SLV、Solanaテストネットで4種クライアントをワンコマンド対応

SLVが主要4クライアント対応

開催日:9月28日

SLVが主要4クライアント対応
これで何ができるようになるの?
SLVがAgave/Jito/Firedancer系の4クライアントをテストネット上でワンコマンドで立ち上げられるようになった。手動ビルドや個別調整が不要になり、検証や展開が速く簡単になる。
既存のバリデータや新規参入者にはどう影響する?
運用者は環境構築やトラブル対応の負担が大幅に軽減される。新規参入者は参入障壁が下がり、SFDP要件への対応が容易になってステーキング機会を維持しやすくなる。

SLVがSolanaテストネットで主要4種のバリデータクライアントを完全サポート

オランダ・アムステルダムに本社を置くELSOUL LABO B.V.(代表取締役CEO: 川崎文武)とValidators DAOは、オープンソースのバリデータ運用基盤SLVがSolanaテストネットで利用される主要4種のバリデータクライアントをすべてサポートしたことを、2025年9月28日 06時01分に発表しました。

今回のアップデートにより、運用者は手作業で複雑なセルフビルドや個別パラメータ調整を行うことなく、ワン・コマンドでテストネット上にあらゆるクライアント環境を立ち上げられるようになります。これは既存のバリデータ運用者だけでなく、新規参入者にとっても参入障壁の低減を意味します。

サポート対象のクライアント(名称と構成)

SLVが今回対応したクライアントは以下の4種類です。これらはテストネットやメインネットで混在することがある構成を想定したもので、組み合わせの違いによる検証や展開が容易になります。

  • Agave
  • Jito
  • Firedancer Agave
  • Firedancer Jito

各クライアントは性能や運用要件が異なり、運用時のパラメータやリソース要件も変わります。SLVはこれらの違いを抽象化し、コマンド一つで適切な構成を生成することを目指しています。

Solana Foundation Delegation Programの要件とテストネット運用の重要性

Solanaエコシステムの成熟に伴い、テストと検証の重要性が増しています。Solana Foundationが運営するSolana Foundation Delegation Program (SFDP)では、メインネットと同じ種類のクライアントをテストネットでも稼働させることが参加条件となりつつあります。

この要件を満たさないバリデータはSFDPから除外される可能性があり、Solana Foundationからのステーキングサポートを受けられなくなると、ステーキングの獲得が難しくなります。したがって、テストネットにおける主要クライアントの正しい運用はバリデータにとって戦略的に重要です。

SFDPの参照先

SFDPに関する公式情報はSolanaのページで確認できます。運用者は要件の変化を逐次確認し、テスト環境をメインネットと整合させることが求められます。

参考: https://solana.org/delegation-program

なぜSLVの対応が意味を持つのか — 運用効率化と参入障壁の低減

SLVの全4種クライアント対応は、単なる機能追加ではなく、運用フローの簡素化と検証速度の向上をもたらします。複数クライアントのビルドや環境差異によるトラブルシューティングに費やす時間を大幅に削減できます。

ワン・コマンドでの環境構築により、バリデータ運用者はテストシナリオの反復を迅速に行うことができ、設定の差異や相互運用性の検証が容易になります。これによりSFDPの要件変更への追従も迅速になります。

運用面での具体的な利点

簡易デプロイ
複雑なコンパイル手順や依存関係解決を自動化し、クライアントの立ち上げを単一コマンドで実行可能。
検証の再現性
統一された構成テンプレートにより、異なる運用者間でのテスト結果の再現性が向上。
参入障壁の低下
バリデータを新たに立ち上げる際の技術的負担を軽減し、参加ハードルを下げる。

ERPC・Validators DAOの背景と、SLVが解決を目指す課題

今回のSLV対応はERPCやValidators DAOが以前から抱えてきた課題認識に基づいています。ERPCの開発過程やEpics DAOの活動を通じて、高品質で高速なSolana開発環境が容易に手に入らないという問題が明確になりました。

特に金融系アプリケーションのようにミッションクリティカルな場面では、遅延やトランザクション失敗が直接ユーザー体験へ影響します。分散したインフラの品質差やネットワーク距離による影響を放置すると、開発と運用の両面でリスクが増大します。

ERPC/Validators DAOが指摘する主要課題

  • RPC環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動
  • 多くのインフラプロバイダーによる性能制限
  • ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ
  • 小規模プロジェクトほど高品質インフラへアクセスしづらい状況

ERPCやSLVはこれらの課題に対し、オープンソースを基盤とした開発および運用支援を提供することで、Solana上のプロジェクトが高品質なインフラを利用しやすくすることを目指しています。

リリース情報、関連リンク、ダウンロードとサポート窓口

SLVの今回の対応はリリースノート v0.9.400 として公開されています。ソースやドキュメント、コントリビューションガイドはGitHubで確認可能です。コミュニティとの連携はValidators DAOの公式Discordを通じて行われています。

以下に今回の発表に登場する重要なリンクをまとめます。運用者は各リンクを参照して実際の導入手順や最新ドキュメント、ディスカッションにアクセスしてください。

  1. SLV リリースノート v0.9.400: https://github.com/ValidatorsDAO/slv/releases/tag/v0.9.400
  2. SLV GitHub(リポジトリ): https://github.com/validatorsdao/slv
  3. Validators DAO 公式Discord: https://discord.gg/C7ZQSrCkYR
  4. ERPC公式サイト: https://erpc.global/ja
  5. SLV公式サイト: https://slv.dev/ja
  6. elSOL公式サイト: https://elsol.app/ja
  7. Epics DAO公式サイト: https://epics.dev/ja
  8. 関連ニュース(ELSOUL LABO掲載): https://labo.elsoul.nl/ja/news/2025/09/27/slv-solana-testnet-all-clients/

また、プレスリリースに使用された画像ファイルはダウンロード可能と明記されています。メディアや技術者は必要に応じて素材を取得してください。

要点の整理

以下の

項目 内容
発表日 2025年9月28日 06時01分
発表者 ELSOUL LABO B.V.(本社: オランダ・アムステルダム)および Validators DAO
代表取締役CEO: 川崎文武
対象プロジェクト SLV(オープンソースのバリデータ運用基盤)
対応クライアント Agave / Jito / Firedancer Agave / Firedancer Jito(計4種)
目的・背景 Solanaテストネットとメインネットでのクライアント整合性を確保し、SFDP要件に対応。運用の簡素化と参入障壁の低減。
リリース情報 SLV リリースノート v0.9.400(GitHub)
関連リンク GitHub: https://github.com/validatorsdao/slv
公式サイト: https://slv.dev/ja
ERPC: https://erpc.global/ja
その他: https://labo.elsoul.nl/ja/news/2025/09/27/slv-solana-testnet-all-clients/
主な解決対象 RPCのトランザクション失敗・レイテンシ変動、インフラプロバイダーの性能制限、ネットワーク距離による影響、小規模プロジェクトのインフラアクセス性

上記表は本リリースに含まれる主要情報を整理したものである。SLVの今回の対応により、テストネットでのクライアント整合性確認やSFDP対応のための作業負荷は軽減され、運用者側での環境構築の手間が削減されることが期待される。詳細な導入手順やソースコード、リリースノートは上記のGitHubや公式サイトを参照することで確認できる。

参考リンク: