YTGATE、静岡銀行などから1億円を追加調達し累計約6億円に

静岡銀行から1億円調達

開催日:9月30日

静岡銀行から1億円調達
今回の1億円って何に使うの?
主に決済最適化SaaS『YTGuard』のUI改善や機能拡充、マーケティング、セキュリティ・コンプライアンス強化、人材採用・育成に充て、承認率改善や不正対策の提供体制を強化します。
なんで増資じゃなくデットにしたの?
デットファイナンスを選んだのは株式希薄化を避け資本効率を維持するためで、複数の地方銀行や政策金融機関が事業計画や収益性を評価した結果でもあります。

静岡銀行を中心に1億円の追加調達、創業2年目で累計約6億円に到達

2025年9月、決済領域に特化したSaaSとコンサルティングを提供する株式会社YTGATEは、静岡銀行を中心とする金融機関から総額1億円の追加デットファイナンスを実行したと発表しました。今回の調達により、創業2期目における累計調達額は約6億円に達しています。

同社は外部株式資本に依存せず、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の管理を徹底することで資本効率を高める運営を行ってきました。2025年8月までにりそな銀行、北國銀行、あおぞら銀行、東日本銀行、日本政策金融公庫の5行から約5億円のデットファイナンスを受けており、今回の静岡銀行を含む1億円の追加調達により累計で約6億円となりました。

YTGATE、静岡銀行などから1億円の追加デットファイナンスを実行、創業2年目で累計約6億円に到達 画像 2

増資ではなくデットファイナンスを選んだ背景と調達の位置づけ

YTGATEが今回選択したのはデットファイナンスであり、資本希薄化を避けながら事業の拡張資金を確保する手法です。創業から短期間で複数の地方銀行や政策金融機関との取引を成立させた点は、金融機関側が同社の事業計画や成長ポテンシャル、収益性を評価した結果といえます。

プレスリリースでは、今回の追加調達が「事業成長を下支えする強固な基盤づくりにおける重要な局面」と位置づけられており、財務の健全性を保ちながら製品改良や人材投資を進める意図が示されています。具体的な調達概要は以下の通りです。

  • 調達金額:1億円
  • 借入先:静岡銀行を中心とする金融機関
  • 累計調達額:約6億円(今回を含む)

決済最適化事業の全体像と提供価値

YTGATEは「決済を最適化し、世界をつなぐ」をミッションに掲げ、決済に関する課題をテクノロジーとコンサルティングで解決する事業を展開しています。主力は決済関連コンサルティング、決済承認率改善支援、そしてSaaSプロダクト『YTGuard』です。

企業がECやD2C、グローバル展開に伴って直面する決済の複雑性や不正利用リスク、承認率低下は売上に直結する問題です。YTGATEは戦略設計から実装、運用後の継続的チューニングまで一気通貫で支援する体制を整えています。

決済関連コンサルティングの提供内容

国内外の事業者に対して最適な決済手段の選定、導入支援、決済プロセス全体の改善提案を行っています。業種はEC、D2C、大手ブランド等へ幅広く実績を有します。

支援のステップは分析から施策実装、モニタリングまでを含み、事業者の個別事情に応じたカスタマイズを行う点が特徴です。以下は主な提供内容です。

承認率の可視化・分析
カード種別、発行会社、時間帯などの属性データから承認が通らない要因を定量化します。
ルール最適化
カード会社(イシュア)と協議し、不要なブロックを削減することで承認率向上を図ります。
不正対策の導入支援
3Dセキュアや不正検知の導入を、ユーザー体験を損なわない形で支援します。
改善後のモニタリング
施策実施後も継続的なチューニングと監視を提供します。

YTGuard(SaaS)の特徴と機能

『YTGuard』は、Webサイトにタグを追加するだけで利用を開始できる決済最適化支援のSaaSプロダクトです。導入の容易性と短期での効果が評価され、スタートアップから大手企業まで幅広く導入されています。

主な機能は、リアルタイムモニタリング、過去傾向分析、外部不正検知ソリューション連携、かご落ちリカバリーの提案、ダッシュボードによる可視化とレポート出力などです。具体的には次の通り示されています。

  • 決済承認率のリアルタイムな監視とアラート通知
  • 過去データに基づく傾向分析と不正トランザクションの高度検知(大手不正検知ソリューションと連携)
  • 購入途中で離脱したユーザーへのかご落ちリカバリー施策の提示
  • ダッシュボードとレポート機能による意思決定支援

今回の資金使途と組織体制の強化方針

プレスリリースでは、今回の1億円をYTGuardのUI改善や機能拡充、マーケティング活動への投資、セキュリティ・コンプライアンス体制の強化、人材採用および育成に充当する方針が示されています。これらは事業の拡大とサービス品質の向上を同時に実現する目的を持ちます。

具体的には、製品のUI/UX改善により導入企業の初期工数を削減し、機能拡張で不正検知や承認率改善の効果を高めることを狙っています。またマーケティング投資により販売チャネルの拡大を図り、セキュリティ・コンプライアンスを強化することで金融機関や大手企業からの信頼獲得を促進する意図が明記されています。

リスク対応と財務戦略

同社は健全な財務基盤の維持を掲げ、外部資本に頼らない運営と負債を組み合わせた成長戦略を展開しています。デットファイナンスを用いることで、株式希薄化を避けつつ短期的な成長投資を行う構えです。

また、金融機関との関係強化により、資金調達面だけでなく事業運営における信認の向上も期待されます。プレスリリースは、今回の調達がステークホルダーにとっての企業価値最大化に資するとの表現で締めくくられています。

調達履歴、会社概要、関連情報の整理

YTGATEのこれまでの調達は段階的かつ複数の金融機関によるデットで構成されています。主な経緯として、創業2年目で以下のような資金調達が公表されています。

  1. 銀行5行から総額約3億円のデットファイナンス(創業2年目の初期調達)
  2. りそな銀行を中心に1.6億円の追加デットファイナンス(これにより総額約5億円に到達)
  3. 今回、静岡銀行を中心とする金融機関からの追加1億円(累計約6億円)

プレスリリース本文では、過去のリリースとして次の2件が参照されています。詳細は各公表資料を確認する必要がありますが、ここではタイトルを併記します。

  • YTGATE、りそな銀行を中心に1.6億円の追加デットファイナンスを実行、創業2年目で総額約5億円の調達を実現
  • 株式会社YTGATE、創業2年目で銀行5行から総額約3億円のデットファイナンスを実行

会社概要(プレスリリース記載)

以下はプレスリリースに記載された会社情報です。所在地や代表者、設立日といった基礎データが含まれます。

会社名
株式会社YTGATE(https://ytgate.jp/)
代表者
代表取締役社長 高橋祐太郎
所在地
東京都中央区新富1-8-2 Grandir Ginza East 5F
設立
2023年10月2日
事業内容
決済関連コンサルティング事業、決済承認率改善支援、決済最適化SaaS事業
公式X
https://x.com/YTGATE_inc
参照資料
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000162852.html

要点の整理

以下の表は本記事で取り上げた主要点を一覧にしたものです。調達金額、借入先、累計調達額、資金使途、事業の主な機能などを整理しています。

項目 内容
発表日 2025年9月30日 10時01分(プレスリリース発表日時)
調達金額(今回) 1億円(デットファイナンス)
借入先 静岡銀行を中心とする金融機関
累計調達額 約6億円(りそな銀行、北國銀行、あおぞら銀行、東日本銀行、日本政策金融公庫、静岡銀行等を含む)
主な資金使途 YTGuardのUI改善・機能拡充、マーケティング、セキュリティ・コンプライアンス強化、人材採用・育成
主力事業 決済関連コンサルティング、決済承認率改善支援、決済最適化SaaS(YTGuard)
代表者 高橋祐太郎(代表取締役社長)
設立 2023年10月2日
参照リンク プレスリリース: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000162852.html / 公式サイト: https://ytgate.jp/

以上がプレスリリースの要点の整理です。YTGATEはデットによる資金調達を通じてサービス強化と組織体制の整備を進める計画を示しており、不正利用対策や決済承認率の改善といった実務的な課題に対応するための投資を優先して実行する姿勢が明確になっています。

参考リンク: