10月1日開幕 大阪・関西万博デザイン展の生成過程を公開
ベストカレンダー編集部
2025年9月30日 17:28
大阪・関西万博デザイン展
開催期間:10月1日〜10月19日

万博デザインの“生成過程”を一堂に──展示の骨格と主旨
株式会社人間は、読売新聞社主催の「大阪・関西万博デザイン展」を、2025年10月1日(水)から10月19日(日)まで大阪府立江之子島文化芸術創造センター(enoco)Room4にて開催します。本展は、公式ロゴマークや公式キャラクター「ミャクミャク」、デザインシステム、会場装飾、サウンドスケープ、パビリオン空間に至るまで、万博デザインがどのように生まれ、展開し、来場者や社会と共鳴していったかを可視化することを目的としています。
本展は、2025年6月に京都dddギャラリーで開催された企画展「モダン・エキスポ・ポスターズ グラフィックでみる現代の万博」の好評を受け、その流れを継承して大阪で実施されます。展示を通じて、単なる成果物の提示にとどまらず、試作・スケッチ・ドキュメントなど生成過程そのものに焦点を当て、デザインがどのように共創的な生態系として育まれていったかを来場者に伝えます。

展示で伝えることと見どころ
本展の見どころは「ロゴ=種」「ミャクミャク=水」「デザインシステム=土壌」というメタファーに代表される、デザインを生態系として捉える視点です。公式の視覚言語や空間表現、音楽的要素といった多層的な表現がどのように重なり合い、互いに影響を与えたかを示します。
また、展示資料としては完成品に加え、初期スケッチや仕様書、制作現場の記録映像などを多数公開します。これにより、来場者はデザインの意図や試行錯誤の軌跡を順を追って理解することができます。

展示ラインナップの詳細:ロゴから空間、サウンドまで
展示は大きく分けて複数のセクションで構成されます。それぞれのセクションは、万博デザインがどのように発想され、展開され、また市民や参加者によってどのように再解釈されたかを示すために設計されています。
以下に展示の主な構成と内容を具体的に示します。展示の順路は来場者の理解を助けるよう時系列的な流れも取り入れています。
- ロゴマーク、デザインシステム、公式キャラクター「ミャクミャク」
公式ロゴマークと、その展開としてのデザインシステム、そして公式キャラクター「ミャクミャク」を中心に、その発案から最終デザインに至るプロセスを展示します。来場を迎えるモニュメントや共創を促す仕組みまで、起点から広がるビジュアル言語の全体像を確認できます。
- 大阪・関西万博デザインプロセス年表
ロゴマークの公表、キャラクターの開発、会場デザイン、二次創作の波及など、プロジェクトの歩みを年表形式で並べ、主要な意思決定や制作段階のタイミングを可視化します。
- EXPO WORLDs展示
ミャクミャクのモニュメント、デザインシステムのバナーフラッグ、愛称“こみゃく”で親しまれたCo-MYAKU Sign、そして会場音楽のSoundscape「いのちのアンサンブル」など、実際に会場を彩った装飾の要素を展示します。
- ドキュメント&スケッチ展示
ロゴマークやキャラクター、デザインシステムが生まれる背景や思考プロセスを示す資料(スケッチ、メモ、仕様書、試作例)を公開。制作現場の意図や判断がどのように形になったかを読み取ることができます。
- パビリオンの空間デザイン展示
乃村工藝社グループが携わった25以上のパビリオン・出展ブースを含む、総計50以上のプロジェクトの一部と制作過程を記録した映像を展示します。日本館やパナソニックグループ パビリオン「ノモの国」などの空間設計と施工のプロセスが対象です。
- 展示の目的
- 万博デザインの起点から現場での展開、そして市民との相互作用に至るまで、過程を含めて提示すること。
- 展示形式
- 実物展示、映像、年表、スケッチ、ドキュメントの混合形式で構成。

トークプログラムと出演予定者 — EXPO DESIGN TALKで語られる舞台裏
展示会期中は、万博に携わったクリエイターやプロデューサーによるトークプログラム「EXPO DESIGN TALK」を実施します。本プログラムは、制作現場のリアルな話や判断の背景、技術的な工夫などを当事者の視点で共有する場として企画されています。
なお、セッション内容や日時については予告なく変更となる場合があり、決定次第PeatixやSNSにて公開されます。トークの申し込みや最新情報はPeatixの専用ページおよび関係者のX(旧Twitter)アカウントで確認してください。
予定出演者(50音順)
以下は本リリース時点で予定されている出演者一覧です。各氏の肩書は発表時点のものを記載しています。
- 赤川 純一 [テクニカルディレクター]
- 朝戸 一聖 [TANSAN 代表 / ゲームクリエイター]
- 荒井 亮株 [株式会社知財図鑑 編集長]
- 川口 智士 [株式会社ZIZO 代表 / ディレクター / プランナー]
- しまだ あや [みんなの エッセイスト]
- 野老 朝雄 [芸術家]
- 豊田 啓介 [NOIZ 建築家 / 東大生産研特任教授]
- 花岡 [株式会社人間 代表 / 変なプロデューサー]
- 浜名 信次 [株式会社Beach 代表 / デザイナー / 映像作家]
- 引地 耕太 [株式会社VISIONs クリエイティブディレクター]
- ブルース イケダ [JKD Collective プロデューサー / クリエイティブディレクター]
- 水野 祐 [シティライツ法律事務所 弁護士]
- 山根 シボル [株式会社人間 代表 / アイデアマン]
また、Co-MYAKU‘25の参加アーティストやその他の登壇者も企画中であり、詳細は追って公開されます。
関連情報・申し込みリンク: https://expodesigntalk.peatix.com/
開催情報、アクセス、主催・協力体制
本章では、開催期間・会場・入場料・主催協賛などの基本情報を整理します。会場は大阪市西区のenocoで、Osaka Metro中央線・千日前線「阿波座駅」から徒歩3分のアクセスです。
入場料は無料で、会期中の開館時間や休館日についても明記します。最終日は特に終了時刻が異なるため注意が必要です。
- 会期
- 2025年10月1日(水)~10月19日(日) ※最終日は15時まで
- 開館時間
- 11:00~20:00(入場は閉館30分前まで)
- 休館日
- 月曜日(10月6日、10月13日)
- 会場
- 大阪府立江之子島文化芸術創造センター(enoco) Room4
〒550-0006 大阪市西区江之子島2丁目1番34号 - 交通
- Osaka Metro 中央線・千日前線「阿波座駅」下車、8番出口から徒歩3分
- 入場料
- 無料
主催・共催・協賛・協力・後援
プロジェクトには複数の企業・団体が関与しています。主催は読売新聞社で、共催や協賛・協力により多様な組織が制作・運営に参画しています。
後援には公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が名を連ねています。
主催 | 読売新聞社 |
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共催 | 株式会社VISIONs、株式会社人間、株式会社ワントゥーテン |
協賛 | 株式会社乃村工藝社 |
協力 | 株式会社Beach、一般社団法人demoexpo、JKD Collective株式会社、株式会社parks、株式会社TakaraTec、株式会社THE PASSION、株式会社ZIZO、赤川純一、久保みのる、クレー株式会社 |
後援 | 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 |
デザイン思想と文化的な広がり — OPEN DESIGN 2025と〈こみゃく〉という現象
大阪・関西万博のデザインは個々のクリエイターや企業による単一の成果物ではなく、人間中心の設計を超えた共創的なプロセスを通じて成立したものです。展開されたデザインは、自然とテクノロジー、人々の関わりを重ねることで新たな「いのちの循環」を描きました。
この背景には〈OPEN DESIGN 2025〉という構想があります。OPEN DESIGN 2025は、万博における参加と共創を促す生成的デザイン・コモンズとして設計され、リアルとデジタルを横断する文化的共有地を創出することを目指しました。ロゴを種に、ミャクミャクを水に、デザインシステムを土壌に見立てる比喩は、デザインが如何に生態系として機能したかを示すものです。
その結果として、来場者や市民が「こみゃく」という愛称で親しみを持ち、SNSを介して二次創作が波及しました。これにより、万博のデザインは制度的な産物から文化的なムーブメントへと変容し、多様な主体が参加する共同的な価値の生成に寄与しました。
京都での企画展との連続性
2025年7月に京都dddギャラリーで開催された「モダン・エキスポ・ポスターズ グラフィックでみる現代の万博」は、本展の直接的な文脈を成しています。京都での反響を受け、より広範な展示内容と多様な関係者の声を大阪で提示することになりました。
京都展が示したのは、グラフィック表現を軸にした万博の歴史的・現在的な位相でしたが、本展ではそれを拡張し、空間・音響・参加のプロセスまでを含めた総合的なドキュメントとして提示します。
重要事項の整理表と締めの言葉
以下の表は、本展の主要情報を整理したものです。会期、会場、入場料、主催・共催・協賛・協力団体などを網羅しています。最新のトークプログラム情報や申し込みはPeatixおよび関係者のSNSで確認してください。
項目 | 内容 |
---|---|
展覧会名 | 大阪・関西万博デザイン展(主催:読売新聞社) |
会期 | 2025年10月1日(水)~10月19日(日) ※最終日は15時まで |
開館時間 | 11:00~20:00(入場は閉館30分前まで) |
休館日 | 月曜日(10月6日、10月13日) |
会場 | 大阪府立江之子島文化芸術創造センター(enoco) Room4 〒550-0006 大阪市西区江之子島2丁目1番34号 |
交通 | Osaka Metro 中央線・千日前線「阿波座駅」下車、8番出口から徒歩3分 |
入場料 | 無料 |
主催 | 読売新聞社 |
共催 | 株式会社VISIONs、株式会社人間、株式会社ワントゥーテン |
協賛 | 株式会社乃村工藝社 |
協力 | 株式会社Beach、一般社団法人demoexpo、JKD Collective株式会社、株式会社parks、株式会社TakaraTec、株式会社THE PASSION、株式会社ZIZO、赤川純一、久保みのる、クレー株式会社 |
後援 | 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 |
関連情報 | トークプログラム申込/情報: https://expodesigntalk.peatix.com/ |
本展は、万博デザインがどのようにして公共的な表現となり、市民やクリエイターの参与によって文化として成熟していったかを、できる限り具体的な資料と証言で示すことを目標としています。展示を通じて示されるのは、デザインそのものの美しさだけでなく、その背景にある試行錯誤・対話・制度と文化の転換です。訪れることで、万博が残したデザインの遺産と、その生成に携わった人々の声を総体的に理解できる構成になっています。
参考リンク: