大和ハウス×燈、AIで戸建提案を革新──10月2日から導入
ベストカレンダー編集部
2025年9月30日 10:23
AIプランコンシェルジュ導入
開催日:10月2日

大和ハウス工業と燈が共同で提供する「AIプランコンシェルジュ ver.1」:発表と導入スケジュール
2025年9月30日10時01分に発表されたプレスリリースによれば、大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:大友浩嗣)と燈株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:野呂佑希)は、新たに共同開発したサービス「AIプランコンシェルジュ ver.1」を2025年10月2日より大和ハウス工業の全国の戸建住宅の営業担当者が商談時に活用すると発表しました。
本サービスは、同社が展開する規格・セミオーダー住宅ブランド「Smart Made Housing.(スマートメイドハウジング)」で用意する2,000以上のプランと、燈のAI技術を組み合わせて、お客さまの敷地条件や要望、予算に応じた最適プランを数秒で抽出・提案することを目的としています。

発表の背景と目的
大和ハウス工業は2024年7月から「Smart Made Housing.」を展開し、自由設計の柔軟性と規格住宅のコスト優位性を両立させるプランを提供してきました。燈は2021年2月設立の東京大学発AIスタートアップで、建設業界を含む基幹産業の生産性向上に向けたAIソリューションを開発してきました。
両社の協働は、商談中にお客さまの直感的なイメージを即座に形にして比較検討可能にすることと、営業担当者の提案力を組織的に底上げすることを狙いとしています。導入後は、商談中にプランを提示・比較できることで、従来より短時間での意思決定やイメージ共有が期待されます。

機能詳細:入力から提案までの流れと利用できる検索モード
「AIプランコンシェルジュ ver.1」は営業担当者が接客時にお客さまの情報を入力することで機能します。入力項目は家族構成や部屋数、広さ、階数、外観・内観の好み、新居で重視するポイントなど合計17項目の選択肢に加え、土地の面積・形状といった敷地情報が含まれます。
選択項目にない要望についても自由入力が可能で、条件によってはより細かな要望を反映したプラン厳選が行われます。検索は数秒で走り、要望への合致度をスコア化して上位の複数プランを提示します。

3種類の検索・提案モード
用途や商談状況に応じて3つのモードが用意されています。これにより、初回の大まかな相談から詳細な仕様検討まで、それぞれの場面に最適な提案が可能です。
- 用途に応じた検索機能:営業担当者が目的や用途を指定して適切なプラン群を抽出する汎用検索。
- 簡易版:お客さまが初回商談で大まかな希望を伝えた段階でも、直感的にプランを比較提示できる高速モード。
- 詳細版:複数の具体的な要望・敷地条件を反映させ、より高精度に合致するプランを提案するモード。
AIは各プランの説明文も自動生成するため、営業担当者の経験や知識に依存せずに説明を行うことができます。また、検索結果画面では各プランのスコアや選定理由が示され、比較検討が容易になる設計です。
搭載技術とシステムの独自性:図面解析から配置自動生成まで
本システムには、燈が開発した複数の独自AI技術が組み込まれています。これにより、単なるキーワード検索に留まらない、敷地の形状や図面情報まで考慮した高度な提案が可能となっています。
AIの主要技術は次のとおりです。これらは連携して動作し、プランの合致度評価と説明生成を支えます。
- 敷地条件を考慮した配置自動生成AI
- 敷地の面積・形状といった情報をもとに、プランの配置図案を自動生成し、実際の建設地に適した配置を瞬時に検討します。
- 図面解析AI
- 図面中の文字データだけでなく、各部屋の面積や動線などを構造化して抽出する機能を持ちます。これによりプランの特性を定量的に評価できます。
- 統合解析と説明生成AI
- お客さまの要望と住宅図面の特徴を統合的に解析し、選定理由や間取り全体、各部屋の特長を説明文として自動生成します。
これらの技術を組み合わせることで、2,000以上の「Smart Made Housing.」プラン群から、要望に合致する上位プランをスコア付きで抽出し、複数案を即時に提案することができます。
企業情報・今後の運用とまとめ
大和ハウス工業と燈は、本システムで蓄積したデータを「Smart Made Housing.」のプラン改良にも活用していく方針です。商談で得られた実データを基にプランの改善や新プランの検討を行い、より購入検討者の要望に合う提案へと反映させていきます。
以下はプレスリリースで示された両社の概要と主要な公開URLです。企業の設立年や理念、事業領域も記載されています。
会社名 | 概要 | 代表者 | 公式サイト |
---|---|---|---|
大和ハウス工業株式会社 | 1955年創業。戸建住宅をコアに賃貸、分譲マンション、商業施設、物流・医療・介護施設、環境エネルギー等幅広く事業を展開。 | 代表取締役社長 大友浩嗣 | https://www.daiwahouse.co.jp/ |
燈株式会社 | 2021年2月設立。東京大学発のAIスタートアップ。建設、エネルギー、インフラ、製造業の生産性向上を目指すAIソリューション提供。 | 代表取締役社長 兼 CEO 野呂佑希 | https://akariinc.co.jp/ |
ポイントを整理すると、次の3点が本サービスの核となります。
- お客さまの敷地条件・要望・予算を入力し、Smart Made Housing.の2,000以上のプランから要望合致度の高い順に厳選して提示する仕組み。
- 営業担当者の提案力を支援し、商談中にお客さまの直感的なイメージを即座に比較・検討できる体験を実現すること。
- 敷地配置自動生成、図面解析、統合解析による説明生成といった独自AI技術を搭載し、最適なプラン提案を支える点。
最後に、本記事で扱った「AIプランコンシェルジュ ver.1」の主要要素を以下の表に整理します。
項目 | 内容 |
---|---|
発表日時 | 2025年9月30日 10:01(プレスリリース) |
導入開始 | 2025年10月2日(大和ハウス工業の全国戸建営業で運用開始) |
共同開発 | 大和ハウス工業株式会社 × 燈株式会社 |
対象サービス | Smart Made Housing.(2,000以上のプラン)を対象に提案 |
主な入力項目 | 家族構成、部屋数、広さ、階数、内外装の好み、重視ポイント等 17項目/土地の面積・形状/自由入力 |
提案方法 | 数秒で合致度をスコア化し、複数プランを提示。説明文はAIが自動生成。 |
検索モード | 用途検索、簡易版、詳細版の3種類 |
主なAI技術 | 敷地配置自動生成、図面解析、統合解析&説明生成 |
企業情報(主要URL) | 大和ハウス工業: https://www.daiwahouse.co.jp/ / 燈: https://akariinc.co.jp/ |
以上がプレスリリースに基づく「AIプランコンシェルジュ ver.1」についての整理です。導入により、営業現場での提案スピードと質が向上すること、そして商談データが今後のプラン改良へとつながる点が大きな特徴として挙げられます。