復職者の9割が意識変化 健康重視の働き方にシフト
ベストカレンダー編集部
2025年9月25日 17:03
復職後の働き方変化
開催日:9月25日

復職経験がもたらした意識の変化と今回の調査結果の概要
2025年8月に実施された株式会社Rodinaによるインターネット調査は、メンタルヘルス不調(うつ病、適応障害など)で休職を経験し、復職を果たした全国のビジネスパーソン100名を対象に「復職後のキャリア観と働き方」を尋ねたものです。調査公表日は2025年9月25日で、調査監修は医師・産業医としての経験を持つ山下明子氏が務めています。
調査の主要なポイントは、復職後に働き方やキャリア観が変化したと実感する人が圧倒的に多い点で、具体的には回答者の91%が「大きく変化した/やや変化した」と答えました。多くの復職者が健康や自分のペースを重視する意識へとシフトしており、職場や制度の課題も浮かび上がっています。
- 変化実感:「大きく変化した/やや変化した」91%、変化していない9%
- 重視すること:自分のペースや体調への配慮63%、人間関係・職場の雰囲気40%、柔軟な働き方(リモート・時短など)34%
- 復職後の課題:心身の不調再発への不安41%、復職支援制度の不足27%、相談しにくい雰囲気25%
- 満足度:とても満足15%、まあまあ満足51%、あまり満足していない24%、まったく満足していない10%

復職後に重視される価値観と具体的な声
復職を経た多くの回答者は、これまでのキャリア観や働き方の優先順位が変わったと述べています。特に「昇進や業績より、健康を維持して長く続けられる働き方」を選ぶ傾向が強くみられました。
以下に、回答者の具体的な声や優先順位を整理します。これらは個々の体験に基づくものであり、復職後の働き方選択に直結する価値観の変化を反映しています。

復職者が働く上で重視すること
調査で多く挙がった重視項目は、体調管理・人間関係・柔軟な働き方の3点です。それぞれが復職者の日常の働き方や職場選びに影響を与えています。
重視項目 | 割合(回答者100名中) |
---|---|
自分のペースや体調に配慮した働き方 | 63% |
人間関係や職場の雰囲気 | 40% |
柔軟な働き方(リモート/時短など) | 34% |
実際のコメントには、「仕事よりも自分の心身のほうが重要で調子が悪いときには無理をしない」「長く平穏に働ける職場環境を重視するようになった」「出世よりも自分のペースで働くことができることが大切」など、健康や持続可能な働き方を優先する声が目立ちます。

抱える課題と現状満足度
一方で復職後の不安・課題も明確でした。最も多かったのは「心身の不調再発への不安」で41%、次いで「復職支援制度の不足」27%、「相談しにくい雰囲気」25%が続きます。制度や職場の風土が復職者の安心感に直結している点が示されています。
満足度については約7割が「とても/まあまあ満足」と答えていますが、約3割が「満足していない」と回答しており、支援の強化・制度改善の余地が残されています。
- 心身の不調再発が不安:41%
- 復職支援制度が十分でない:27%
- 相談しにくい雰囲気:25%

日々の工夫と企業・社会に求める具体的な対応
調査では復職者の日常における工夫や、企業・社会に望む対応も多く寄せられました。これらは制度面の整備だけでなく、職場の文化やコミュニケーションの改善が重要であることを示唆します。
日々の工夫はシンプルながら実践的で、個々が自分の体調やリズムに合わせて業務を続けられる工夫を取り入れています。企業側は、それらを支える仕組みや職場風土を整えることが求められます。

復職者が実践する日々の働き方・進め方の工夫
具体的な工夫は次の通りです。休息や業務管理、相談体制の利用など、セルフケアと周囲との連携を組み合わせた方法が挙げられています。
- 調子が悪いときは無理をせず休む
- マイペースを心掛ける(自分のペースを維持)
- 時間管理や優先順位付け、タスクの可視化と計画的な進行
- 一人で抱え込まず、業務を熟知している人に助けを請う
- 相談相手を増やし、コミュニケーションを密にする
- プライベートを充実させ、仕事以外の生活基盤を整える
これらはいずれも個人が継続的に働くための具体的な工夫であり、職場の理解や制度が伴うことでより効果的になります。

企業・社会に期待する対応
復職経験者から寄せられた企業・社会への要望は、働き方の多様化と職場での理解促進、評価制度の見直しなど多岐にわたります。これらは復職者が安心して働き続けるための具体的な要件を示しています。
- 柔軟な働き方の選択肢
- リモートワークやフレックスタイム、出社回数の調整、時短勤務などが求められています。
- メンタル理解・研修の実施
- 職場全体でメンタルヘルスに関する理解を深める研修や啓発が必要です。
- ハラスメント対策
- ハラスメントの防止や相談窓口の整備を通じた安心感の確保が挙げられます。
- 育児・家庭との両立支援
- ライフステージに応じた柔軟な働き方や評価制度の見直しが要望されています。
- 役職や地位の維持に関する配慮
- 休職後も職務上の地位や評価が不当に変わらない仕組みを求める声がありました。
調査の詳細とRodinaの支援実績・連絡先
本調査の名称は「復職後のキャリア観と働き方」に関する調査で、2025年8月にインターネット調査として実施されました。対象はメンタルヘルス不調(うつ病、適応障害など)により休職し、その後復職した全国のビジネスパーソン100名、回答数は100名です。調査監修は山下明子氏(内科医・脳神経内科医・医学博士、産業医)です。
調査監修者・山下明子氏の経歴には、医療機関での神経内科所属や産業医活動、マインドフルネスやwell-beingに関する提唱が含まれており、診療や産業医業務、情報発信活動まで幅広く行っています。調査結果の医学的な解釈や職場対応に関する示唆に対して監修がなされています。
Rodinaの事業内容と実績は以下の通りです。Rodinaは休職・離職からの再出発を支援するリワーク事業を主軸に、障害福祉サービスやEAP(従業員支援プログラム)を展開しています。これまでに2,200名以上の復職・就職を支援しており、個人支援と併せて企業向けのアドバイザリーや制度見直しの伴走支援なども実施しています。
社名 | 株式会社Rodina |
---|---|
所在地 | 〒732-0822 広島県広島市南区松原町2-62 広島JPビルディング7F |
設立 | 2017年7月 |
代表者 | 代表取締役 山田 康輔 |
事業内容 | 障害福祉サービス事業、EAP(従業員支援プログラム)事業 |
公式URL | https://rodina.co.jp/ |
サービスサイト | https://service.rodina.co.jp/ |
調査関連記事 | https://rodina.co.jp/news/20250925/ |
Rodinaは復職後の定着支援、社内制度の見直し支援、職場での理解促進に向けた伴走支援などを強化しており、個人の再出発と企業の受け入れ体制双方に取り組んでいます。
まとめ:調査結果の要点整理
本章では、本記事で触れた重要な数値・項目を表形式で整理します。調査結果とRodinaの取り組みを把握しやすくまとめ、復職支援や組織の対応検討に役立つ形で提示します。
項目 | 内容 |
---|---|
調査名 | 「復職後のキャリア観と働き方」に関する調査 |
実施時期 | 2025年8月(インターネット調査) |
対象 | メンタルヘルス不調(うつ病、適応障害等)で休職後、復職した全国のビジネスパーソン |
回答数 | 100名 |
変化実感 | 大きく/やや変化した:91%、変化していない:9% |
重視項目(上位) | 自分のペース・体調配慮:63%、人間関係・職場雰囲気:40%、柔軟な働き方:34% |
主な課題 | 心身の不調再発不安:41%、復職支援制度不足:27%、相談しにくい雰囲気:25% |
満足度 | とても満足:15%、まあまあ満足:51%、あまり満足していない:24%、まったく満足していない:10% |
調査監修者 | 山下 明子(内科医・脳神経内科医・医学博士・産業医) |
Rodina実績 | 復職・就職支援実績:2,200名以上。リワーク事業、企業向けアドバイザリー等を実施 |
Rodina所在地等 | 〒732-0822 広島県広島市南区松原町2-62 広島JPビルディング7F / 設立2017年7月 / 代表 山田康輔 |
参照リンク | https://rodina.co.jp/news/20250925/ |
調査は復職経験者の意識や現場の課題を明確に示しており、健康を軸にした柔軟な働き方と職場での理解・支援体制の整備が、復職者の長期的な定着につながることが示唆されています。本記事では調査結果の数字と回答者の声、Rodinaの取り組みを整理して提示しました。
参考リンク: