ITフリーランスの9割がAI活用 ギークス調査の要点

ITフリーランスAI調査

開催期間:7月1日〜7月14日

ITフリーランスAI調査
ITフリーランスってどれくらいAI使ってるの?
約9割が業務で日常的または時々AIを利用し、約8割が生産性向上を実感。主な用途は技術調査(78.8%)やコード生成(74.5%)で、調査は184名を対象(2025/7/1〜7/14)。
AIで仕事は奪われるの?
単純な定型作業(単純コーディング83.2%、簡単なドキュメント74.6%など)は自動化されやすい一方、生成コードの品質判断やプロンプト設計、要件定義など上流工程のスキル需要は高まると回答が多い。

調査の背景と実施概要:ITフリーランスと生成AIへの関心

ギークス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:曽根原 稔人)は、登録するITフリーランスを対象に「ITフリーランスのAI活用に関する実態調査」を実施し、調査レポートを公開しました。本調査は、生成AIに対する関心や業務への影響を客観的なデータで把握する目的で行われています。

調査は、作業報告アプリ内での非公開型インターネットアンケート方式で実施され、期間は2025年7月1日から2025年7月14日まで、有効回答者数は184名です。回答は、AI活用状況や参画案件での利用、キャリア上の重要性、働き方への影響、今後の見通しの5つのテーマにわたる合計24問で構成されました。

調査実施の要点

調査対象や方法、期間、回答数などの基本事項は以下の通りです。調査はギークスにご登録のITフリーランスを対象としており、作業報告アプリ内での非公開型アンケートにより実態を収集しています。

調査対象者
ギークスにご登録のITフリーランス
調査方法
作業報告アプリ内での非公開型インターネットアンケート
調査期間
2025年7月1日〜2025年7月14日
有効回答者数
184名
調査テーマ(5領域・計24問)
①AI活用状況、②参画案件でのAI活用、③キャリアにおけるAIの重要性、④AIが働き方に与える影響、⑤AIとの今後

現状把握:AI活用は既に日常ツールへ

調査結果は、AIがITフリーランスの業務に広く浸透していることを示しています。回答者の約9割が業務でAIを「日常的に」または「時々」活用しており、AIは不可欠なツールとして定着しつつあります。

利用実感については、8割以上が生産性向上を実感していると答えており、具体的な活用用途としては「技術的な調査・情報収集」(78.8%)と「ソースコードの生成・提案」(74.5%)が上位を占めています。いずれも回答者の7割以上が活用している領域です。

業務での主なAI活用用途

AIの具体的な活用分野とその割合は、業務の性質を反映しています。技術調査やコード生成といった、コーディング支援や情報探索の領域で高い活用率が確認されました。

  • 技術的な調査・情報収集:78.8%
  • ソースコードの生成・提案:74.5%
  • その他の補助的利用(ドキュメント作成、翻訳等含む):回答者の多数が利用

また、案件選びにおいて企業のAI活用状況や導入ツールの種類を重視する傾向が強く、「非常に重要視する」または「それなりに気にする」と回答した割合が約7割に上っています。AI活用の有無が案件選択の判断材料となりつつあるという点も重要な示唆です。

業務の変化と求められるスキル:代替と付加価値の両面

調査は、AIによる業務の代替と同時に、人が果たすべき価値の変化も明らかにしました。単純な定型業務はAIに置き換わる一方で、品質管理や上流工程、AIを使いこなす能力の重要性が増しています。

代替される可能性が高いと回答された業務には、定型的なコーディング作業やドキュメント作成、単体テストコードの作成が含まれており、これらはAIによって効率化・自動化されると見込まれています。

代替されやすい業務と高まる専門性

以下は調査で示された代表的な数値です。数値は回答者が「代替される/重要度が下がる」と考えた割合を示します。

  • 単純なコーディング作業:83.2%
  • 簡単なドキュメント作成・翻訳:74.6%
  • 単体テストコードの作成:71.4%

一方で、AI時代に価値を維持・向上させるために必要な能力としては、生成されたコードの品質を判断・修正する力(74.6%)、AIを使いこなす能力(プロンプトエンジニアリング等:74.1%)、要件定義や上流工程のスキル(61.1%)が挙げられています。これらは、単なるツール利用を越えた専門性と判断力が求められる領域です。

今後重要になる能力(回答割合)
生成コードの品質判断・修正:74.6%
AI運用・プロンプト設計能力:74.1%
要件定義・上流工程スキル:61.1%

現場の声とギークスの支援姿勢

回答者の声としては、コミュニケーション能力やドキュメント作成スキルが技術スキルと同列で評価されるようになるという見解、AIを部下のように扱うことで上流工程の構築能力がより重要になるという指摘、情報漏洩リスクの増加を踏まえたコンサル需要の高まりを想起させる意見などが挙がっています。

ギークス側は、今回の調査結果をもとに、ITフリーランスがAIを「可能性を拡張するパートナー」として活用できるよう支援を継続するとしています。AI活用が進む中で最終的な判断や責任を担うのはエンジニアであり、基盤となる技術力や経験に加えてコミュニケーションやマネジメント能力のバランスが重要であると述べられています。

ギークスの事業と提供サービス

ギークスは「働き方の新しい『当たり前』をつくる」をミッションに20年以上にわたりITフリーランスを支援してきた企業です。IT人材事業では、登録者数23,000名超のデータとキャリアアドバイザーのサポートを生かし、企業とフリーランスの最適なマッチングを目指しています。

提供サービスは以下の通りです。AI時代のフリーランス支援として、情報提供や勉強会・セミナー、案件開拓を継続して行う方針が示されています。

  • ITフリーランス専門エージェントサービス「geechs job(ギークスジョブ)」
  • 人材サーチ型マッチングプラットフォーム「GEECHS DIRECT(ギークスダイレクト)」
  • ITフリーランス向け福利厚生プログラム「フリノベ」

記事の要点整理(調査内容のサマリー)

以下の表に本記事で扱った主な調査結果とギークスの関連情報を整理しました。数値や調査期間などは調査レポートの記載どおりにまとめています。

項目 内容
発表者 ギークス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:曽根原 稔人)
発表日時 2025年9月25日 15時00分
調査名 ITフリーランスのAI活用に関する実態調査
調査期間 2025年7月1日〜2025年7月14日
有効回答者数 184名
調査方法 作業報告アプリ内の非公開型インターネットアンケート
主な利用率 AIを日常的/時々利用:約90%(「日常的」または「時々」)
主な用途(上位) 技術的調査・情報収集:78.8%、ソースコード生成・提案:74.5%
案件選びの重視点 企業のAI活用有無やツール種類を重視:約70%
代替される可能性の高い業務 単純なコーディング作業:83.2%、簡単なドキュメント作成・翻訳:74.6%、単体テストコード作成:71.4%
今後重要になるスキル 生成コードの品質判断・修正:74.6%、プロンプト等のAI運用能力:74.1%、要件定義・上流工程:61.1%
ギークスのサービス geechs job(登録者23,000名超)、GEECHS DIRECT、フリノベ

本調査は、ITフリーランスの多くがAIを業務の一部として受け入れている一方で、品質管理や上流工程、AIを適切に運用するスキルなど、人が介在する価値の重要性が高まっていることを示しています。ギークスは、こうした変化を踏まえた支援を継続し、ITフリーランスのキャリア形成や案件マッチングに反映していく方針です。調査レポートの詳細は、ギークスが公開する調査レポートをご参照ください(調査レポートはこちら)。