10月4日(土)22:55放送開始『ガングリオン』3分で描く戦闘員の哀愁

戦闘員の哀愁を描く新たなショートアニメが土曜の夜に登場

吉本興業株式会社は、2025年10月2日10時00分に発表したリリースで、TVアニメ『ガングリオン』がBSよしもとで放送開始されることを明らかにしました。本作は2025年10月4日（土）22:55より放送開始となり、全24話のショートアニメです。各話の本編は1話あたり約3分という短尺で、土曜の夜に手軽に視聴できる構成になっています。

アニメ化にあたっては、原作が持つ“悪の組織で働く戦闘員”の哀愁とユーモアをいかに短時間で表現するかが重要なポイントです。原作の特色であるコミカルかつ時に胸に刺さるような描写が、3分という枠内でどう映像化されるかは注目事項です。放送はBSよしもと（BS265ch）での無料放送に加え、スマホ・PC向けにも無料配信が行われます。

作品のトーンと狙い

『ガングリオン』は、悪の組織に勤める“戦闘員サラリーマン”の視点から日常と非日常を描く作品です。主人公の磯辺健司は中間管理職として上司の無理難題と部下の板挟みに苦しむ一方で、ヒーロー「ホープマン」との対立の中で、時折ふと胸に刺さる瞬間を見せます。こうした“労働の哀愁”を描く点が多くの読者に支持されてきました。

短い尺であることは一見ハンデに見えますが、逆にストーリーテリングのテンポ感を強化し、視聴者の記憶に残る一場面を凝縮して届けることが可能です。本作は笑いと共感、そして余韻を短時間で与えることを狙った作りになっています。

原作の歩みと作品世界の構成

『ガングリオン』の原作は、白岩久弥（原作）といつきたかし（作画）によるコミックで、もともとは「コミックヨシモト」で連載されました。2009年にはヨシモトブックスから単行本が刊行され、本作は“悪役の人生”をコミカルかつリアルに切り取る視点で評価されてきました。

物語の舞台は「株式会社ガングリオン」という設定で、その世界征服部門に属する“ベルベ軍団”が主な舞台です。主人公の磯辺健司はその一員として日々任務に就きますが、組織内の人間関係や上下関係がテーマの一つとして描かれています。読者・視聴者はヒーロー側の視点ではなく、悪役側の視点から物語を追うことで、従来のヒーロー物とは異なる味わいを得られます。

登場人物と役どころ

主要な登場人物には、それぞれ職場での役割や家庭での生活が設定され、戦闘シーンだけでなく日常のやり取りがドラマを生み出します。こうした人物描写が、短い尺の中でも感情移入を促す要因となっています。

以下に、原作およびアニメで中心となるキャラクターとその立ち位置をまとめます。

磯辺健司（主人公）

株式会社ガングリオン 世界征服部門・ベルベ軍団の戦闘員。主任として中間管理職の立場にあり、上司と部下の板挟みに苦しむ。

シャドー大佐

磯辺の上司。無茶ぶりや極端な指示が多く、組織内の圧力を象徴する存在。

ホープマン（宿敵）

磯辺の宿敵であり、戦闘の相手でもあるヒーロー。日常的に対峙することで物語の動力源となる。

節子（磯辺の妻）

磯辺の家庭側の描写を担うキャラクター。家庭と職場のギャップを際立たせる役割を持つ。

息子、節子の妹、屋台のオヤジ ほか

家族や地域の人物が作品世界を補完し、コメディ要素や生活感を与える。

制作陣と声優キャストの布陣

アニメ化の監督には渡辺歩が起用されました。渡辺監督は『ドラえもん』『宇宙兄弟』『海獣の子供』『漁港の肉子ちゃん』『サマータイムレンダ』などで知られる演出家で、独自の映像表現とテンポ感で多くの作品に貢献してきました。本作では短尺で起こる細かな感情の揺れを映像化する手腕が求められます。

キャスト陣も豪華です。声優には上田燿司（磯辺役）、立木文彦（シャドー大佐役）、杉田智和（ホープマン役）、古賀葵（節子役）、青山吉能（息子役）、遠野ひかる（節子の妹役）、板尾創路（屋台のオヤジ役）らが参加します。特に板尾創路は原作を読み「間違いなく隠れた名作」と絶賛したと発表資料で伝えられており、出演によって原作愛の深さが伺えます。

監督・スタッフの背景と期待される表現

渡辺歩監督は長編・短編を問わず多様なジャンルを手掛けており、本作のような“仕事と個人の葛藤”を短時間で描く作品にも適性があります。制作に関わるスタッフの詳細なクレジットは番組の表記に準じますが、監督の映像演出が短尺アニメの中でどのように活きるかが注目点です。

声優陣の経験と個性が、短い時間の中でキャラクターを的確に立たせることが期待されます。状況描写と心理描写の両立が求められるため、演者の演技力が物語の受け止め方に直結します。

放送スケジュールと視聴方法の詳細

放送は以下の通り予定されています。初回放送は2025年10月4日（土）22:55より、以降は毎週土曜の22:55～23:00に放送されます。全24話で構成され、各話がおよそ3分のショートアニメです。合わせて平日再放送も設けられ、月～金曜24:25～24:30に再放送されます。

視聴方法はBS放送およびスマホ・PC配信の双方が用意されています。BSよしもと（BS265ch）での無料放送に加え、スマホ・PC向けには「https://video.bsy.co.jp/」で無料配信されます。番組の公式情報は番組HP（https://bsy.co.jp/programs/by0000023251）にて案内されています。

以上が発表された放送開始に関する主要な情報の整理です。本作は原作の持つ独特の視点を映像化する取り組みであり、短い時間での表現がどのように受け止められるかがポイントになります。放送・配信スケジュールや視聴方法は上表の通り確認できるため、興味がある場合は該当の放送時間帯や配信ページを通じて視聴するとよいでしょう。