青幻舎30周年記念 幻本復刊決定の3タイトル
ベストカレンダー編集部
2025年9月25日 18:50
青幻舎『幻本』復刊決定
開催日:9月25日

青幻舎の30周年記念プロジェクト──読者の声が導いた「幻本」復刊の決定
株式会社青幻舎が2025年10月に創立30周年を迎えるのに合わせ、創立30周年記念スペシャル企画として実施された復刊プロジェクトの結果が発表されました。本件は2025年9月25日 16時00分付のリリースで公表されており、読者からのリクエストを起点に進められた取り組みです。
青幻舎は1995年の創業以来、写真集やアーティストの作品集を中心に刊行を続け、刊行タイトルは現在1000冊を超えています。一方で、品切れとなって入手困難な書籍が多数存在し、読者からの要望に応えられないケースもありました。こうした状況を背景に、“幻になってしまった”書籍の復刊を目指すプロジェクトが立ち上がりました。
- 募集期間:2024年秋に募集を開始し、2025年1月末まで受付
- 応募状況:リリースは多数の応募があったことを伝えています
- 目的:現在は品切れで手に入りにくくなった書籍(=幻本)の復刊

選ばれた3タイトルの概要と背景
読者のリクエストを基に復刊が決定したタイトルは、決定順に以下の3点です。各タイトルの刊行年と当時の意義、青幻舎での扱いなどがリリースで詳細に説明されています。
復刊決定タイトルは下記の通りです。いずれも長らく入手が難しかった書籍で、今回のプロジェクトを通じて再刊が実現する運びとなりました。
- 畠山直哉『LIME WORKS』(2008年刊)
- 細江英公『写真家 細江英公の世界 球体写真二元論』(2006年刊)
- 佐内正史『生きている』(1997年刊)

畠山直哉『LIME WORKS』(2008年刊)の位置づけ
『LIME WORKS』は1996年に初版が発行され、木村伊兵衛写真賞を受賞した畠山直哉の原点とされる作品です。青幻舎は2008年に3社目の版元として本書を刊行しており、約30年にわたり語り継がれてきた名作と位置づけられています。
リリースには書影の存在も記載されており、今回の復刊に際しては当該版の内容や装幀、テキストの取り扱いなどを踏まえた検討が行われたことが示唆されています。元版の出版史や受賞歴が復刊の重要な根拠とされています。

細江英公『写真家 細江英公の世界 球体写真二元論』(2006年刊)の特性
本書は2006年に東京都写真美術館で開催された展覧会に合わせて刊行された図録を兼ねた書籍で、細江英公の作品群を総覧できる一冊です。リリースでは、杉浦康平、田中一光、横尾忠則ら錚々たるデザイナーと細江が共に制作した点が強調されています。
展覧会図録としての位置づけと、デザイナーとのコラボレーションによる造本の価値が高く評価されており、復刊によってその保存性と入手可能性が回復される意義が述べられています。

佐内正史『生きている』(1997年刊)の歴史的意義
『生きている』は1997年刊行。青幻舎が本格的に現代作家の写真集に取り組んだ最初の一冊とされ、現在まで続く写真集の系譜の原点となる記念碑的な作品です。リリースではこの立ち位置が明確に示されています。
長年にわたって写真集制作を継続してきた青幻舎の歴史を語るうえで重要な書籍であり、復刊によって同社の刊行史と写真集史の一端が改めて参照可能になることが期待されます。
復刊を巡る調査と調整—困難と解決のプロセス
リクエストの集計を経て復刊希望の多い上位タイトルを対象に、青幻舎は各種の調整と実務的な調査を実施しました。調査ではタイトルごとに異なるハードルが確認されました。
具体的には、権利関係の複雑さ、印刷会社での保管期間が経過し印刷データが消失しているケース、当時と現在で印刷方法が変わっているため再現が難しいケースなどが挙げられます。これらの問題により、一部のタイトルについては復刊を断念せざるを得ない状況になったこともリリースで説明されています。
- 権利面の問題
- 著作権や契約上の条件が当時と異なる場合、再交渉が必要となり、解決に時間を要することがある。
- 印刷データの消失
- 印刷会社の保管期限を過ぎているため、当時の版下やデータが残っていないケースが発生した。
- 印刷方法の変化
- 当時の印刷仕様が現在の技術や原価条件と合致せず、同等の再現が難しい場合がある。
これらの課題を踏まえた上で、関係各所と調整を行い、最終的に3タイトルの復刊実現に至りました。リリースは、このプロセスが青幻舎にとっても原点を見つめ直す機会となったことを伝えています。
関連情報と連絡先、プロジェクトの整理
プレスリリースには、復刊プロジェクトや30周年特設サイトへのリンク、そして問い合わせ先が明記されています。読者や関係者が詳細を確認できるよう、オンライン上の特設ページが用意されています。
掲載されている主なリンクと連絡先は次の通りです。オンラインでの情報参照や問い合わせが可能です。
- 創立30周年記念特設サイト:https://www.seigensha.com/feature/30th/
- 「幻本」復刊プロジェクトページ:https://www.seigensha.com/feature/30th_006/
- 問い合わせ先:株式会社青幻舎 担当:太田 oota@seigensha.com
- 東京支社住所:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-14-3 神田錦町ビル6F
- TEL:03-6262-3420
- 公式サイト:http://www.seigensha.com
リリース内にはPDFの参照を示す表記(d8640-59-55359ef4c0b80e09997b57f3a1f31d99.pdf)もありますが、詳細は上記の特設ページや問い合わせ先での確認が確実です。
要点の整理
以下の表に、本記事で触れた主要事項を整理します。復刊対象の3タイトルの基本情報、プロジェクトの経緯、問い合わせ先などを一覧で確認できます。
項目 | 内容 |
---|---|
発表日 | 2025年9月25日 16時00分(株式会社青幻舎のリリース) |
プロジェクト名 | 創立30周年記念「幻本」復刊プロジェクト(読者リクエストに基づく復刊) |
募集期間 | 2024年秋開始、2025年1月末締切(リクエスト募集) |
復刊決定タイトル(決定順) |
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調査で判明した主な課題 | 権利関係の調整、印刷データの消失、印刷方法の変化など(これらが理由で一部タイトルを断念) |
特設ページ | https://www.seigensha.com/feature/30th//https://www.seigensha.com/feature/30th_006/ |
問い合わせ先 | 株式会社青幻舎 担当:太田 oota@seigensha.com/TEL:03-6262-3420 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-14-3 神田錦町ビル6F |
以上が報道発表の要点です。読者のリクエストを起点にした復刊プロジェクトは、権利調整や印刷上の課題をクリアしつつ、まずは3タイトルの復刊決定に至りました。詳細な刊行時期や仕様については、特設サイトやプロジェクトページ、問い合わせ先での案内があるため、そちらでの確認が推奨されます。