10月7日開始、大阪万博で見るタイガーの真空断熱TIVIP

TIVIP大阪万博展示

開催期間:10月7日〜10月13日

TIVIP大阪万博展示
展示はいつどこで見られるの?
展示は2025年10月7日〜10月13日、大阪・関西万博のフューチャーライフヴィレッジ(西ゲート側)フューチャーライフエクスペリエンスで、午前10時〜午後9時に公開されます。
TIVIPって何がすごいの?
TIVIPは内部を真空化しステンレス外装で不燃化した薄型の高断熱パネルで、長寿命・省スペース・省エネを実現し輸送や建築での利用が期待されます。

大阪万博で公開される「ステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP)」の展示概要

熱制御テクノロジーを手掛けるタイガー魔法瓶株式会社は、2025年10月7日(火)から10月13日(月)まで開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)の「フューチャーライフエクスペリエンス」内、フューチャーライフヴィレッジの「大阪発スゴ技カーボンニュートラル(カーボンニュートラル未来体験)」ブースにおいて、同社が開発・実証を進めるステンレス密封長寿命不燃真空断熱パネル技術の一部展示を行います。

展示期間は2025年10月7日(火)〜10月13日(月)、会期中の開場時間は午前10時〜午後9時です。会場は大阪・関西万博会場内の西ゲート側、フューチャーライフヴィレッジ内フューチャーライフエクスペリエンスです。展示内容はパネル本体の紹介に加え、ジオラマ・ミニチュア、動画、リーフレットなどを通して技術の特長と実証事例を伝える構成になっています。

タイガー魔法瓶、2025年日本国際博覧会『未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博』 「フューチャーライフエクスペリエンス」にて「ステンレス密封真空断熱パネル技術」を25年10月7日より展示 画像 2

展示の位置づけと来場者への導線

本展示は大阪府が支援する「カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の一環として行われます。ブース内では支援を受けた10社の技術が体験でき、カーボンニュートラル化が実現された未来社会を体感できる構成です。

展示ブースでは、来場者が楽しめる要素として巨大ガチャによる各社グッズの配布が行われるほか、お子さま連れでも学びやすいジオラマやミニチュア模型による説明が用意されています。展示は体験型を意識しており、技術の概要と実践的な適用例の双方が理解できるよう工夫されています。

タイガー魔法瓶、2025年日本国際博覧会『未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博』 「フューチャーライフエクスペリエンス」にて「ステンレス密封真空断熱パネル技術」を25年10月7日より展示 画像 3

TIVIPの技術的特長と機能 — 真空断熱を進化させる設計

今回展示される「ステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP[ティビップ])」は、内部を真空にすることで熱伝導を極めて低く抑えた高性能断熱材です。一般的な断熱材に比べて薄い厚みでも高い断熱効果を発揮する点が最大の特長です。

さらに、パネル外装にステンレスを採用することで、不燃性および高断熱性の長期間維持を両立しています。これにより従来の非ステンレス系真空断熱材では実現が難しかった安全性と耐久性が確保され、省エネやスペース効率を重視する分野での導入が想定されます。

タイガー魔法瓶、2025年日本国際博覧会『未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博』 「フューチャーライフエクスペリエンス」にて「ステンレス密封真空断熱パネル技術」を25年10月7日より展示 画像 4

主な特長の整理

高断熱性能
内部真空化により熱伝導を低減し、薄いパネルでも高い断熱効果を発揮します。
不燃性
ステンレス素材の採用により従来の真空断熱材と比較して不燃性を確保しています。
長寿命化
真空保持と構造設計により、長期にわたる断熱性能の維持が期待されます。
省スペース・省エネ
薄型化によるスペース効率の向上と、従来比での電力使用量低減が見込めます。
タイガー魔法瓶、2025年日本国際博覧会『未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博』 「フューチャーライフエクスペリエンス」にて「ステンレス密封真空断熱パネル技術」を25年10月7日より展示 画像 5

万博での実証運用と協業ネットワーク

万博会期中、TIVIPを活用した保冷ボックスを実際の輸送・保管に利用することで、技術の実運用を通じた評価が行われます。以下の三種類の運用が実証として実施・運用中です。

  1. 真空断熱リーファーコンテナ(屋外設置・保管用)

    ステンレス密封真空断熱パネルを追加実装する有無での消費電力比較(省エネ見える化)および二酸化炭素排出量の比較を実施します。

  2. 真空断熱スリーブボックス(会場内/会場外 輸送用)

    万博会場内の各パビリオンや飲食店等への保冷貨物輸送に使用されています。なお、スリーブボックスとロールボックスは2025年5月27日より実証実験にて活用中ですが、一般展示は行われません。

  3. 真空断熱ロールボックス(会場内/会場外 輸送用)

    同様に会場内・会場外での輸送に活用され、従来の冷凍・冷蔵・定温輸送に比べて蓄冷材や蓄熱材の使用を不要にし、電力使用量の大幅な削減を目指しています。

タイガー魔法瓶、2025年日本国際博覧会『未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博』 「フューチャーライフエクスペリエンス」にて「ステンレス密封真空断熱パネル技術」を25年10月7日より展示 画像 6

協業パートナーと実装方法

実用化にあたっては複数の企業と協業しています。岐阜プラスチック工業が提供する軽量・高強度の樹脂製ハニカムパネル「テクセル」でTIVIPをサンドイッチすることで、保護・軽量化・高強度化を同時に実現した断熱ユニットパネルを構成しています。

この断熱ユニットパネルは日本通運の輸送梱包ツール「プロテクトBOXサーマル」等に採用され、高性能な保冷輸送が可能となりました。従来は蓄冷材や蓄熱材が必要であった輸送において、これらの資材を不要とすることで電力使用量の大幅削減を達成しています。

タイガー魔法瓶、2025年日本国際博覧会『未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博』 「フューチャーライフエクスペリエンス」にて「ステンレス密封真空断熱パネル技術」を25年10月7日より展示 画像 7

適用分野と企業の背景 — 技術の社会実装を見据えた展開

ステンレス密封真空断熱パネルは、その卓越した断熱性能と不燃性、長期安定性により、輸送分野や建築・建材分野など幅広い産業での活用が見込まれます。特に温度管理やエネルギー効率が重要な分野での応用余地が大きい点が特長です。

タイガー魔法瓶は1923年の創業以来、100年以上にわたり「温度」に関する技術を追求してきました。現在は「世界中に幸せな団らんを広める。」というビジョンのもと、真空断熱技術と熱コントロール技術をコアに、民生用製品のみならず宇宙ミッション、医療輸送、高断熱住宅用次世代建材、ハイブリッド車の冷却水蓄熱システムなど、シビアな温度管理が要求される先端分野にも技術を応用しています。

タイガー魔法瓶、2025年日本国際博覧会『未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博』 「フューチャーライフエクスペリエンス」にて「ステンレス密封真空断熱パネル技術」を25年10月7日より展示 画像 8

技術紹介の補助資料と参照

展示に併せ、動画やリーフレットでTIVIPの仕組みや実証結果が紹介されます。プレスリリースで紹介されている関連リンクは以下の通りです。

展示内容の要点と実証データの整理

以下の表に、本記事で触れた展示・実証の主要情報を整理します。展示期間や会場、展示物の名称、実証運用の詳細、協業パートナー、支援事業名、参照リンク等を網羅的にまとめています。

項目 内容
展示期間 2025年10月7日(火)〜10月13日(月) 午前10時〜午後9時
会場 大阪・関西万博会場内(西ゲート側)フューチャーライフヴィレッジ内 フューチャーライフエクスペリエンス
展示テーマ 大阪発スゴ技カーボンニュートラル(カーボンニュートラル未来体験)
ブース内展示事業名 ステンレス密封長寿命不燃真空断熱パネル技術開発(TIVIP)
展示内容 ステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP) / ジオラマ・ミニチュア / 動画 / リーフレット
実証運用(管理・輸送事例) ①真空断熱リーファーコンテナ(屋外設置・保管用)消費電力比較、CO2排出量比較
②真空断熱スリーブボックス(会場内/会場外輸送用)※5月27日より実証実験で活用中、一般展示なし
③真空断熱ロールボックス(会場内/会場外輸送用)※5月27日より実証実験で活用中、一般展示なし
協業パートナー 岐阜プラスチック工業(樹脂製ハニカムパネル「テクセル」)/日本通運(輸送梱包ツール「プロテクトBOXサーマル」等)
支援 大阪府「カーボンニュートラル技術開発・実証事業」
参照リンク https://carbonneutral.pref.osaka.lg.jp/
https://youtu.be/U-65yP4W-Ds
企業情報 タイガー魔法瓶株式会社(社長: 菊池嘉聡、本社: 大阪府門真市)。創業1923年。コア技術: 真空断熱技術、熱コントロール技術。

本稿では、タイガー魔法瓶が大阪府の支援を受けて開発、実証を進めるステンレス密封真空断熱パネル(TIVIP)に関する展示概要、技術特性、万博での実証運用、協業体制、そして適用が期待される分野を整理しました。展示ではパネルそのものの紹介に加え、実際の輸送・保管に用いた実証結果の見える化(消費電力比較、CO2排出量比較)などが示される予定です。参照先として大阪府のカーボンニュートラル事業の公式サイトおよび技術紹介動画も合わせて参照できます。

参考リンク: