クオンタムソリューションズ、SIG・ARKらと私募契約を締結
ベストカレンダー編集部
2025年9月29日 16:44
大規模私募契約締結
開催日:9月26日

国際コンソーシアムが実行した大型私募──契約成立の経緯と日付
クオンタムソリューションズ株式会社(東京証券取引所コード:2338、代表取締役社長:Francis Bing Rong Zhou)は、2025年9月26日付で国際的投資家コンソーシアムとの間で投資契約を取締役会決議のうえ締結したと、2025年9月29日12時00分に公表しました。本プレスリリースは同日付での発表であり、契約の主体・日付・発表時刻は明確に示されています。
今回の投資契約は、Susquehanna International Group(以下、SIG)が主導し、ARK Invest(以下、ARK)およびIntegrated Asset Management(以下、IAM)が参加する形で実行されたもので、複数のタイプの転換型証券および新株予約権で構成される包括的な私募パッケージが引き受けられます。取締役会の決議に基づく正式な手続きのうえで締結されていることが公表資料で確認できます。
契約の構成と想定される希薄化
投資家が引き受ける証券は、転換プレミアム付きゼロクーポン転換社債型新株予約権付社債、アット・ザ・マネーの行使価額修正型新株予約権、ならびに固定行使価額型新株予約権から構成されます。これらは私募という形態で引き受けられ、すべてが転換された場合、発行済株式数はほぼ2倍に相当する規模に膨らむ点が重要です。
具体的な潜在株式総数は合計で44,000,000株相当となり、内訳は第13回・第14回の新株予約権と第4回・第5回の新株予約権付社債を合算したものです。資本構成や希薄化の影響は数値として明示されているため、株主や投資家は個別の権利行使状況に応じた影響を想定する必要があります。
- 発表日:2025年9月29日 12:00
- 契約締結日(取締役会決議):2025年9月26日
- 証券コード:2338
参画する各投資家のプロフィールと役割分担
本取引にはSIGが主導的な役割を果たし、ARKおよびIAMが参加する国際的コンソーシアムが投資家として名を連ねています。それぞれの投資家が提供するリソースや得意分野は異なり、クオンタムソリューションズ側はガバナンス、コンプライアンス、実行面で相補的な支援が得られる点を強調しています。
以下に、各投資家の公表された特徴と期待される貢献を整理します。投資家ごとの経歴や役割は出資の性格・目的に直結します。
- Susquehanna International Group(SIG)
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SIGは世界最大級の非上場金融機関の一つで、数十年にわたり革新的な企業や技術を支援してきた実績があります。関連会社であるHeights Capital Management, Inc.はSIGの自己資本を運用し、米国・欧州・アジア太平洋地域で多数の直接投資を実行してきました。
さらに関連会社であるCVI Investments, Inc.を通じて恒常的な資本を提供し、本資金調達を主導します。複雑な環境下における実績ある実行力と、グローバルな企業・事業パートナーのネットワークが本案件にもたらされます。
- ARK Invest(ARK)
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ARKはAI、ブロックチェーン、ロボティクスなど破壊的イノベーション分野に注力する投資運用会社で、資産運用サービスや戦略的洞察、エコシステムへのネットワーク提供が特徴です。
創業者でCEO兼CIOのCathie Wood氏は、本投資について「ARKは、イーサリアムが金融サービスおよびデジタル基盤の進化において基盤的役割を果たすと確信しています。クオンタムソリューションズと共に、日本初の機関投資家向けイーサリアム・トレジャリーの構築を支援できることを嬉しく思います。これは、資本市場におけるアクセス、透明性、イノベーションの拡大に向けた重要な一歩です。」とコメントを寄せています。
- Integrated Asset Management(IAM)
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IAMはTC Yam氏により設立され、金融およびメディア分野の専門性を有します。TC Yam氏は『Forbes』メディアの最大株主でもあり、そのネットワークと認知度向上に寄与することが期待されます。
IAMはクオンタムソリューションズの国際的な認知度と信頼性の向上に貢献する見込みです。
イーサリアム・トレジャリー戦略の中身と運用体制
クオンタムソリューションズは、日本市場におけるDAT(デジタル資産トレジャリー)への機関投資家関心の高まりを背景に、イーサリアム(ETH)を中核とする準備金アプローチを採用します。米国市場と比較して日本ではDAT商品が限定的で、従来は主にビットコイン(BTC)に焦点が当たる傾向がありましたが、本戦略はイーサリアムを中心に据える点で差別化されます。
戦略の目的は利回り確保と資本成長の双方を追求することであり、イーサリアムのスマートコントラクト、DeFiアプリケーション、将来的なステーブルコインの普及に伴う基盤的役割に着目しています。これにより、準備金としてのETH保有と二次的な収益機会を両立させる設計です。
運用・ガバナンス体制
クオンタムソリューションズはコンプライアンス・ファーストを標榜し、三者カストディ体制を採用すると明示しています。ステーキングおよびトレーディング戦略については最有力の事業者と連携する方針で、ガバナンス、リスク管理、運用の透明性を確保するための体制整備が示唆されています。
代表取締役社長のFrancis B. Zhouは、今回の資金調達について「本資金調達は、トラディショナル・ファイナンスおよび暗号資産連動株式の分野における最有力機関を結集し、クオンタムソリューションズをグローバルなETHトレジャリーのリーグテーブルにおける有力候補へと押し上げるものです。Cathie氏、SIG、TC氏の支援により、クオンタムソリューションズは前例のない投資家構成を得て、事業オペレーションの迅速な拡大と将来の資金調達ラウンドの加速が可能になると確信しています。」とコメントしています。
新株予約権・社債の詳細と資本への影響の整理
プレスリリースは、新株予約権および新株予約権付社債の数量・割当と、それに基づく合計潜在株式数を明確に提示しています。下記の通り、各シリーズの数量と割当先が記載されています。
数値を正確に把握することで、潜在的な希薄化や資本政策の将来予測、行使時の影響を評価できます。
区分 | 数量(単位・換算) | 割当先 |
---|---|---|
第13回新株予約権 | 140,000個(1個=100株)=14,000,000株相当 | CVI(全量割当) |
第14回新株予約権 | 200,000個(1個=100株)=20,000,000株相当 | CVI 100,000個、IAM 70,000個、ARK 30,000個 |
第4回新株予約権付社債 | 3,200,000株相当 | CVIに割当 |
第5回新株予約権付社債 | 6,800,000株相当 | CVIに割当 |
合計潜在株式数 | 44,000,000株相当(第13回+第14回=34,000,000株;第4回+第5回=10,000,000株) |
割当の内訳を見ると、CVI(CVI Investments, Inc.)が多くを占め、ARKおよびIAMは第14回新株予約権の一部を引き受ける形です。この配分は出資比率や将来の権利行使行動に影響を与えるため、資本政策面での注視点となります。
要点の整理と本件に関する最重要データ一覧
ここまでの内容を要約し、重要事項を一覧化します。以下の表は本記事で示した日付、関係者、数値、戦略の要点を整理したものです。
項目 | 内容 |
---|---|
発表会社 | クオンタムソリューションズ株式会社(証券コード:2338) |
代表者 | 代表取締役社長 Francis Bing Rong Zhou |
プレスリリース日時 | 2025年9月29日 12:00 |
取締役会決議・契約締結日 | 2025年9月26日 |
主導投資家 | Susquehanna International Group(SIG) |
参加投資家 | ARK Invest、Integrated Asset Management(IAM)、CVI Investments, Inc.(関連会社) |
投資内容(概略) | 転換プレミアム付きゼロクーポン転換社債型新株予約権付社債、アット・ザ・マネーの行使価額修正型新株予約権、固定行使価額型新株予約権の私募パッケージ |
合計潜在株式数 | 44,000,000株相当(第13回+第14回=34,000,000株;第4回+第5回=10,000,000株) |
主要戦略 | イーサリアム(ETH)を中核としたトレジャリー戦略(準備金アプローチ)、三者カストディ体制、ステーキングおよびトレーディングによる利回りと資本成長の追求 |
会社事業概要 | AI技術統合、次世代データセンターインフラ(AIDC)、Web3アプリケーション、IPコンテンツ技術等。理念は「資産裏付け型テクノロジー」。 |
上表は発表内容を網羅的に整理したもので、発表日、契約日、参加各社、証券の種類・数量、戦略の中核といった主要事項を一目で確認できます。本稿はプレスリリースの公表情報を忠実に整理して伝えることを目的としています。