鏡つきコンパクトなど)、パウチ容器、ガラス容器、エアゾール缶、紙や木製素材
以上の区分は回収から再生までの工程効率や安全性に関わる実務上の判断に基づいています。
回収から再製品採用までのフロー
回収された容器は、選別・洗浄・異物除去などの前処理を経て、ケミカルリサイクル等の技術により再生素材へと転換されます。その再生素材は、花王グループおよびコーセーの一部化粧品容器に再採用されます。これが「水平リサイクル」の基本的な流れです。
- 店頭での回収(消費者持ち込み)
- 回収品の選別・前処理(除去・洗浄)
- ケミカルリサイクル等による再生素材の生成(PET原料化など)
- 再生素材を用いた容器の製造
- 花王グループおよびコーセーの一部商品に採用し市場へ供給
この一連の工程は、回収量の拡大や生産性向上、コスト効率の検討とあわせて継続的に改善されることが期待されています。
取り組みの意義と展開計画
今回の約70店舗への展開は、従来の実証規模(関東の約40店舗)から回収エリアと対象メーカーの拡大を図るもので、回収量の大幅な拡大が期待されています。回収量の増加は、水平リサイクルによる再生素材を採用した製品ラインナップの拡充につながる見込みです。
発表では、3社協働の取り組みを持続可能な社会実装モデルとして推進し、回収エリアの順次拡大や将来的により多くの化粧品メーカーとの連携へと発展させる方針が示されています。これは化粧品業界全体のリサイクル慣行を前進させる意義があります。
関連情報と企業の方針
花王は中期経営計画「K27」においてビジョンを「未来のいのちを守る」と定めており、社会課題の解決に貢献することを掲げています。今回の水平リサイクルの本格実装は、その取り組みを具体化する一環と位置づけられます。
プレスリリース内では関連の過去リリースも列挙されています。過去の取り組みや試験実施、技術採用の経緯が参照可能です。以下の関連情報は、発表に記載された出典として利用できます。
- 花王とコーセーが化粧品事業のサステナビリティ領域で包括的に協働(2020年10月リリース)
- 花王、化粧品でプラスチックボトルの水平リサイクルをめざし ケミカルリサイクルPET素材の採用を開始(2021年5月リリース)
- 花王、使用済みボトルの店頭回収と再生化にむけた実証実験を開始(2022年1月リリース)
- 化粧品プラスチックボトルの水平リサイクルに関する協働拡大(2022年2月・12月リリース)
- 花王・コーセー提供のメイクアップ化粧品、新たにアップサイクルボールペンへ(2023年10月リリース)
- 花王、水平リサイクルによる化粧品ボトルの再生・商品化を実現(2024年5月リリース)
詳細は花王のニュースリリース(出典)も参照できます。
重要事項の整理(要点表)
以下に本記事で取り上げたプレスリリースの主要事項を表形式で整理します。要点を明確に確認できるようにまとめています。
項目 | 内容 |
---|---|
発表者 | 花王株式会社(社長・長谷部佳宏)、株式会社コーセー(社長・小林一俊)、イオンリテール株式会社(社長・古澤康之) |
発表日時 | 2025年9月25日 11時10分(花王ニュースリリース) |
本格実装開始日 | 2025年10月1日 |
対象エリア・店舗数 | 東京都・千葉県・埼玉県の「イオン」「イオンスタイル」約70店舗 |
参加売り場 | 花王グループ(花王ソフィーナ、カネボウ化粧品)、コーセーの各売り場 |
回収対象(概要) | 使用済み化粧品プラスチック容器(ただし下記の対象外を除く) |
回収対象 外 | メイクアップ品(口紅・マスカラ・ネイル・ファンデーション・鏡つきコンパクトなど)、パウチ容器、ガラス容器、エアゾール缶、紙や木製素材 |
リサイクル手法 | 水平リサイクル(ケミカルリサイクルを含む)による再生素材化—再度化粧品容器へ採用 |
過去の主要実績 | 2022年:関東約40店舗で実証、2024年5月:TWANY化粧水つけかえ容器に再生素材の一部採用(数量限定) |
関連リンク(出典) | https://www.kao.com/jp/newsroom/news/release/2025/20250925-001/ |
この表は発表内容の主要事項を簡潔に示したものであり、プレスリリースに記載された情報を網羅しています。回収の対象範囲、開始日時、過去の取り組みや技術的背景などを含め、取り組みの全体像を把握できるように整理しました。
参考リンク: