落合陽一×福岡伸一、深夜の新潮社で語る生命と時間

生命と時間対談

開催日:10月3日

生命と時間対談
この対談ってどこで見られるの?
新潮社のYouTubeチャンネル「新潮社 イノベーション読書」でほぼノーカット版が公開中。前編は10月3日既公開、後編は10月4日正午に公開予定。雑誌『波』10月号にも掲載。
書籍はどれでカバーは誰の作品なの?
福岡伸一の新刊『生命と時間のあいだ』がテーマで、カバーには落合陽一の作品『アリスの時間』が使用されている。詳しくは新潮社の書誌ページで確認できる。

万博で〈ご近所〉となった二人が、新潮社本館に集う夜

2025年10月3日12時に発表された新潮社のプレスリリースによれば、大阪万博の人気シグネチャーパビリオン「null2」の移設プロジェクトのクラウドファンディングを開始して24時間に満たないうちに1億円を突破した落合陽一さんと、「いのち動的平衡館」を掲げる生物学者の福岡伸一さんが、新潮社本館の前にある国登録有形文化財の巨大レリーフ「人類の文字」前に深夜集結しました。会場となった新潮社本館は同社の歴史を刻む建物であり、対談は深夜の静寂の中、レリーフを背にして行われました。

この集いの様子は新潮社の新YouTubeチャンネル「新潮社 イノベーション読書」でほぼノーカットの動画として公開されており、対談の後編は10月4日正午に公開予定です。新潮社PR誌『波』10月号にも同対談「落合陽一さんに、万博で『ご近所』の福岡伸一が聞く」が掲載され、書籍と映像、雑誌の三方向で内容が立体的に展開されています。

万博で話題のお二人が結集! 福岡伸一さんの新刊カバーを飾るのは落合陽一さんのアートワークというご縁からの「生命と時間」をめぐる特別対談【新潮社公式YouTube「新潮社 イノベーション読書」で公開中】 画像 2

対談の主題「生命と時間」─時間、記憶、フェルメールから微分積分まで

対談の中心テーマは「生命と時間」でした。福岡伸一さんは最新刊『生命と時間のあいだ』で提示した時間論を軸に、近代科学によって見えにくくなった時間のパラドクスや、生命の運動性をめぐる議論を展開しました。議論は万博という場の記憶から時間の感覚、フェルメールの絵画とカメラ・オブスクラ(暗箱)の関係、時間の微分積分的な考察へと縦横に広がりました。

落合陽一さんはアーティスト/プロデューサーとしての視点から、時間の可視化や作品制作・展示のプロセスを語り、今回の書籍の装幀に使用された自身の作品『アリスの時間』がどのように本の表層と意味を包むかを説明しました。二人は万博での「ご近所」という関係性を背景に、互いの専門領域を行き来しつつ、軽やかに生成変化する知の遊戯を繰り広げています。

万博で話題のお二人が結集! 福岡伸一さんの新刊カバーを飾るのは落合陽一さんのアートワークというご縁からの「生命と時間」をめぐる特別対談【新潮社公式YouTube「新潮社 イノベーション読書」で公開中】 画像 3

対談で取り上げられた具体的なトピック

対談はテーマの幅が広く、以下の話題が取り上げられました。

  • 万博と時間の感覚、空間の記憶が作品や展示に与える影響
  • フェルメールの光とカメラ・オブスクラの関係性、絵画に表れる時間の流れの捉え方
  • 時間の微分積分的理解と、生命現象を記述する際のパラドクス
  • 落合氏の作品『アリスの時間』を用いたブックデザインと装幀の意図
  • 万博プロデュースと、そのなかで生まれる近代性と身体性の議論

映像はほぼノーカットで公開されており、2人の自由な議論が編集によって削がれることなく伝わる構成となっています。続編となる後編は10月4日正午に公開されます。

『生命と時間のあいだ』と装幀:作品写真が本を包む意匠

福岡伸一氏の新刊『生命と時間のあいだ』は、近代科学が見落としてきた時間の問題を読み解く時間論を提示する書籍です。書籍は壊しながら保たれる「いのち」の循環を描き、動的平衡という福岡氏の一貫した視座を新たな境地へと導きます。書籍の解説ではダ・ヴィンチ、ダーウィン、ガリレオ・ガリレイ、フェルメールといった古典的な視点から、坂本龍一、手塚治虫、村上春樹、安部公房、丸谷才一といった現代文化まで、時間の流れが立ち上がる作品群に言及し、世界と生命の解像度を問い直す内容が示されています。

本書のカバー作品は落合陽一氏の『アリスの時間』であり、落合氏の作品写真が装幀として用いられている点がブックデザインの話題となっています。カバーが本の表層として時間論のイメージを包み込み、内容と外装が一体となる表現が意図されています。

書誌情報と関連リンク

書名: 『生命と時間のあいだ』 著者: 福岡伸一。書籍詳細は出版社の書誌ページで確認できます。以下に公開されたリンクを示します。

  • 書籍詳細: https://www.shinchosha.co.jp/book/103542/
  • 落合陽一氏の作品『アリスの時間』の詳細はプレスリリース内で言及されています(個別URLは本文に明記なし)。

出演者紹介と新潮社イノベーション読書の位置づけ

対談に出演した両氏のプロフィールは以下のとおりです。出演者の経歴は対談の文脈を理解するうえで重要な手がかりを与えます。

福岡伸一(ふくおか・しんいち)
生物学者。京都大学卒。米ハーバード大学医学部フェロー、京都大学助教授を経て、現在は青山学院大学教授および米国ロックフェラー大学客員教授。サントリー学芸賞を受賞した『生物と無生物のあいだ』をはじめとする著作群で知られ、『動的平衡』シリーズ、『ナチュラリスト』、『フェルメール 光の王国』『生命海流』『君はいのち動的平衡館を見たか』など多数の著作、訳書に『ドリトル先生航海記』などがある。
落合陽一(おちあい・よういち)
1987年東京都生まれ。筑波大学情報学群情報メディア創成学類を卒業、東京大学大学院学際情報学府で博士号取得(学際情報学府初の早期修了者)。メディアアーティストとして個展多数、EUのSTARTS PrizeやPrix Ars Electronicaなど国内外で受賞歴があり、著書に『魔法の世紀』『デジタルネイチャー』『2030年の世界地図帳』『波と景』などがある。大阪万博の人気シグネチャーパビリオン『null2』のプロデューサーでもある。

また、新潮社が開設したYouTubeチャンネル「新潮社 イノベーション読書」は、教養・情報系の番組として著者や識者を招き、インサイトに富んだトークやドキュメントを軸にコンテンツを配信しています。視聴者に向けたチャンネル登録の案内とともに、対談の動画が公開されています。

公式アカウントと配信先

公開されたメディアと公式アカウントのリンクは以下のとおりです。映像・音声・テキストで関連情報が確認できます。

対談の位置づけと要点の整理

今回の対談は、万博という公共性の高い場で活動する二人の知の交差点を可視化したものであり、書籍の発表と装幀、映像化、雑誌掲載という多層的な展開を伴っています。議論の内容は学術的な時間論にとどまらず、芸術表現や展示プロデュース、メディア論、そして記憶と場所の関係まで領域横断的に広がりました。

以下の表は、本稿で取り上げた主要事項を整理したものです。対談の公開情報、書籍情報、関連リンク、出演者の役割や主題を簡潔にまとめています。

項目 内容
発表日時 2025年10月3日 12時00分(新潮社プレスリリース)
対談場所 新潮社本館前、国登録有形文化財「人類の文字」前
出演者 福岡伸一(生物学者)、落合陽一(メディアアーティスト、万博プロデューサー)
主題 「生命と時間」―時間論、記憶、フェルメールとカメラ・オブスクラ、時間の微分積分など
関連出版物 『生命と時間のあいだ』福岡伸一(カバー作品:落合陽一『アリスの時間』)、新潮社PR誌『波』10月号に対談掲載
映像公開 新潮社YouTubeチャンネル「新潮社 イノベーション読書」でほぼノーカット公開。後編は10月4日正午公開予定
その他の情報 落合陽一氏がプロデュースする万博シグネチャーパビリオン「null2」の移設クラウドファンディングが24時間かからず1億円突破
公式リンク https://www.shinchosha.co.jp/
https://x.com/ino_doku
https://www.youtube.com/@ino_doku
https://www.youtube.com/@ino_doku/podcasts

この記事では新潮社の発表内容を整理し、対談の主題と関連情報を具体的に示しました。書籍の詳細や映像は上記の公式リンクから確認できます。公開済みの映像はほぼノーカットであり、続編の公開スケジュールも含めて、映像とテキスト双方で情報を追える構成となっています。

参考リンク: