戦中から商都へ──立川の歴史を伝える『たちかわ物語』20号
ベストカレンダー編集部
2025年10月1日 15:51
たちかわ物語20号発行
開催日:9月19日

戦中・戦後の立川を読み解く──『たちかわ物語』20号の特集構成と狙い
立川市が発行している市史編さん広報紙『たちかわ物語』20号は、2025年9月19日に発行され、同市はこの情報を2025年10月1日12時00分に公表しました。本紙は2016年の創刊以来、年2回A4判・12ページのフルカラーで無料配布されている広報紙で、新編立川市史の編さん事業を紹介するとともに、市史に掲載しきれなかった資料や特集記事、関連講座や写真展のレポートを掲載する役割を担っています。
20号の中心となる特集は二つです。ひとつは「『軍都』から『商都』へ・・・立川市の人々の戦中・戦後」と題した戦時中から戦後にかけての街の変遷を振り返る企画です。もうひとつは、地域での宴会や儀礼に使われてきた道具を通じて暮らしの文化を探る「ハレの風景にみる 共有膳椀 いまむかし」です。これらの特集を通じて、立川の知られざる歴史や習俗、生活文化を幅広く伝えようとしています。

戦中・戦後特集の内容と資料の紹介
戦中・戦後の特集では、立川がかつて「軍都」としての性格を持ち、戦後に「商都」としての転換を遂げた経緯と、その過程で市民生活がどのように変わったのかを写真や史料で示しています。掲載された資料には、1952(昭和27)年頃に米兵向けの看板が並んでいた立川市曙町二丁目交差点を写した写真が含まれ、所蔵は立川市歴史民俗資料館となっています。
この特集は単なる年代記ではなく、行政資料や古い写真、住民から寄贈された文字資料や古文書の読み解きを踏まえながら、地域ごとの生活実態や商業の変化、占領期の影響などを詳細に示しています。市史編さん事業で扱う範囲(旧石器時代から令和時代までを予定)と連動させることで、個別史料の意味づけを試みています。
- 特集掲載資料例:1952年頃の写真(立川市歴史民俗資料館所蔵)
- 取り上げるテーマ:軍事都市としての立川、占領期の影響、戦後の商業化と市民生活の復興

共有膳椀に見る地域の暮らしと風習
もう一方の特集「ハレの風景にみる 共有膳椀 いまむかし」は、結納や婚礼などいわゆる“ハレの日”に地域で共用された膳や椀、銚子や三蓋盃などの道具を取り上げ、道具そのものの形状や収納方法、地域コミュニティにおける役割を解説しています。
写真や所蔵情報として、膳・椀を収納しておく布袋や木箱、銚子や三蓋盃、平椀などが並ぶ資料写真が掲載されており、これらは立川市歴史民俗資料館の所蔵資料です。特集では、こうした共有される道具が地域の結び付きや慶事の形式にどのように関わっていたのかを文献・証言に基づいて整理しています。
- 共有膳椀の具体例
- 銚子、三蓋盃、平椀、布袋(ほてい)、木箱など。用途や保存方法、貸出しの慣行について説明。
- 所蔵
- 立川市歴史民俗資料館

文化・民俗としての評価と資料の活用
特集記事は民俗学的視点からの解説も含み、単なる物品の列挙ではなく、生活文化・儀礼としての位置づけを明確にしています。古文書の読み解き活動や市民の寄贈写真・文書を通じて得られた情報を活用し、現地の実際の証言と合わせて体系的に紹介しています。
これにより、地域毎の違いや時代ごとの変化、また現代に残る慣習の痕跡までを丁寧にたどる内容になっています。

刊行物の全体像と入手方法、閲覧の案内
立川市では「新編立川市史」編さん事業を進めており、『たちかわ物語』はその周辺の情報発信として位置づけられています。新編立川市史の刊行物としては、先史(旧石器・縄文期)から古代・中世、近世(江戸時代)、近代・現代(明治以降)に加え、『民俗』や『地図・絵』『写真集』など、多岐にわたる編が既に刊行されています。
『たちかわ物語』のバックナンバー(1~19号)も無料配布されており、各号の在庫数や掲載内容については立川市史編さん室への問い合わせが必要です。最新号とバックナンバーは立川市のウェブサイトおよび『たちかわ電子図書館』でも閲覧できます。
- 配布形態:無料(冊数に限りあり)
- 判型・頁数:A4判、12ページ、フルカラー
- 発行頻度:年2回
配布場所は以下の通りです。いずれも在庫により入手できない場合がありますので、必要な場合は事前に市史編さん室へ確認することが推奨されています。
- 立川市役所3階 市政情報コーナー
- 歴史民俗資料館など市内生涯学習関連施設
ウェブでの閲覧はこちらのページから可能です(立川市が案内しているURL)。
- https://www.city.tachikawa.lg.jp/kanko/bunka/1003076/1003087.html
- https://www.city.tachikawa.lg.jp/kanko/bunka/1003076/index.html

新編立川市史の刊行状況と連携する資料群
新編立川市史は、旧石器時代から令和時代までをカバーする大規模な編さん事業です。既刊の資料編は、先史、古代・中世、近世、近代、現代、民俗、地図・絵、写真集など、多数の刊行物があり、立川の地域史を多角的に理解するための基礎資料となっています。
これらの刊行物は市史編さん事業の一環として整理・公開されており、研究者や市民、教育関係者など幅広い利用を想定した内容です。刊行物の詳細は立川市史編さん室および立川市の関連Webページで確認できます。

メディア向け情報とまとめ表
本書に関する取材申し込みや、掲載資料の画像ダウンロードに関する案内も用意されています。プレスリリース内で利用された画像ファイルはダウンロード可能で、報道関係者向けの素材提供を行っています。取材や画像利用の希望がある場合は、以下の問い合わせ先へ連絡することが求められます。
問い合わせ先は立川市文化スポーツ部 市史編さん室。代表電話番号は(042)523-2111です。取材窓口として明記されているため、掲載内容の確認や追加取材の調整はこの窓口を通じて行われます。
- 発行元
- 立川市(立川市役所)
- 発行日(20号)
- 2025年9月19日
- プレスリリース公表日時
- 2025年10月1日 12:00
- 問い合わせ
- 立川市文化スポーツ部 市史編さん室 TEL:(042)523-2111(代表)
以下に本記事で取り上げた重要事項を一覧表に整理します。記事の要点を俯瞰的に把握したい場合に参照ください。
項目 | 内容 |
---|---|
広報紙名 | たちかわ物語(市史編さん広報紙) |
号数 | 第20号(2025年9月19日発行) |
発行・公表 | 立川市役所(プレスリリース公表:2025年10月1日 12:00) |
判型・頁数 | A4判、12ページ、フルカラー |
配布形態 | 無料配布(冊数に限りあり)、年2回発行 |
主な特集 | 1) 「軍都」から「商都」へ・・・立川市の人々の戦中・戦後 2) ハレの風景にみる 共有膳椀 いまむかし |
所蔵資料の例 | 立川市歴史民俗資料館所蔵の写真、共有膳椀(銚子、三蓋盃、平椀、布袋、木箱等) |
バックナンバー | 第1号~第19号も無料配布(在庫状況は市史編さん室へ確認) |
入手場所 | 立川市役所3階 市政情報コーナー、歴史民俗資料館など市内生涯学習関連施設 |
ウェブ閲覧 | 市ホームページおよびたちかわ電子図書館(URL: https://www.city.tachikawa.lg.jp/kanko/bunka/1003076/1003087.html 他) |
問い合わせ先 | 立川市文化スポーツ部 市史編さん室 TEL:(042)523-2111(代表) |
以上が『たちかわ物語』20号と関連する市史編さん事業、刊行物・配布情報の要点整理です。本稿は市が公表した内容に基づき、掲載資料や配布情報、問い合わせ窓口まで網羅してまとめています。