「色窓」A’ Design賞受賞、万博で示した共生デザイン

ネイチャーポジ展示

開催期間:9月19日〜9月23日

ネイチャーポジ展示
色窓ってどんなプロダクトなの?
「色窓」は就労継続支援B型事業所の人々と協働で作られたプロダクトで、新しい民藝を目指す手仕事重視のデザイン。共生やアクセシビリティ性を備え、国際デザイン賞で評価されました。
展示はいつどこで見られたの?
環境省主催の展示「2030年ネイチャーポジティブの実現に向けて」が大阪・関西万博会場ギャラリーWESTで、2025年9月19日から9月23日に開催されました。

国際デザイン賞受賞とプロダクト「色窓」が示すデザインの方向性

合同会社キョウイクデザイン(代表:平野雄介)は、2025年10月1日11時00分に発表されたプレスリリースにおいて、プロダクト「色窓」がイタリアの国際デザイン賞A’ Design Award & Competition 2025で、Iron A’ Design Award(アクセシビリティ・支援技術・インクルーシブデザイン部門)を受賞したことを公表しました。

受賞は世界中から集まった作品群の中で、社会的意義と審美性が高く評価された結果とされています。報道内容は受賞そのものの事実と、受賞に込められた背景にある設計思想、制作体制について詳しく伝えています。

「A’ Design Award2025」を受賞したデザイン思考で挑んだ大阪・関西万博の展示 画像 2

「色窓」としての位置づけと制作の背景

「色窓」は、就労継続支援B型事業所で働く人々と共同で制作されたプロダクトです。キョウイクデザインは彼らを「職人(工人)」と位置づけ、デザイン思考によって手仕事を最大化するプロセスを進めてきました。

このプロダクトは、新しい民藝の試みとして紹介されており、民藝運動が追い求めた「生活の中にある美」を現代の共生社会に接続しようとする意図が明示されています。プレスリリースは、受賞を契機に個々の多様性を見極め、協働によって社会を拡張していく姿勢を示しています。

  • プロダクト名:色窓
  • 制作主体:就労継続支援B型事業所の協働制作
  • デザイン思想:手仕事の最大化と共生を軸にした民藝的アプローチ
  • 受賞:A’ Design Award 2025 Iron A’ Design Award(アクセシビリティ・支援技術・インクルーシブデザイン部門)
「A’ Design Award2025」を受賞したデザイン思考で挑んだ大阪・関西万博の展示 画像 3

大阪・関西万博での展示 ── 素材と人を問い直す実践

平行して同社は、環境省主催の展示「2030年ネイチャーポジティブの実現に向けて」内の展示をクリエイティブディレクションしました。会期は2025年9月19日(金)から9月23日(金)、会場は大阪・関西万博会場ギャラリーWESTです。

展示は、建築やデザインの価値観を見直し、素材や人との関わり方を問い直すことを目的とした実践として構成されました。具体的には古材の活用、鋼材の最小化、大学との協働によるかじがらモニュメント制作、就労支援B型事業所との協働制作など、産・学・福が連携した実践が組み込まれています。

「A’ Design Award2025」を受賞したデザイン思考で挑んだ大阪・関西万博の展示 画像 4

五感で感じる空間設計とインクルーシブ性

展示は「五感で感じる空間」を目指しており、空間内では自然音が流れ、手で触れられる什器は地域や福祉のつながりから生まれたものが用いられました。光や素材の質感を通じて、人と自然、地域資源と暮らし、そして多様な命のかたちが静かに結び直される体験を来場者に提供することが狙いです。

特別な言葉や仕掛けに頼らず、直感的に「共生」と「循環」を受け取れる設計が重視されました。展示に使われた素材や什器の多くはイベント終了後も再活用され、場を越えて命をつなぐことが想定されています。

展示タイトル
2030年ネイチャーポジティブの実現に向けて(環境省主催)
会期
2025年9月19日(金)〜9月23日(金)
会場
大阪・関西万博会場ギャラリーWEST
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協働体制と具体的な制作チーム構成

プロデュースは河野竜二(合同会社LIFE DESIGN VILLAGE)、クリエイティブディレクションは平野雄介(合同会社キョウイクデザイン)が担いました。制作には建築事務所、デザイン事務所、大学、社会福祉法人、ものづくりの企業、作曲家など多様な分野が参加しています。

プレスリリースでは、領域の垣根を越えて専門性を持つメンバーが日常的に協働する姿勢を強調し、それぞれの役割や手仕事に敬意を払うことで価値を最大化するプロセスが述べられています。そこから生まれる空間やプロダクトは課題解決に留まらず、未来のソーシャルデザインに繋がると位置づけられています。

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参加メンバー(順不同)

  • 株式会社利光収建築設計
  • 株式会社三角舎
  • 一般社団法人カミスク
  • 日本大学芸術学部デザイン学科(指導教員:若原一貴、石田純之介、谷口聡子)
  • 社会福祉法人九十九会ときわぎ工舎
  • 株式会社五十嵐溶接
  • 竹本仁(作曲家)

参加組織と個人は、素材循環や社会的包摂というテーマに沿って具体的な制作と設計を分担しました。大学との共同制作では、和紙原料の副産物である「かじがら」を用いたモニュメント制作などの事例が示されています。

注記:かじがらとは、和紙の原材料である楮の皮を剥いた残りの芯棒のことです。

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会社概要と問い合わせ先

プレスリリースに記載された合同会社キョウイクデザインの基本情報は以下の通りです。所在地や事業内容、連絡先まで明記されています。

会社名
合同会社キョウイクデザイン
代表者
平野 雄介
所在地
東京都渋谷区代々木4-31-4-704
事業内容
建築設計、空間デザイン、プロダクトデザイン、教育プログラム開発ほか
Webサイト
https://www.kyouikudesign.com
お問い合わせ
info@kyouikudesign.com

展示・受賞の要点整理とデータの一覧

以下は本件プレスリリースで伝えられた主要な事実を整理した表です。展示の趣旨、受賞内容、会期、会場、関係者、会社情報などを網羅しています。

項目 内容
リリース発表日時 2025年10月1日 11時00分
受賞 A’ Design Award & Competition 2025 — Iron A’ Design Award(アクセシビリティ・支援技術・インクルーシブデザイン部門)
受賞プロダクト 色窓(就労継続支援B型事業所と協働制作、新しい民藝の試み)
展示名 2030年ネイチャーポジティブの実現に向けて(環境省主催)
展示会期 2025年9月19日(金)〜9月23日(金)
展示会場 大阪・関西万博会場ギャラリーWEST
プロデュース 河野竜二(合同会社LIFE DESIGN VILLAGE)
クリエイティブディレクション 平野雄介(合同会社キョウイクデザイン)
主なクリエイティブチーム 株式会社利光収建築設計、株式会社三角舎、一般社団法人カミスク、日本大学芸術学部デザイン学科(指導教員:若原一貴、石田純之介、谷口聡子)、社会福祉法人九十九会ときわぎ工舎、株式会社五十嵐溶接、竹本仁(作曲家)ほか
展示の主な要素 古材活用、鋼材最小化、かじがらモニュメント制作、就労支援B型事業所との協働制作、五感で感じる空間設計、素材の再活用
会社情報 合同会社キョウイクデザイン/代表:平野雄介/所在地:東京都渋谷区代々木4-31-4-704/事業内容:建築設計・空間デザイン・プロダクトデザイン・教育プログラム開発
ウェブ・問い合わせ https://www.kyouikudesign.com / info@kyouikudesign.com

本稿は、合同会社キョウイクデザインが発表したプレスリリースの内容を基に、受賞と展示の事実、設計思想、参加組織、会期・会場、会社情報までの重要事項を整理して伝えています。表にまとめた情報は記事本文で言及した項目を簡潔に参照できるように配しています。