電力各社は品質で高評価 感情結びつきが課題
ベストカレンダー編集部
2025年10月1日 14:16
電力ブランド評価調査
開催期間:8月7日〜8月13日

調査の目的と実施概要:何を、誰に、どのように測ったのか
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は、2025年6月に公開した「NPSベンチマーク調査 電力部門」に続き、電力会社全体のブランド評価をより深く理解するため、ブランド構築モデルの一つであるブランドレゾナンスピラミッドの視点で追加調査を実施しました。本プレスリリースは2025年10月1日 11時00分に発表されています。
本調査の目的は、ブランドレゾナンスピラミッドを構成する各ブロックごとの評価を明らかにすることで、各社のブランドの強み・弱みを把握し、ブランド価値向上に向けた施策の示唆を得ることにあります。調査対象は一般電気事業者9社および新電力9社、合計18社の契約者です。

調査対象・方法・期間の詳細
調査はNTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート方式で行われ、調査期間は2025年8月7日(木)~2025年8月13日(水)です。有効回答者数は1,992名でした。対象は国内在住の18~74歳のうち、調査対象電力会社の契約者です。
回答者の属性は以下のとおりです。性別は男性57.4%、女性41.8%、不明0.8%で、年代は20代以下7.4%、30代24.3%、40代20.5%、50代18.0%、60代以上29.8%でした。調査対象企業は、一般電気事業者と新電力の合計18社です。
- 一般電気事業者(アルファベット順、50音順)
-
- 関西電力
- 九州電力
- 四国電力
- 中国電力
- 中部電力ミライズ
- 東京電力エナジーパートナー
- 東北電力
- 北陸電力
- 北海道電力
- 新電力(アルファベット順、50音順)
-
- auでんき
- ENEOSでんき
- J:COMでんき
- Looopでんき
- 大阪ガス
- ソフトバンクでんき
- 東京ガス
- 東邦ガス
- 楽天でんき
調査ではブランドレゾナンスピラミッドを構成する各ブロックに相当する設問群を用い、各ブロックのスコアを算出しています。なお、セイリエンス(認知)評価はブランド認知率により算出されるため、図示に含めない表記をしている点があるという注記が付されています。

調査実施主体と関連サービス
本リリースの発表元であるNTTコム オンラインは、企業のデジタライゼーションを支援するソリューション・パートナーとして、データ活用やテクノロジー提供を通じた支援を行っています。CX/デジタルマーケティング分野では、NPS®顧客ロイヤルティマネジメントやeNPS調査などを提供しています。
同社の所在地・代表者などの基本情報は次のとおりです。名称:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社。所在地:〒141-0032 東京都品川区大崎1丁目5番1号 大崎センタービル。代表者:代表取締役社長 稲葉 秀司。公式URL:https://www.nttcoms.com/

ブランド評価の主要所見:全体傾向と各ブロックの差異
本調査の中心的な所見は、電力会社全体におけるブランド評価の中で「パフォーマンス評価」が高い一方で、感情面を示す「フィーリング評価」が低めである点です。ブランドレゾナンスピラミッドの考え方に基づき、理性的なルート(性能・品質・信頼性等)と感情的なルート(好意・共感等)という両面から評価が整理されています。
ブランドレゾナンスピラミッドはKellerによるフレームワークで、ブランド価値を段階的に構築するモデルとして用いられます。本調査ではこのピラミッドを6つのブロック(セイリエンス、パフォーマンス、フィーリング、ジャッジメント、イメージ、レゾナンス等)に分け、それぞれのブロックのスコアを比較しました。

ブランドレゾナンスピラミッドとは
ブランドレゾナンスピラミッドは、ブランド価値の形成過程をピラミッド状に整理するモデルです。ピラミッドの下位から上位へと、認知(セイリエンス)、性能(パフォーマンス)、感情的結びつき(フィーリング)、評価(ジャッジメント)、イメージ、最上位のレゾナンス(忠誠・共感・推奨)へと至ります。
本調査では、各ブロックごとの評価を平均値あるいは偏差値で算出し、企業ごとの位置づけを明らかにすることで、どの段階の改善がブランド強化に直結するかを分析しています。各図表には注記として、セイリエンス評価が認知率に基づくため図表に含めない場合があることが示されています。
ブロック別の評価結果と示唆
図示された平均スコアに基づくと、電力会社全体ではパフォーマンス評価が高い点が目立ちます。これは品質や信頼性、商品性に関する評価が比較的高く、理性的な側面で好評価を得ていることを意味します。一方で、感情的な結びつきを測るフィーリング評価は他ブロックに比べて低く、この点がロイヤルティ向上の課題となります。
調査ではブロック別のスコアにより、各社の強み・弱みを明確化しています。以下は調査レポートで示された主な企業別のポイントです。
- 東邦ガス:レゾナンス評価が最も高く、業界平均より高い5指標を有しています。特に信頼性や商品性などのパフォーマンス評価が非常に高い一方で、セイリエンス(認知)評価は業界平均を下回っています。サービス品質や信頼感でブランドを構築しているが、認知度向上の余地があると分析されます。
- レゾナンス評価中位のA社:セイリエンスは業界平均を下回るものの、ほぼ全体で業界平均に近いスコアを維持しています。理性的ルートと感情的ルートの両面から施策を打つことで、レゾナンスを高められる可能性が示唆されます。
- レゾナンス評価下位のB社:セイリエンスは高く認知度は確保しているにも関わらず、契約者評価は全般的に低い傾向にあります。特にジャッジメント評価やイメージ評価が業界平均を大きく下回っており、品質・信頼性といった評価向上に向けた取り組みが重要であるとされています。
このように、ピラミッドを構成する各ブロックを比較することで、認知はあるが評価が低い、品質は良いが認知が足りない、といった具体的な課題が可視化されます。企業はこの可視化を基に、理性的施策(品質向上、サービス安定化等)と感情的施策(ブランドコミュニケーション、共感醸成等)を組み合わせて対応することが求められます。
レポートの入手方法とデータ活用のポイント
本調査の詳細な分析結果は、レポート全文を無料でダウンロードすることができます。加えて、より詳しい分析や追加のデータを含む有償版レポートも用意されており、問い合わせにより提供されます。プレスリリース本文では「無料レポート ダウンロード」として案内が出されています。
無料版には、各ブロックの評価算出方法や、算出に用いた質問項目の詳細も含まれていると明記されています。データに基づく施策立案を行う際は、算出方法と質問項目の構成を確認したうえで、自社のターゲット接点に合致した解釈を行うことが重要です。
無料レポートと有償版の違い
プレスリリースでは、まず無料レポートで全体像と主要所見を確認できる旨が示されています。無料レポートには調査結果の要点、各ブロックの平均スコア、算出方法の説明、図表が含まれることが示唆されています。
一方、有償版レポートはより詳細な企業別分析や深掘りデータ、追加の比較分析などが含まれる可能性があります。問い合わせにより提供されるとしており、詳細を必要とする場合は有償版の検討が案内されています。
関連リンクと問い合わせ先
本調査・サービスに関する案内は以下のページで公開されています。NPS関連サービスの案内ページ:https://www.nttcoms.com/service/nps/
発表元の企業情報については前節で示した住所・代表者・公式URLを参照してください。調査期間、対象、回答数などの基本情報は本稿で記載したとおりです。
調査結果の要点まとめ(表形式)
以下の表に、本プレスリリースで示された主要な数値・期間・対象・所見を整理します。本表は記事内で述べた内容を簡潔に確認できるようにしたものです。
項目 | 内容 |
---|---|
プレスリリース発表日時 | 2025年10月1日 11時00分 |
調査実施者 | NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(NTTコム リサーチ実施) |
調査期間 | 2025/8/7(木)~2025/8/13(水) |
有効回答者数 | 1,992名 |
回答者属性(性別) | 男性:57.4%、女性:41.8%、不明:0.8% |
回答者属性(年代) | 20代以下:7.4%、30代:24.3%、40代:20.5%、50代:18.0%、60代以上:29.8% |
分析対象企業(合計) | 一般電気事業者9社、新電力9社(計18社) |
主な所見(全体) | パフォーマンス評価(品質・信頼性等)が高い一方、フィーリング評価(感情的結びつき)が低め |
最もレゾナンス評価が高い企業 | 東邦ガス(パフォーマンスが非常に高いが、セイリエンスは業界平均を下回る) |
中位企業の特徴 | A社はセイリエンスが平均より低いが、全体的に業界平均レベルの評価 |
下位企業の特徴 | B社は認知度は高いがジャッジメントやイメージ評価が低く、評価向上策が必要 |
レポートの入手 | 無料レポートはダウンロード可。有償版レポートも用意(要問い合わせ) |
参照リンク | https://www.nttcoms.com/service/nps/、公式:https://www.nttcoms.com/ |
上表は本稿で言及した調査日程、対象、回答者属性、主な分析結果、レポートの入手方法などを整理したものです。ブランドレゾナンスピラミッドの各ブロックごとの評価を把握することで、企業は自社の位置づけを明確にし、理性的ルートと感情的ルートの両面から施策を検討することが可能です。
調査の原文や詳細な図表、算出方法および各質問項目については、無料ダウンロード提供のレポートをご参照ください。有償版の詳細や追加データが必要な場合は、同社宛てにお問い合わせください。
参考リンク: