MagicHolic、APT Women採択 STORYS.JPとAIでショートアニメ制作
ベストカレンダー編集部
2025年9月27日 12:20
APT Women採択と協業開始
開催日:9月27日

東京都の女性起業家支援プログラムに選出された背景と発表日時
株式会社MagicHolic(本社:東京都、代表取締役CEO:水上渚)は、2025年9月27日11時30分付の発表で、東京都が実施する女性ベンチャー成長促進事業「APT Women(Acceleration Program in Tokyo for Women)」第10期に採択されたことを公表しました。採択は多数の応募の中から行われ、MagicHolicは優れたビジネスモデルを有する企業として選出されています。
この採択は単なる資金面や支援機会の獲得に留まらず、東京都によるネットワーキングやメンタリング、制度的支援を得て、事業の拡大とグローバル展開を加速するための重要なマイルストーンとなります。発表と同時に、MagicHolicはSTORYS.JPを運営する株式会社OXNY LABとのパートナーシップも締結し、具体的な共同制作を開始したと明示されています。

APT Women採択の位置づけ
APT Womenは、女性起業家の成長促進を目的としたアクセラレーションプログラムです。採択企業には、事業成長に必要なノウハウ提供や東京都との連携支援が提供されます。MagicHolicの採択は、女性起業家としての事業力と技術的な優位性が評価された結果といえます。
採択の発表が行われた2025年9月には、第10期の参加企業が集い、各社のビジネスモデルや成長戦略の共有が行われたと報告されています。MagicHolicの公表文には、採択の写真(APT Women 10期生と共に、2025年9月撮影)も添えられています。

日本のマンガ・アニメ産業が抱える課題とMagicHolicのAIソリューション
プレスリリースでは、日本のマンガ・アニメ産業が直面する構造的課題を3点に整理しています。これらは、コンテンツのグローバル展開を阻む壁、メディアフォーマットの差異、そして制作コストとスピードの問題です。具体的な数値を挙げて問題の深刻さを示している点が特徴です。
MagicHolicはこれらの課題を解決するため、独自開発のAI制作エンジンを導入し、コスト・スピード・多言語展開の3方面での変革を掲げています。以下で課題とソリューションを対比して示します。
- 課題1 — グローバル展開の壁
年間12,000作品以上の新作マンガが発表される中、実際に海外市場に届く作品はごく一部に限られるとし、発表資料では新作の97.4%が海外市場に届いていないことを指摘しています。
- 課題2 — メディアフォーマットの壁
海外ファンの内訳として、87.5%が「アニメは観るがマンガは読まない」と回答している調査結果を示し、原作マンガをどうアニメや動画フォーマットで訴求するかが課題になっている点を明記しています。
- 課題3 — 制作コストと時間の壁
従来のアニメ制作は1話あたり約500万円がかかり、制作スタジオは受注待ちで平均7年の待機があるとされており、量産やスピード対応が難しい実情を説明しています。

MagicHolicの提示する解法
MagicHolicは独自AI制作エンジンにより、上記の課題に対してコスト革命、スピード革命、グローバル革命の3つを掲げています。資料では具体的に数値目標も示されており、従来比での大幅改善が強調されています。
- コスト革命
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従来の制作コストの1/60の水準で高品質なアニメーション制作を可能にすることを主張しています。
- スピード革命
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制作期間を年単位から月単位へ短縮することで、短期集中での量産体制を実現する点をアピールしています。
- グローバル革命
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10言語以上での同時展開を実現することで、コンテンツを迅速に多地域へ配信することを目指しています。

STORYS.JPとの協業内容:ショートアニメ制作の具体計画
MagicHolicは、人生物語プラットフォーム「STORYS.JP」を運営する株式会社OXNY LABとのパートナーシップを締結し、同プラットフォームが保有するコンテンツIP群から海外展開に適した作品を選定して、ショートアニメ化する取り組みを開始しました。STORYS.JPは、映画「ビリギャル」の原作となった投稿が生まれた場所としても知られています。
協業の初動として、制作開始作品やフォーマット、公開プラットフォーム、言語展開などの具体項目がリリースされています。下記にプロジェクトの主要な仕様を列挙します。
- 制作開始作品: 5タイトルのショートアニメ制作に着手
- フォーマット: 各作品3〜5分の縦型動画フォーマット
- 言語展開: 日本語・英語・中国語による多言語展開
- 公開先: YouTube、TikTokなど主要プラットフォームで順次公開予定
公開・制作体制と数量目標
リリースには、短期および中期での制作量や配信目標が明示されています。2025年度においては、制作体制の確立を進め、コンテンツ量の拡大とプラットフォームでの視聴者獲得を目標に掲げています。
具体的な数値目標は次のとおりです。2025年度目標として、15〜20作品/四半期の制作体制を確立し、主要プラットフォーム合計でチャンネル登録者数5万人達成、さらにIPライセンス30タイトルの獲得を目指すとしています。これにより短期的に大量配信を行い、視聴データをもとにした迅速な改善サイクルを回す計画です。
代表コメント、会社概要と中長期のビジョン整理
代表取締役CEO 水上渚のコメントとして、プレスリリースは次の一文を掲載しています。”APT Womenへの採択とSTORYS.JPとのパートナーシップという2つの大きなマイルストーンを同時に達成できたことを大変嬉しく思います。STORYS.JPが大切に育んでいる『物語の力』を、AI技術を通じて世界中のファンに届けることで、日本の優れた物語文化の新たな可能性を切り拓いてまいります。東京都のサポートを受けながら、グローバル市場での成功を目指します。”
この発言は、技術的優位性とコンテンツ発掘力を組み合わせた事業戦略を明確にし、東京都の支援を受けつつ市場拡大を図る意向を示したものです。以下に会社情報と長期ビジョンを整理します。
- 株式会社MagicHolic
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設立:2025年
代表者:代表取締役CEO 水上渚
事業内容:AI技術を活用したショートアニメ制作・配信プラットフォームの開発・運営
URL: https://magic-holic.com/
- 株式会社OXNY LAB(STORYS.JP運営)
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運営サービス:STORYS.JP(人生物語プラットフォーム)
URL: https://www.storys.jp
中長期のビジョンとして、プレスリリースは2030年の目標を掲げています。50カ国に展開し、500万人のファンを獲得、1,500作品以上を配信することを目標に、”日本発のグローバルエンターテインメントプラットフォーム”としての確立を目指すとしています。
数値目標とロードマップの要点
2025年度の短期目標から2030年の中長期目標まで、具体的な数値が設定されている点は事業計画の現実性を示しています。短期での量産体制構築、中期でのファン獲得とIP獲得、長期での国際展開という段階的なロードマップが描かれています。
これにより、技術(生成AI)を用いた効率化と、STORYS.JP由来のストーリー資産の組み合わせで、スケール可能なビジネスモデルを目指す戦略が明確化されています。
この記事の要点整理(表形式)
以下の表に、本リリースで示された主要事項を整理します。表は採択情報、課題と解決策、制作計画、数値目標、企業情報を項目ごとにまとめたものです。
項目 | 内容 |
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発表日 | 2025年9月27日 11時30分 |
採択 | 東京都 女性ベンチャー成長促進事業「APT Women」第10期に採択 |
課題(3点) | 1. グローバル展開の壁(新作の97.4%が海外に届かない) 2. メディアフォーマットの壁(海外ファンの87.5%がアニメは観るがマンガは読まない) 3. 制作コストと時間の壁(従来1話約500万円、制作スタジオは7年待ち) |
MagicHolicのソリューション | AI制作エンジンによるコスト革命(従来の1/60)、スピード革命(年単位→月単位)、グローバル革命(10言語以上同時展開) |
パートナー | 株式会社OXNY LAB(STORYS.JP) |
制作開始作品 | 5タイトルのショートアニメ(各3〜5分の縦型動画) |
言語・公開先 | 日本語・英語・中国語で公開。YouTube、TikTok等で順次公開予定 |
2025年度目標 | 15〜20作品/四半期の制作体制、主要プラットフォーム合計でチャンネル登録者数5万人、IPライセンス30タイトル獲得 |
2030年ビジョン | 50カ国で500万人のファンに1,500作品以上を配信し、日本発のグローバルエンターテインメントプラットフォームを確立 |
会社概要 | 株式会社MagicHolic(設立:2025年、代表:水上渚、事業:AIを活用したショートアニメ制作・配信プラットフォーム) URL: https://magic-holic.com/ |
以上がプレスリリースの要点を整理した内容です。採択とパートナーシップの両面での進展、そしてAIを用いた制作効率化と多言語同時展開によるグローバル戦略が本発表の中心となっています。今後は提示された数値目標の達成に向けた制作体制の整備と、STORYS.JP由来のIPを活用した具体的な配信の進捗が注視されます。