生成AIと協働する「プロティアン2.0時代」が到来

プロティアン2.0到来

開催日:10月1日

プロティアン2.0到来
生成AIって自分のキャリアにどう役立つの?
調査では87.1%が生成AIを成長機会と捉え、日常作業の負担軽減で新スキル習得や創造的業務への注力が可能と期待。AIは学びや内省を促す補助ツールとして活用されます。
キャリア相談は上司よりAIや社外専門家の方がいいの?
結果は社外専門家を理想とする声が64.2%で、現状相談率は18.0%とギャップ大。AIは対話的に内省を促す補助役になり、客観的な外部支援と組み合わせるのが効果的と示唆されます。

プロティアン2.0時代の到来――調査が示したAIと個人の協働によるキャリア開発の現状

一般社団法人プロティアン・キャリア協会は、2025年8月30日開催の「プロティアン・フォーラム2025~働き方と生き方の未来生成~」に向けて実施した「AI×参加者キャリア意識調査」の最終集計報告書を公開しました。プレスリリースは2025年10月1日07時00分に公開されています。

調査結果は、個人のキャリア自律意識が高く、生成AIを成長や学びの機会と捉える傾向が広く見られることを示しています。当協会はこの変化を受け、AIと人間の協働を前提とした新たなキャリア開発の段階を「プロティアン2.0時代」と定義しています。

「AI×キャリア意識調査」最終結果発表。キャリア相談の相手は上司よりAI?“キャリア新時代”が到来 画像 2

要点の概要

本調査のサマリは以下の通りです。回答者の大多数がキャリアに関して主体性を持ち、生成AIを肯定的に捉えている点が特徴です。中でもミドル・シニア層の割合が高く、キャリア転換期にある層の関心が顕著でした。

  • キャリア自律意識:83.0%が主体的にキャリアを考えていると回答。
  • 生成AIを成長の機会と捉える割合:87.1%が前向き。
  • 回答者属性:74.4%がミドル・シニア層。

これらの数値をもとに、当協会は今後の支援モデルとしてAIと専門家の協働や、対話・内省を促す支援の重要性を提唱しています。

「AI×キャリア意識調査」最終結果発表。キャリア相談の相手は上司よりAI?“キャリア新時代”が到来 画像 3

調査の方法と回答者属性:実施概要とデータの信頼性

調査は「プロティアン・フォーラム2025」への応募フォーム(Webアンケート)を利用して行われました。調査期間は2025年7月7日から8月30日までで、イベント申込者を対象としたものです。

有効回答数は575件(申込者595名中、回答率96.6%)であり、フォーラム申込者のほぼ全員に近い高い回答率により、当該イベント参加層の意識を反映したデータとなっています。

調査方法
フォーラム申込時のWebアンケート
調査対象
プロティアン・フォーラム2025申込者
有効回答数
575件(回答率96.6%)
調査期間
2025年7月7日〜2025年8月30日
調査実施
一般社団法人プロティアン・キャリア協会

上記の実施方法と高い回答率を踏まえると、本調査はフォーラム参加層におけるキャリア意識と生成AIに対する態度を示す代表的なデータと見なせます。対象がイベント申込者に限られる点は留意すべきですが、ミドル・シニア層の比率が高いことも明確な特徴です。

4つの重要トレンドの詳細分析:生成AIと支援のかたち

最終集計から導かれた主要なトレンドは4点に整理されています。各トレンドは回答割合や自由記述の傾向を根拠にまとめられており、支援設計に直接結びつく示唆を含んでいます。

以下では各トレンドの数値とその意味を具体的に示します。

① 生成AI×専門家協働モデル

生成AIと人間の専門性が協働する支援モデルへの期待が高まっています。調査では87.1%が生成AIに対してポジティブな態度を示しました。

具体的な期待項目としては、「新たなスキル習得の機会」が54.1%、「創造的な仕事への集中」が32.9%と回答されています。これらはAIにより日常的な作業や情報収集の負担が軽減され、専門性の高い業務や創造的活動へ人が注力できる可能性を示唆します。

  • 生成AI肯定派:87.1%
  • 期待される効果:新スキル習得(54.1%)、創造的業務への集中(32.9%)

② 組織を超えた支援ネットワークの必要性

調査では、理想的な相談相手として「利害関係のない社外専門家(キャリアコーチ等)」を希望する回答者が64.2%に達しました。一方で、現状で社外専門家に相談できている人は18.0%にとどまり、ギャップは46.2ポイントでした。

この差は、客観的で利害関係のない外部支援に対する高いニーズが現状の支援体制では満たされていないことを示しています。組織内の利害や評価関係を越えた支援環境の整備が求められています。

  1. 理想の相談相手:社外専門家(64.2%)
  2. 現状の相談率:18.0%
  3. ギャップ:46.2ポイント

③ 対話・問いかけ型支援への転換

生成AIへの期待は、単なる情報提供に留まらず、内省を促す対話型の支援に向かっています。具体的には「自身の考えを整理する問いかけ」が39.8%、「気軽な壁打ち」が30.3%で、合計で70.1%が対話的な機能を重視しました。

この傾向は、AIツールに対して単に情報を得るだけでなく、思考を深めるための“相互作用”を期待していることを示しています。生成AIは対話を通じて内省を促すツールとして活用される可能性が高いと解釈できます。

④ 実践志向の支援と自己決定権の尊重

キャリア対話で最も重要視された要素は「実践的な助言」29.9%でした。数値は最高値であり、多くの回答者が行動につながる具体的助言を求めていることを示します。

また、自由記述では「自らのキャリアを決めるのは自分」という自己決定・自律性の強調が繰り返されています。支援側は助言やツールの提供を行う一方で、最終的な決定は個人の主体性に委ねる姿勢が重要です。

協会・提供会社の情報と調査資料ダウンロード

本調査は一般社団法人プロティアン・キャリア協会が実施・公表したものです。協会は組織と個人のより良い関係構築と個人の主体的なキャリア開発を支援する団体として、多様なサービスと認定制度を運営しています。

当協会の代表理事は田中 研之輔(法政大学キャリアデザイン学部 教授)有山 徹(4designs株式会社 代表取締役CEO)です。協会の設立は2020年3月で、所在地は東京都新宿区西新宿3-2-9 新宿ワシントンホテルビル本館2Fです。

認定サービス提供会社:4designs株式会社(フォーデザインズ)

当協会認定サービス提供会社として紹介されているのは4designs株式会社です。会社情報は以下の通りです。

名称
4designs(フォーデザインズ)株式会社
所在地
東京都中央区日本橋茅場町2-12-10 PMO EX日本橋茅場町 H1O日本橋茅場町 311
設立年月
2019年7月
代表取締役社長CEO
有山 徹
事業概要
経営コンサルティング、人的資本最大化に向けた組織開発支援、キャリア開発支援等
サービス
プロティアン・キャリアドック(導入実績:パナソニック インダストリー、住友商事、森永製菓、ポーラ、電通デジタル、出光興産、インテージ、エクサ 他200社以上)
WEBサイト
https://4designs.co.jp/

調査資料はPDF等で公開されており、詳細データは下記URLからダウンロードできます。

https://protean-career.or.jp/archives/seminor-information/ai_20250911

まとめと要点整理(表での総括)

本稿では、プロティアン・キャリア協会が実施した「AI×参加者キャリア意識調査」の主要なデータと示唆を整理しました。以下の表に本調査で示された重要項目をまとめています。

項目 内容
プレスリリース公開日時 2025年10月1日 07:00
調査実施主体 一般社団法人プロティアン・キャリア協会
調査期間 2025年7月7日〜2025年8月30日
調査方法 フォーラム申込時のWebアンケート
調査対象 プロティアン・フォーラム2025申込者(イベント応募フォーム回答者)
有効回答数・回答率 575件(申込者595名中、回答率96.6%)
主要結果(キャリア自律) 83.0%が主体的にキャリアを考えている
主要結果(生成AI肯定) 87.1%が生成AIを成長の機会と捉える
回答者属性 74.4%がミドル・シニア層
生成AI期待の内容 新たなスキル習得(54.1%)、創造的な仕事への集中(32.9%)
支援に関するニーズ 社外専門家を理想の相談相手とする声64.2%、現状18.0%(ギャップ46.2pt)
対話的支援重視の割合 自身の考えを整理する問いかけ39.8%、気軽な壁打ち30.3%、合計70.1%
キャリア対話で最重要視された要素 実践的な助言29.9%/自由記述では自己決定・自律性の強調
定義 プロティアン2.0時代:AIと人間の専門性が協働する新たなキャリア開発の段階
調査資料ダウンロード https://protean-career.or.jp/archives/seminor-information/ai_20250911
認定サービス提供会社 4designs株式会社(所在地・設立:2019年7月、代表:有山 徹、サービス:プロティアン・キャリアドック 等)
協会情報 一般社団法人プロティアン・キャリア協会(設立2020年3月、所在地:東京都新宿区、代表理事:田中研之輔/有山徹)

表は本調査の主要点を一目で確認できるように整理したものであり、個々の数値や構成要素は報告書の最終集計に基づき記載しています。詳細データや報告書のダウンロードは上記のURLを参照してください。

本稿はプレスリリースの内容を整理・要約したものであり、調査の数値や定義、提供会社・協会の情報は原資料の記載に基づいて記述しています。

参考リンク: