クックパッド調査:魚料理が「一皿完結」に変わる理由

魚料理の一皿化

開催日:9月26日

魚料理の一皿化
魚の食べ方って具体的にどう変わったの?
従来の「切り身を焼く」中心から、鮭や鯖を野菜や炭水化物と一緒に調理する「フライパン一つで完結」する一皿料理へ移行。時短ニーズや漁獲減による価格上昇、調理の手間解消が背景です。
家で手軽にできる魚の一皿レシピって何がある?
鮭のちゃんちゃん焼き、ホイル焼き、クリームパスタ、アクアパッツァ、フライパンパエリアなどが人気。どれもフライパン一つで野菜も同時に調理でき、短時間で家族向けに作れるのが魅力です。

家庭の食卓で「焼き魚+副菜」から「一皿完結」へ変わる背景

クックパッド株式会社が2025年9月26日21時30分に公表した調査は、家庭の魚料理の実態が大きく変化していることを示している。従来の「魚は魚だけで調理する」スタイルから、野菜などと一緒に調理して一皿で完結させるスタイルへの移行が顕著になっている。

この変化には複数の要因がある。漁獲量の減少に伴う価格高騰、調理の手間や「どう調理すればいいか分からない」といった心理的障壁、そして共働き世帯の増加による時短ニーズが重なっている。総務省統計局の「労働力調査(基本集計)令和6年年平均結果の概要」によれば、夫婦共に雇用者である世帯は2023年で約741万世帯となり、専業主婦世帯を上回る状況にある。

時短ニーズで魚の食べ方変化「焼き魚+副菜」から「一皿完結」へ|クックパッド 画像 2

資源不安と家庭の対応

資源面では、持続可能な漁業に向けた取り組みが進む一方、2025年の秋鮭は平成以降最少の1,141万尾と予測され、北海道庁の速報では漁獲金額が前年同期比約119%と上昇している。こうした状況は、食卓に魚をどのように取り入れるかを再考させる要因となっている。

行政や団体の取り組みも同時に進行しており、農林水産省による「毎月3日はさかなの日」や学校給食での水産物活用など、魚食を再興する施策が存在する。水産エコラベル(MSC等)による認証も広がり、持続可能な供給と消費の両面から変化が促されている。

クックパッド「たべみる」が示す検索データの変化

クックパッドの食の検索データサービス「たべみる」を活用した分析では、2015年から2025年にかけて鮭レシピの検索組み合わせ語句に変化が見られる。従来上位にあった「ムニエル」は順位を下げ、近年は「ちゃんちゃん焼き」「パスタ」「クリーム煮」など、フライパンひとつで完結するレシピが上位を占めるようになった。

この傾向は鮭に留まらず、タラ、鯖など複数の魚種においても同様で、魚を単体で調理するのではなく、野菜や炭水化物と組み合わせて「ひと皿で完結」する調理法が支持されている。検索の指標にはSI値(Search Index)マッチ度が用いられており、検索頻度とキーワードの組み合わせの強さが解析されている。

データが示すニーズ

解析から見える主要なニーズは「調理時間の短縮」「栄養バランスの確保」「調理のわかりにくさの解消」である。忙しい家庭ほど、フライパン一つで完成するレシピや、野菜も一緒に摂れる調理法に高い関心を寄せている。

「たべみる」はクックパッドの検索・アクセスログデータを活用するビッグデータサービスで、食材・地域・季節・食用シーンなどの切り口で分析が可能である。データ利用時には出典クレジットの掲載が求められる点も補足されている。

家庭の声と具体的な人気レシピ

クックパッドに寄せられた「つくれぽ」からは、実際の家庭での利便性や満足度がうかがえる。鮭のちゃんちゃん焼きを作った利用者からは「フライパンひとつで助かります」「野菜もたくさん食べられて栄養満点」「子どもが喜んで食べてくれた」「ほったらかしで完成するのも良い」といった声が届いている。

同様に鮭のクリーム煮では「簡単で美味しかったです」「野菜もたくさん摂れました」「子供が鮭のおかずで一番好きと喜んでくれました」「家族大好きレシピです」といった評価が見られる。これらの声は、レシピの再現性と家庭での受容性を示す具体的な証拠となっている。

クックパッドが推奨するフライパン一つで完結する秋のメニュー

調査結果を踏まえてクックパッドが紹介する人気レシピは以下の通りで、すべてフライパンひとつで再現しやすいメニューとして選ばれている。

  • 鮭のちゃんちゃん焼き
  • 鮭のクリームパスタ
  • 鮭と野菜のチーズクリーム煮
  • アクアパッツァ
  • 秋刀魚のフライパンパエリア
  • 超簡単絶品鮭のホイル焼き

これらのレシピは、魚を「個別の切り身を焼く」だけでなく、野菜や炭水化物と組み合わせて家庭での調理を簡便にする点が共通している。

調査の意義とクックパッドの立場・基本情報

今回の調査は、家庭の実態と検索データを結びつけることで魚食の現状と変化を可視化したものだ。魚料理を取り巻く課題には、漁獲減や価格上昇、調理の難しさがあるが、家庭レベルではレシピや知恵を通じて「しんどい魚料理」を軽減し、「楽しめる魚料理」へと変えている事実が示された。

クックパッドは「毎日の料理を楽しみにする」をミッションに掲げ、レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」をはじめ、料理のAIコーチングサービス「moment」、生鮮食品のオンライン市場「クックパッドマート」などを展開している。事業は日本を含む67カ国・地域、26言語で展開されている。

クックパッドの会社情報と調査に関する注記

以下は公表されている会社概要と調査に関する注記である。正確な出典と数字は調査資料に基づく。

社名
クックパッド株式会社
本社所在地
〒153-0044 東京都目黒区大橋2-22-44
代表執行役
佐野 陽光(さの あきみつ)
資本金
50,000千円(2025年3月末)
設立年月日
1997年10月1日
従業員数
105人(2025年3月末 連結ベース)
主要事業
毎日の料理を楽しみにする事業(レシピサービス、AIコーチング、オンライン食材流通等)

また、調査に用いたデータや参考情報として、総務省統計局、農林水産省、水産庁、北海道立総合研究機構、北海道庁、水産研究・教育機構(FRA)などの公表資料が挙げられている。クックパッドの「たべみる」データ利用に際しては出典表記が必要である点も明記されている。

参考リンク

調査の公表先やクックパッドの詳細情報は以下のリンクで確認できる。

以下に本記事で扱った主要な数値やポイントを整理した表を示す。調査日付、主要な変化点、代表的なレシピ、関連統計・出典をまとめている。

項目 内容
プレスリリース公表日時 2025年9月26日 21時30分
主な調査結論 「魚は魚だけで調理する」から「魚と野菜を一緒に調理する一皿完結」へ変化
代表的な上位レシピ ちゃんちゃん焼き、ホイル焼き、パスタ、クリーム煮、アクアパッツァ、フライパンパエリア 等
対象魚種の例 鮭、タラ、鯖(複数魚種で同様の傾向)
関連統計(世帯) 夫婦共に雇用者の世帯 約741万世帯(2023年、総務省)
秋鮭来遊予測 令和7年秋サケ来遊予測 1,141万尾(2025年の予測、北海道立総合研究機構)
漁獲金額の動向 北海道庁速報:漁獲金額は前年同期比 約119%(2025年)
調査データ源 クックパッド「たべみる」データ、各省庁・研究機関の公開資料
クックパッド会社情報 本社:東京都目黒区大橋2-22-44、代表:佐野陽光、資本金50,000千円、設立1997年10月1日、従業員105人(2025年3月末)

本記事では、クックパッドが公表した調査内容をもとに、家庭の魚料理の変化とその背景、具体的なレシピや利用者の声、関連する統計情報と企業情報を整理した。データは「たべみる」や各種公的機関の発表に基づいており、家庭の調理行動や食卓の変化を読み解くための基礎的な資料となる。

参考リンク: