女子小学生が1位に選んだ「ちいかわパーク」の魅力とは
ベストカレンダー編集部
2025年9月30日 13:03
ちいかわパーク開業
開催日:7月28日

女子小学生が選んだ「行ってみたい」テーマパークはなぜちいかわパークなのか
小学館が運営する『ちゃお』と『ぷっちぐみ』の読者を対象にした「JS研究所」のアンケート結果から、女子小学生(以下JS)のテーマパークに対する志向が明らかになりました。2025年9月号のアンケートでは「行ってみたいテーマパーク」1位に、2025年7月28日に東京・池袋サンシャインシティ内でグランドオープンした体験型施設ちいかわパークがランクインしました。
一見すると従来の集客力を持つ大型パーク、例えば東京ディズニーランド・シーやユニバーサル・スタジオ・ジャパンを押しのける結果は意外に思えますが、アンケートの詳細を読み解くと、JSがテーマパークに求める価値が変化している実態が見えてきます。今回の調査は『ちゃお』2025年9月号で行われ、集計数は1,000件です。

行ったことがあるテーマパークのランキング
「これまでに行ったことがあるテーマパーク」の上位には、既存の大規模施設が並びました。1位は東京ディズニーランド・シー(R)、2位はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、3位はサンリオピューロランドでした。つまりJSが実際に訪れる機会が多いのは長年の定番スポットだという事実がまず確認できます。
一方で「行ってみたいテーマパーク」では、1位がちいかわパーク、2位がユニバーサル・スタジオ・ジャパン、3位がサンリオピューロランド、4位に東京ディズニーランド・シーが並びました。来訪経験と行きたい意欲の間に差が生じている点が注目されます。
- 行ったことがあるテーマパーク(上位): 東京ディズニーランド・シー(1位)、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(2位)、サンリオピューロランド(3位)
- 行ってみたいテーマパーク(上位): ちいかわパーク(1位)、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(2位)、サンリオピューロランド(3位)、東京ディズニーランド・シー(4位)

好きなキャラクターランキングとJSの嗜好
『ちゃお』2025年6月号のBIGアンケート(集計数500)では、「好きなキャラクター」ランキングにおいてちいかわが3位に入りました。1位はサンリオの人気キャラクターであるシナモロール、2位はクロミ、3位がちいかわという結果です。
クロミについては、マイメロディのライバルであり黒いずきんとピンクのドクロが特徴で、JSの間で根強い人気を持つ点が示されました。キャラクターの見た目の可愛らしさだけでなく、ストーリー性や個性への共感が選好に影響していることが読み取れます。
- 好きなキャラクター(上位)
- 1位: シナモロール
- 2位: クロミ
- 3位: ちいかわ

テーマパークでの楽しみ方: アトラクション体験と没入体験の二極化
アンケートでは「テーマパークで一番楽しいこと」を尋ねた項目があり、結果はアトラクション志向と世界観没入志向の二つの軸が存在することを示しました。1位は「ジェットコースターに乗れる」、2位は「色々なアトラクションがある」、5位は「色々な乗り物に乗れる」といった、いわゆるスリルや多様な乗り物を楽しむ意向が上位に並んでいます。
一方で3位には「キャラクターに会える」、4位には「グッズやおみやげが買える」が入り、キャラクターとの接触や物販を通して世界観へ浸る〈没入体験〉を重視する傾向も確認できました。ちいかわパークが「行ってみたい」1位になった背景には、まさにこの没入体験に特化した構成が関係している可能性が高いと分析できます。
- アトラクション重視派:ジェットコースターや多数の乗り物を楽しみたい
- 世界観没入派:キャラクターに会う、コスプレ(ヘアアクセなどを身に着ける)、グッズ収集で世界観に入る
ちいかわパークの施設構成は、展示エリア、ゲームコーナー、グッズショップなどが中心で、大掛かりなアトラクションや乗り物は整備されていません。したがって、物語やキャラクターの世界に入り込みたいというJSのニーズと合致した結果と考えられます。

調査方法、JS研究所の取り組み、編集部の視点
今回の調査は雑誌のハガキアンケートを利用した自社調査で行われました。『ちゃお』の「テーマパーク」に関する調査は2025年8月1日から9月2日まで実施され、集計数は1,000件です。『ちゃお』の「好きなキャラクター」に関する調査は2025年5月1日から6月2日まで行われ、集計数は500件でした。
JS研究所は2022年8月に発足し、『ぷっちぐみ』と『ちゃお』編集部が共同で女子小学生のリアルな価値観を定期的に発信するプロジェクトです。両誌では創刊以来、読者とその家族による手書きのハガキアンケートを継続しており、編集部には毎月両誌合わせて約5,000枚のハガキが届いています。こうした蓄積された読者データを誌面づくりや外部企業との協働に活用することが狙いです。
調査項目 | 対象誌 | 調査期間 | 集計数 | 調査方法 |
---|---|---|---|---|
テーマパークに関する調査 | ちゃお(2025年9月号) | 2025/8/1~2025/9/2 | 1,000 | 雑誌のハガキアンケート(自社調査) |
好きなキャラクターに関する調査 | ちゃお(2025年6月号) | 2025/5/1~2025/6/2 | 500 | 雑誌のハガキアンケート(自社調査) |
編集部からのコメントとして、結果はJSの「好き」や「行きたい」が非常にリアルに伝わってくるとの指摘があり、ちいかわパークの1位はキャラクターの世界観に浸る体験を重視する現在の傾向を象徴しているという見解が示されています。編集部は物語の世界観を届ける役割を重視し、読者に「入っていける場所」を作ることを目指すとしています。

まとめ:調査結果の要点を表に整理
ここまで紹介した調査結果と分析をわかりやすく整理します。以下の表は本記事で扱った主要なデータと要点を簡潔にまとめたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
行ったことがあるテーマパーク(上位) | 1位 東京ディズニーランド・シー(R)、2位 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、3位 サンリオピューロランド |
行ってみたいテーマパーク(上位) | 1位 ちいかわパーク(東京・池袋サンシャインシティ、2025/7/28グランドオープン)、2位 USJ、3位 サンリオピューロランド、4位 東京ディズニーランド・シー(R) |
好きなキャラクター(上位) | 1位 シナモロール、2位 クロミ、3位 ちいかわ(『ちゃお』2025年6月号調査、集計数500) |
テーマパークで重視するポイント | アトラクションを楽しむ層(ジェットコースター等)と、キャラクターや世界観に没入する層(キャラクターに会う、グッズ)に二極化 |
調査方法 | 雑誌のハガキアンケートによる自社調査。『ちゃお』テーマパーク調査は2025/8/1~9/2、集計数1,000。『ちゃお』キャラクター調査は2025/5/1~6/2、集計数500。 |
JS研究所の概要 | 2022年8月発足。『ぷっちぐみ』『ちゃお』編集部が共同で女子小学生のリアルを発信。両誌合わせて毎月約5,000枚のハガキが編集部に届く。 |
今回のアンケート結果からは、JSがテーマパークに求める体験が多様化していること、特にキャラクターの世界観に没入する「体験型」施設への関心が高まっていることが示されています。企業や運営側は、スリル重視のアトラクション提供だけでなく、物語やキャラクターを中心に据えた空間設計や物販、演出を含めた体験設計を検討する価値があると考えられます。
参考リンク: 小学館公式サイト https://www.shogakukan.co.jp/、ちゃお https://ciao.shogakukan.co.jp/、ぷっちぐみ https://pucchigumi.net/
参考リンク: