サウジアラビア館がWorld Expolympicsで金賞2冠
ベストカレンダー編集部
2025年9月30日 20:36
サウジ館が2部門で金賞受賞
開催日:9月23日

サウジアラビア王国館がWorld Expolympicsで二つの金賞と銀賞を獲得
2025年大阪・関西万博に出展中のサウジアラビア王国館が、国際的な体験デザインの評価機関であるWorld Expolympics(ワールド・エキスポオリンピック)の表彰プログラムにおいて、「大規模館部門」と「外観建築部門」で金賞を受賞しました。併せて、夜のショー「水の物語」は「プレゼンテーション部門」で銀賞を受賞し、World Expolympicsでは合計3つのトロフィーを獲得しています。
本件は2025年9月30日17時46分に発表されており、World Expolympicsを運営するThe Experiential Design Authority(TEDA)が2025年9月23日に受賞者を公表したことを受けたものです。本賞は「体験デザインのオリンピック」とも称され、建築、没入型文化ストーリーテリング、来場者との関わり、万国博の精神への貢献度などを総合的に評価して選考します。

審査体制と受賞の意義
World Expolympicsの審査は、32名の著名な建築家、体験デザイナー、イベント業界の専門家らで構成される国際審査員団により行われます。評価基準はデザインの革新性、来場者のエンゲージメント、ストーリーテリングの影響力、そして万国博全体への貢献度です。
今回の受賞は単なるデザインの評価に留まらず、サウジアラビアが掲げる国家戦略「ビジョン2030」を紹介し、文化的・歴史的な物語を国際舞台で提示する試みが高く評価されたことを示しています。
設計と建築的特徴—フォスター・アンド・パートナーズのアプローチ
サウジアラビア王国館は英建築事務所フォスター・アンド・パートナーズの設計によるもので、来場者が直接「Meet Saudi」を体験できるよう、王国の遺産と変革、国際的な影響力を学ぶ構成になっています。伝統的なサウジ都市建築に着想を得た設計は、来場者に歴史的な町や都市を散策する感覚を生み出します。
設計面では、軽量の石材パネル「リヤド石」の採用や、容易に解体・再利用可能な構造フレームワークの導入など、持続可能性に配慮した仕様が特徴です。館全体は低炭素素材と再生可能エネルギーを取り入れることで環境負荷の低減を図っています。
主な建築的特徴
- 外観素材:リヤド石と呼ばれる軽量石材パネルを用いたファサード。伝統的な表現と現代技術を両立。
- 解体・再利用:ファサードパネルは容易に解体可能で、再利用前提の構造設計がなされている。
- 低炭素化:低炭素素材の採用と再生可能エネルギーの活用により、パビリオン全体の環境負荷を抑制。
- 体験動線:来場者に都市の路地を巡る感覚を与える動線設計で、発見と学習を促進。
これらの建築的な工夫が評価され、World Expolympicsでは「最優秀外観建築賞」を含む金賞を受賞しました。
展示とプログラムの構成—没入型の物語と多彩な公演
サウジアラビア王国館では、没入型展示空間やライブパフォーマンスを通じて国のストーリーを提示しています。展示は「進化する都市」「持続可能な海」「無限の人間の可能性」「イノベーションの頂点」という4つのテーマ別空間で構成され、来場者は各空間でサウジアラビアが世界にもたらす影響や取り組みを体感できます。
また、文化スタジオでは音楽・芸術パフォーマンスが実施され、ARアプリを活用した体験などデジタルとライブを組み合わせたプログラムが展開されています。
主要プログラム一覧
- Ahlan Wa Sahlan:歓迎を表す文化的プログラム。
- We Are Saudi Arabia:国家のアイデンティティを紹介する展示・映像プログラム。
- TheBotanist(ARアプリ):拡張現実を用いたインタラクティブ体験。
- 文化スタジオでの音楽・芸術パフォーマンス:現地アーティストによるライブ演奏や展示イベント。
- 夜のショー「水の物語」:ライブパフォーマンスと没入型プロジェクションマッピングを融合し、日本の海女とサウジアラビアの真珠ダイバーの類似性を描出。World Expolympicsの「プレゼンテーション部門」で銀賞を獲得。
これらのプログラムは、来場者にサウジアラビアの文化・歴史・現在の変革を多面的に理解させることを目的としています。
会場情報と受賞に関する発表・コメント
サウジアラビア王国館は、2025年10月13日まで毎日9:00~21:00に開館しており、会場は万博の西ゲート内コネクティングゾーン(C14-01)に位置しています。現地での体験は当該期間内に実施されています。
World Expolympicsに先立ち、同館は2025年ニューヨーク建築デザイン賞において「文化建築部門-インタラクティブ&体験型空間」で金賞を受賞しており、国際的な評価を受け続けています。
関係者のコメント
サウジアラビア王国駐日大使兼サウジアラビア王国館政府代表のガージィ・ファイサル・ビンザグル博士は、受賞について次のように述べています。
「万博において、世界的に権威あるこれらの賞を受賞できたことを深く光栄に存じます。これは決して集大成ではなく、この栄誉が私たちの決意と責任感を新たにし、文化・デザイン・持続可能性を通じてサウジアラビアの物語を世界に伝え、国際的なパートナーシップを強化し、世代を超えて人々をつなぎ、高め、永続する体験を創り出すという、私たちの探求をさらに推し進める原動力です。」
このコメントは、受賞が単に名誉にとどまらず、今後の活動方針や国際協力に影響を与える意義を持つことを示しています。
要点の整理と関連情報
以下に、本件で明らかになった主要な情報を表で整理します。受賞内容、会期・時間、会場、設計者、展示テーマ、主要プログラム、そして公式SNS・ウェブサイトを網羅しています。
項目 | 詳細 |
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プレス発表日時 | 2025年9月30日 17:46 |
受賞(World Expolympics) | 金賞:大規模館部門、金賞:外観建築部門、銀賞:プレゼンテーション部門(「水の物語」) |
その他受賞 | 2025年ニューヨーク建築デザイン賞(文化建築部門-インタラクティブ&体験型空間) 金賞 |
審査機関 | The Experiential Design Authority(TEDA)、32名の国際審査員による選考 |
会期・開館時間 | ~2025年10月13日、毎日9:00~21:00 |
会場 | 2025大阪・関西万博 西ゲート内コネクティングゾーン(C14-01) |
設計 | フォスター・アンド・パートナーズ |
建築・持続可能性の特徴 | リヤド石の軽量パネル、再利用可能な構造フレームワーク、低炭素素材、再生可能エネルギー採用 |
展示テーマ | 進化する都市/持続可能な海/無限の人間の可能性/イノベーションの頂点 |
主要プログラム | Ahlan Wa Sahlan、We Are Saudi Arabia、TheBotanist(ARアプリ)、文化スタジオ公演、夜のショー「水の物語」 |
公式SNS・サイト |
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上表は本記事で取り上げた事実を整理したもので、受賞の内訳、会場情報、設計・展示の特徴、主要プログラム、及び公式情報へのアクセス手段を一目で確認できるようにまとめています。
この記事では、World Expolympicsでの受賞事実、建築と体験デザインの特徴、展示やプログラムの構成、会期・会場情報、関係者のコメントおよび関連する国際的な評価について網羅的に伝えました。