国際交流基金賞2025、受賞者と10月22日の授賞式

国際交流基金賞受賞者発表

開催日:10月22日

国際交流基金賞受賞者発表
今回の受賞者って誰?
2025年の国際交流基金賞はマーティ・グロス(カナダ)と鄭 起永(韓国)の2名に決定。映像アーカイブや日本語教育を通じて国際理解に貢献した人物です。
授賞式はいつで会場はどこ?
授賞式は2025年10月22日(水)に開催予定。リリースには会場の詳細は記載されておらず、会場や参列方法は国際交流基金の公式案内で確認してください。

国際交流基金賞2025年度受賞者が示す日本文化と相互理解の継続的な架け橋

株式会社毎日企画サービス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:須山勉)より、独立行政法人国際交流基金の委託に基づくリリースとして、2025年度の「国際交流基金賞」受賞者が決定したことが発表されました。発表日時は2025年9月26日 17時03分です。本賞は1973年(設立の翌年)より実施され、2025年は第52回にあたります。

本年度の受賞は、内外各界の有識者および一般公募で寄せられた106件の推薦を審査した結果、以下の2名に決定しました。授賞式は2025年10月22日(水)に開催される予定です。受賞者の選考は、文化・学術・教育分野における国際相互理解の促進に対する継続的かつ顕著な貢献を評価するものです。

発表機関
株式会社毎日企画サービス(国際交流基金の委託によるリリース)
発表日時
2025年9月26日 17時03分
賞名
国際交流基金賞(International House of Japan: JF Award)
回次
第52回
推薦件数
106件(内外の有識者および一般公募による)
受賞者
マーティ・グロス(カナダ)/鄭 起永(韓国)
授賞式
2025年10月22日(水)
2025年度「国際交流基金賞」受賞者決定 画像 2

選考の経緯とお問い合わせ方法

今回の選考は有識者による審査を経て実施され、学術や芸術を通じた日本と海外の相互理解促進に顕著な貢献があり、引き続き活躍が期待される個人または団体を対象としています。1973年の開始以来、多様な分野で活躍する人々に授与されてきました。

本件に関する問い合わせは、プレスリリースに明記された通りメディアユーザーページよりご参照ください。具体的な連絡先や窓口の情報は該当ページに掲載されています。

2025年度「国際交流基金賞」受賞者決定 画像 3

マーティ・グロス氏——映画・アーカイブを通じて伝える民藝と伝統芸能

受賞者の一人、マーティ・グロス(Marty Gross)氏は、カナダ出身の映画監督、アーキビスト、コンサルティング・プロデューサーです。氏は長年にわたり日本の伝統芸能や民藝運動を海外に紹介してきた功績が評価されました。写真提供・クレジットは「photo by Grant Delin」とされています。

グロス氏は1948年トロント生まれ、ヨーク大学で東洋学を専攻後、1970年に来日し陶工の修行を行った経験を持ちます。映像作家としては、社会的テーマや日本の職人文化を題材にした作品群を制作し、国内外の観客に日本文化の深層を伝えてきました。

2025年度「国際交流基金賞」受賞者決定 画像 4

主要作品と映像資料の収集・修復活動

氏の代表作には、子ども向けの美術教育を描いたショートフィルム『AS WE ARE』、福岡県小石原焼や大分県小鹿田焼を追った『陶器を創る人たち』(1976)、そして最も広く知られる『文楽 冥途の飛脚』(1980)があります。後者は約1時間半の構成で、人形・人形遣い・義太夫それぞれの見せ場を多角的なカメラワークで捉え、ドナルド・リチーによる英語字幕を付した点も特筆されます。

映像記録の発掘・修復というアーキビストとしての業績も重要です。氏は1930年代に英国の陶芸家バーナード・リーチらが撮影した民藝運動の16ミリ映像を発掘・修復し、”民藝運動フィルムアーカイブ”と題するプロジェクトで公開しています。このプロジェクトは日本・韓国・英国・米国などで収集した映像資料を一つにまとめ、職人の手業や日常的な道具に宿る美を現代に伝えるものです。

  • 代表作:『文楽 冥途の飛脚』(1980)、『陶器を創る人たち』(1976)、『AS WE ARE』
  • 役割:監督、プロデューサー、アーキビスト、コンサルタント(海外配給ソフトの販売・公開支援)
  • アーカイブ活動:民藝運動関連映像の発掘・修復・公開(民藝運動フィルムアーカイブ)
  • 映画界への貢献:米国クライテリオンの日本部門コンサルタントとして日本映画の普及に尽力

鄭 起永(ジョン・ギヨン)氏——教育と地域活動を通じた日韓の交流基盤の構築

もう一人の受賞者、鄭 起永(ジョン・ギヨン、JUNG Giyoung)氏は韓国の釜山外国語大学校教授で、日本語教育の分野で30年以上にわたり指導的役割を果たしてきた教育者です。氏は日本語教育を学術的・実務的に発展させるとともに、地域社会や企業との連携による国際相互理解の実践にも力を入れてきました。

鄭氏は釜山外国語大学校において、日本語融合学部を創設し、学部内に「韓日文化コンテンツ専攻」「ビジネス日本語専攻」「日本IT専攻」という三つの専門専攻を設置しました。この取り組みにより、1000名を超える学生が学ぶ韓国最大の日本語教育拠点を築いた点が評価されています。

教育革新と地域・国際連携の具体的実績

教育面ではICTの活用、文字教育教材の開発、Can-do評価の導入など、教育方法と教材の革新を進め、教育成果は国内外で評価されています。学会運営や教員養成、行政との連携を通じて日本語教育の制度的基盤に資する活動も展開してきました。

教育以外の実践活動としては、2003年から始まる対馬での漂着ごみ清掃活動を継続し、日韓の学生・住民・NPOが協働するモデルを提示しています。また、2010年以降は日本企業への就職支援を継続的に行い、累計で364名以上の学生を日本の企業に送り出す成果を挙げています。2012年には継承語教育の拠点となる「釜山日本村」を設立し、2024年には釜山韓日文化交流協会の会長に就任しました。

  • 教育組織の開発:日本語融合学部(3専攻、学生数1000名超)
  • 教育手法:ICT活用、文字教育教材開発、Can-do評価導入
  • 地域協働:対馬での漂着ごみ清掃活動(2003年開始)
  • 職業交流:2010年以降、累計364名以上を日本企業へ就職支援
  • 文化継承:釜山日本村(2012年設立)、釜山韓日文化交流協会会長(2024年)

受賞者情報の整理と本文のまとめ

ここまでに挙げた情報を整理し、本リリースに含まれる主要項目を表形式でまとめます。下表は受賞者の基本情報、所属、主な業績、授賞理由、関連する日付や数値を一目で確認できるようにしています。

表の後に、本記事の要点を自然な文章で締めくくります。掲載している数値・日付・事実は、発表資料の内容に沿って記載しています。

項目 内容
発表元 株式会社毎日企画サービス(国際交流基金の委託によるリリース)
発表日時 2025年9月26日 17時03分
賞名/回次 国際交流基金賞(第52回)
推薦件数 106件(内外の有識者および一般公募)
授賞式 2025年10月22日(水)
受賞者(氏名・国籍・所属) マーティ・グロス(Marty Gross)/カナダ/マーティ・グロス・フィルム・プロダクション(プロデューサー/監督、アーキビスト)
鄭 起永(ジョン・ギヨン、JUNG Giyoung)/韓国/釜山外国語大学校 教授
主な業績(グロス氏) 映像作品『文楽 冥途の飛脚』(1980)、『陶器を創る人たち』(1976)等の制作、クライテリオン日本部門コンサルタントとしての活動、民藝運動関連映像の発掘・修復(民藝運動フィルムアーカイブ)。写真提供:Grant Delin。
主な業績(鄭氏) 釜山外国語大学校における日本語融合学部の創設(3専攻、1000名超)、ICTやCan-do導入等の教育革新、対馬での漂着ごみ清掃(2003年〜)、2010年以降364名以上の日本企業就職支援、釜山日本村設立(2012年)、釜山韓日文化交流協会会長(2024年)。
授賞理由(要旨) いずれの受賞者も、日本文化(伝統芸能・民藝)や日本語教育を通じて国際相互理解と友好親善に顕著に寄与している点が評価された。
関連リンク https://www.jpf.go.jp/j/about/award/archive/2025/index.html
キーワード 国際交流/日本文化/カナダ/映画/文楽/民藝/韓国/日本語/教育/対馬

本記事では発表内容を網羅的に整理してお伝えしました。国際交流基金賞の2025年度受賞者は、国境を越えて日本文化の価値や相互理解の手法を広げてきた人物であり、授賞はその長年の積み上げられた活動の成果を示すものです。なお、本件に関する問い合わせは冒頭に記載のとおりメディアユーザーページをご参照ください。

参考リンク: