八代市、ふるさと納税×クラウドファンディングで起業家支援9件公表

八代ふるさと起業支援

開催日:6月26日

八代ふるさと起業支援
誰でも寄付できるの?
基本的に誰でもクラウドファンディング経由で寄付できます。返礼品は八代市民を除く点に注意。寄付は住民税・所得税の控除対象となる場合があり、使途指定も可能です。
寄付はどうやって起業家に渡るの?
認定を受けた事業が「ふるさと納税forGood」に掲載され寄付を集めます。集まった額から諸経費を差し引き、さらに一律20万円を加算して市が補助金として交付します。

八代市が採用した新たな起業支援の仕組み——ふるさと納税×クラウドファンディング

熊本県八代市商工政策課は、地域課題解決につながる起業家の事業を支援するため、令和7年度から『八代市ふるさとスタートアップ支援事業』を開始しました。本事業は総務省推奨の「クラウドファンディング型ふるさと納税」を活用し、地域に根ざしたスタートアップの資金調達と社会実装を図るものです。プレスリリースは八代市役所発、2025年9月25日13時14分の発表となっています。

制度設計は、ふるさと納税の寄付制度とクラウドファンディングの寄付性・参加性を組み合わせたもので、八代市は認定された事業に対して集まった寄付を原資に補助金を交付します。市は資金調達の側面のみならず、事業PRや外部有識者の審査などにより起業家を支援する構えです。活動状況は八代市商工政策課のインスタグラム(https://www.instagram.com/yatsushiro_start_up)でも発信されています。

【熊本県内初の起業家支援のカタチ】「八代の未来を創る起業家」がふるさと納税を活用したクラウドファンディングに挑戦中(熊本県八代市) 画像 2

支援の流れと制度の特徴:仕組みを具体的に見る

本事業の大まかな流れは以下の5段階で構成されています。公的な認定を受けた事業がクラウドファンディングを通じて寄付を集め、その寄付金を原資に市が補助金を交付し、起業家が事業を実施する仕組みです。

支援の流れを同時に整理すると、地域内外の寄付者がプロジェクトに共感して支援することにより、起業家の挑戦を資金面・広報面で後押しする構造になっています。補助金交付の際には諸経費を差し引き、さらに一律20万円の加算が行われます。

  1. 外部有識者によるプレゼン審査等を踏まえ、市が「ふるさとスタートアップ事業」として認定
  2. 市ふるさと納税サイト等に事業を掲載し、クラウドファンディングで寄付を集める
  3. 寄付者が事業に共感し寄付
  4. 集まった寄付額より諸経費を差し引き、補助金として交付(一律20万円を加算)
  5. 起業家が事業を実施

また、クラウドファンディング型ふるさと納税の特徴として、次の点が挙げられます。

寄付のリターン

寄付をすると八代市の特産品を返礼品として受け取ることができます(八代市民を除く)。

税制上の扱い

寄付を行った方は住民税・所得税の控除を受けられる場合があります。詳細は各自の税務状況により異なります。

寄付の使途指定

寄付者自身が寄付の使い道を指定できる点が、従来のふるさと納税と異なる重要な特徴です。

【熊本県内初の起業家支援のカタチ】「八代の未来を創る起業家」がふるさと納税を活用したクラウドファンディングに挑戦中(熊本県八代市) 画像 3

認定された9名の起業家と現在挑戦中のプロジェクト一覧(五十音順・詳細を網羅)

今年度は外部有識者のプレゼン審査等を経て、9名の起業家が『ふるさとスタートアップ』として認定されました。各プロジェクトはクラウドファンディング型ふるさと納税プラットフォーム『ふるさと納税forGood』に掲載され、2025年6月26日から順次支援募集を開始しています。

以下に認定された各事業の名称、趣旨、リンク、寄付募集期間、関係者の記載をすべて具体的に示します。

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クギヤ印刷株式会社 — 『子育てするなら、八代で』情報発信&子育てコミュニティ プロジェクト

子育て世代が安心して暮らせるまちづくりを目指し、情報が届かず不安を抱える親子に向けて、情報誌とポータルサイト『kodonto(コドント)』を立ち上げます。目的は子育て世代同士のつながりを生み、地域全体で子育てを支える仕組みを構築することです。

プロジェクトページ:https://furusato-forgood.jp/projects/000307
寄付募集期間:令和7年9月30日まで

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クロファーム — 地元八代にいちご観光農園を作りたい!!!

農業人口減少と耕作放棄地の増加という問題を、体験型のいちご観光農園で人を呼び込み解決しようとするプロジェクトです。道の駅や温泉施設と連携した観光ルートの整備、若い世代の就農希望を喚起する取り組みが目標です。

プロジェクトページ:https://furusato-forgood.jp/projects/000310
寄付募集期間:令和7年9月30日まで

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三角読書会 — 眠れる『言語の魂』を呼び覚まし燃やそう! 今までにない英語教育改革

英検合格率100%、TOEICスコアを300点から800点超へ引き上げた実績を持つ5か国語講師が、暗記中心の教育を改め文化体験を通じた「心で学ぶ英語」を導入します。世代を超えて楽しく学べる実践型英語塾の開校を目指すプロジェクトです。

プロジェクトページ:https://furusato-forgood.jp/projects/000308
寄付募集期間:令和7年10月31日まで

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鮮魚商一魚一恵 — 八代から悲しい事故を無くしたい!電動バイク運転請負で移動問題に革命を

八代市における夜間の帰宅手段不足や飲酒運転、高齢者の運転リスクを背景に、電動バイクを活用して1人のスタッフで安全な運転支援を行う新たな「運転請負サービス」を立ち上げます。移動の安全確保を目的とする社会的事業です。

プロジェクトページ:https://furusato-forgood.jp/projects/000309
寄付募集期間:令和7年10月31日まで

【熊本県内初の起業家支援のカタチ】「八代の未来を創る起業家」がふるさと納税を活用したクラウドファンディングに挑戦中(熊本県八代市) 画像 8

有限会社野尻写真場 — 八代発、世界へ。写真で継ぐ文化の光

八代の風土・文化・歴史を撮り続ける写真家・野㞍雄介さんが、世界で評価された作品を額装して販売する専用ECサイトを立ち上げ、地元高校での出張授業等を通じ写真文化の継承を図ります。八代の文化を写真で未来へ伝える取り組みです。

プロジェクトページ:https://furusato-forgood.jp/projects/000300
寄付募集期間:令和7年9月30日まで

【熊本県内初の起業家支援のカタチ】「八代の未来を創る起業家」がふるさと納税を活用したクラウドファンディングに挑戦中(熊本県八代市) 画像 9

合資会社丸屋商店 — 美人の湯×米麹。日奈久発フェイスパック誕生!

温泉地・日奈久の衰退と味噌の消費減少という二つの課題を解決するため、日奈久温泉水と自家製米麹を使った低刺激・高保湿のフェイスパックを開発します。土産物としての新商品化により地域経済の活性化を目指します。

プロジェクトページ:https://furusato-forgood.jp/projects/000302
寄付募集期間:令和7年9月30日まで

【熊本県内初の起業家支援のカタチ】「八代の未来を創る起業家」がふるさと納税を活用したクラウドファンディングに挑戦中(熊本県八代市) 画像 10

有限会社 ΜΙΝΑΝΟ — 廃棄される豆腐を惣菜に再生!伝統と未来をつなぐ挑戦

年間で発生する数トン規模の廃棄豆腐を、家庭で美味しく食べられる惣菜へと再生するプロジェクトです。豆腐店の働き方改革と食文化の未来のため、商品開発と販路拡大を進めます。

プロジェクトページ:https://furusato-forgood.jp/projects/000306
寄付募集期間:令和7年12月31日まで

【熊本県内初の起業家支援のカタチ】「八代の未来を創る起業家」がふるさと納税を活用したクラウドファンディングに挑戦中(熊本県八代市) 画像 11

有限会社八代飯店 — 「もったいない」を美味しいへ!消費者と生産者を繋げるレジ横マルシェ

規格外で通常は廃棄されることのある地元野菜を、レジ横の小さなマルシェで販売し、生産者と消費者を直接つなぐ取り組みです。地域内外に八代の食の魅力を伝え、食品ロス削減にも寄与します。

プロジェクトページ:https://furusato-forgood.jp/projects/000303
寄付募集期間:令和7年9月30日まで

【熊本県内初の起業家支援のカタチ】「八代の未来を創る起業家」がふるさと納税を活用したクラウドファンディングに挑戦中(熊本県八代市) 画像 12

合同会社ゆかり オフィス・ラボ — 地域の魅力を、在宅ワーカーの力で世界へ。

子育てなどで外出が難しい人々と、情報発信に課題を抱える地域事業者をつなぐマッチングプラットフォーム『ひとえ』を開発します。ホームページ制作を通じて地域の情報発信力を高め、働きたい人の就労機会を創出します。

プロジェクトページ:https://furusato-forgood.jp/projects/000301
寄付募集期間:令和7年9月30日まで

【熊本県内初の起業家支援のカタチ】「八代の未来を創る起業家」がふるさと納税を活用したクラウドファンディングに挑戦中(熊本県八代市) 画像 13

広報・取材対応と問い合わせ先、参考情報

八代市は認定式やプレゼン審査の様子、経済団体に対する事業説明の様子などを通じて、行政と起業家がともに事業を創り上げる姿勢を示しています。写真データ等の提供が可能で、報道関係者向けの対応も案内されています。

問い合わせ先は八代市役所 商工政策課(担当:木下・澤田)で、連絡先は以下の通りです。詳細な制度説明や画像提供については直接の問い合わせが推奨されています。

項目 内容
発表元 八代市役所(商工政策課)
発表日時 2025年9月25日 13:14
問い合わせ先 八代市役所 商工政策課(担当:木下・澤田)
住所 熊本県八代市松江城町1-25
TEL 0965-33-8513
FAX 0965-33-4516
Mail shoko@city.yatsushiro.lg.jp
掲載プラットフォーム ふるさと納税forGood(https://furusato-forgood.jp)
インスタグラム https://www.instagram.com/yatsushiro_start_up
補助金の仕組み 寄付額から諸経費を差し引き、補助金として交付。さらに一律20万円を加算。

本記事では、八代市が今年度新たに導入した『八代市ふるさとスタートアップ支援事業』の全体像、審査・認定の状況、認定された9名の起業家が現在挑戦中のプロジェクト詳細、支援の流れや税制上の扱い、問い合わせ先などを網羅的に紹介しました。下の表は本文中の主要な情報を整理したものです。

【熊本県内初の起業家支援のカタチ】「八代の未来を創る起業家」がふるさと納税を活用したクラウドファンディングに挑戦中(熊本県八代市) 画像 14

本文内容の要約(主要事項一覧)

以下の表は、本記事で取り上げた重要情報を整理したもので、プロジェクト名、目的、プロジェクトページ、寄付募集期間、主担当者などを一目で確認できます。

プロジェクト名 目的・概要 プロジェクトページ 寄付募集期間(期限)
クギヤ印刷株式会社『kodonto』 子育て情報誌・ポータルサイトで子育て世代を支援 プロジェクトページ 令和7年9月30日まで
クロファーム(いちご観光農園) 体験型農業で来訪者を呼び込み若手就農希望を喚起 プロジェクトページ 令和7年9月30日まで
三角読書会(実践型英語塾) 文化体験を通じた英語教育の導入と人材育成 プロジェクトページ 令和7年10月31日まで
鮮魚商一魚一恵(運転請負サービス) 電動バイクで安全な移動支援を提供 プロジェクトページ 令和7年10月31日まで
有限会社野尻写真場(写真文化発信) 八代の文化を写真で発信・継承するECと教育活動 プロジェクトページ 令和7年9月30日まで
合資会社丸屋商店(フェイスパック) 日奈久温泉水と米麹を使ったスキンケア商品の開発 プロジェクトページ 令和7年9月30日まで
有限会社 ΜΙΝΑΝΟ(規格外豆腐惣菜) 廃棄豆腐を惣菜へ再生し販路を拡大 プロジェクトページ 令和7年12月31日まで
有限会社八代飯店(レジ横マルシェ) 規格外野菜を活用した地域流通の創出 プロジェクトページ 令和7年9月30日まで
合同会社ゆかり オフィス・ラボ(プラットフォーム“ひとえ”) 在宅ワーカーと地域事業者をつなぐマッチング開発 プロジェクトページ 令和7年9月30日まで

本表は、プロジェクト名、目的、プロジェクトページ、寄付募集期限をまとめたものです。制度の詳細や寄付の手続き、画像提供や取材希望については八代市商工政策課(上記連絡先)へお問い合わせください。八代市ホームページにも事業の解説記事が掲載されています(https://www.city.yatsushiro.lg.jp/kiji00324365/index.html)。