平嶋夏海らが地方創生2.0大使に、事業が始動

アイドルと地域事業者が組む「地方創生2.0」モデル事業の全体像

2025年10月6日15時30分、一般社団法人公民連携推進機構は、内閣府の「新しい地方経済・生活環境創生交付金 Type V（令和6年度補正予算）」の交付決定を受け、株式会社GMTSがプロデュースする「内閣府 地方創生 2.0 モデル事業」の開始を発表しました。本事業は奈良県宇陀市、山梨県大月市、和歌山県那智勝浦町の3自治体における公民連携の取り組みを、現役のアイドル／女優が担う形で展開する点が特徴です。

本プロジェクトの運営は、全国420自治体と連携する一般社団法人公民連携推進機構（東京都港区、代表理事 高瀬亜富）と、同機構の理事会員企業である株式会社GMTS（東京都中央区、代表 八木下重義）を中心に進められます。プロジェクトにはZUU、ギグワークス、HEXA（メディアエクイティ）など複数の会員企業が参加し、NFTやデジタル技術、メディア支援を組み合わせて地域経済の活性化を目指します。

対象自治体とプロジェクトの位置づけ

対象となる自治体は、奈良県宇陀市（幹事自治体）、山梨県大月市、和歌山県那智勝浦町の3市町です。各自治体の地域資源や産業特性に応じた施策が組まれ、観光資源・農水産物・地場企業と連携する形で事業が設計されています。

各自治体の公式サイトは以下の通りです：
奈良県宇陀市：https://www.city.uda.lg.jp/
山梨県大月市：https://www.city.otsuki.yamanashi.jp/
和歌山県那智勝浦町：https://www.town.nachikatsuura.wakayama.jp/

公民連携推進大使として参加するアイドルと活動内容の詳細

本プロジェクトでは、平嶋夏海、佐々木優佳里、兒玉遥、そしてグループRainTreeが「公民連携推進大使」として参加します。各メンバーは令和7年10月から毎月各自治体を訪問し、地域事業者と連携した商品の企画・販売、イベント出演、SNS発信、NFTを活用した会員参加型施策などを実施します。

記者発表会に参加したメンバーとしては綾瀬ことり、新野楓果、鈴野みお、百瀬紗菜（奈良県出身）も名前が挙がっています。これらのタレントは地域イベントやPR活動に参加し、地域認知度向上に寄与することが期待されています。

参加アイドルのプロフィール（要点）

平嶋夏海（ひらじま なつみ）：元AKB48第1期生。現在はタレント、声優として活動し、バイク愛好家としても知られる。公式YouTubeチャンネル「はしれ！なっちゃんねる」ではサウナ×ツーリング動画を投稿し、再生数175万回超の動画もある。愛車はMOTOGUZZI V7Ⅲなど。

佐々木優佳里（ささき ゆかり）：AKB48出身。ゲーム配信や舞台出演の経験があり、2024年にAKB48を卒業、同年8月に1st写真集「Virgin」を発売し、メイキングの予約数で上位を記録。

兒玉遥（こだま はるか）：HKT48の1期生で、AKB48選抜総選挙で9位を獲得した経歴を持つ。卒業後は俳優として活動し、NHK連続ドラマ小説『おむすび』などに出演。出演映画『そこにきみはいて』が2025年11月28日公開予定。

RainTree（れいんつりー）：秋元康プロデュースのオーディションから生まれたグループで、2024年10月8日に結成、2025年1月29日にキングレコードからメジャーデビュー。

具体的な施策：商品開発、NFT企画、訪問スケジュール

本プロジェクトは「地域事業者の売上拡大」「地域認知度向上」「移住者増加支援」「事業者の成長支援」を主な目的として、複数の施策を実施します。アイドルが関与する商品開発とNFTを軸に、会員参加型の投票や限定販売などを行います。

以下は主要な施策の詳細です。NFTを用いた仕組みを活用する点が特徴で、HEXAなどのプラットフォームで販売が行われます。

商品開発とNFT連動の仕組み

① アイドルデザイン限定ラベル日本酒・ワインの開発：公民連携推進大使がデザインした限定ラベルの日本酒やワインを開発します。酒蔵訪問の非公開シーンの閲覧や、1NFT＝1投票によるラベルデザイン決定など、NFT保有者が参加できる仕組みを導入します。

② 3自治体連携カレーの開発：各自治体の食材を用いたカレーをアイドルが考案。ラベルやレシピの決定過程の非公開映像をNFT保有者が閲覧可能とし、限定カレーを優先購入できる特典を設けます。

NFTで提供する定額サービスと地域連携イベント

③ 無限素麺チケット／無限生まぐろチケット：NFTを購入（1000円）すると、毎年1回1000円分の素麺や生まぐろが継続して受け取れる企画を実施予定です。宇陀市では毎年10月1日～30日に道の駅 宇陀路室生で、那智勝浦町では毎年1月10日～30日に勝浦漁港にぎわい市場での引換を計画しています。大月市ではアイドルが栽培した野菜をNFTで限定販売する予定です。

NFT販売ページ（HEXA）：https://nft.hexanft.com/users/lhdN6HX3LI3P6G/issued

スケジュール、連携企業、支援体制の全容

公表されている当面のスケジュールは以下の通りです。アイドルは基本的に毎月各自治体を訪問し、SNSやYouTube撮影、週末農業体験、イベント出演、商品開発会議、地域事業者との協働を行います。

直近のイベント参加は10月13日の大月ゲームサミットに平嶋夏海が出演、10月26日の宇陀産フェスタにはRainTreeが参加すると明記されています。これらのイベントは地域内外の認知向上を図る場となります。

公表されている主要スケジュール

• 10月13日（祝） 大月ゲームサミット（平嶋夏海参加） – https://otsuki-esports.com/?p=246
• 10月26日（日） 宇陀産フェスタ 特別ライブ（RainTree参加） – https://www.city.uda.lg.jp/soshiki/23/17145.html
• 11月上旬 限定ラベル日本酒・限定ラベルワイン発表会
• 12月7日（日） 那智勝浦町 クリスマスライトアップ点灯式
• 1月31日（土） 那智勝浦町 生まぐろフェスタ プレゼンター

なお那智勝浦町では、カイロスロケット発射に合わせたRainTreeによるコンサートなども計画されています。

参画企業と担当領域

本プロジェクトには以下の企業・団体が参画し、それぞれの専門性を活かして支援を行います。支援内容は商品企画、NFT技術提供、メディア支援、資金調達支援、動画制作教育、社会貢献ユーザープラットフォームの動員等に及びます。

株式会社GMTS

プロデュースを担当。地方自治体活性化支援を主業務とし、ふるさと納税増収支援やDX支援等を実施。

株式会社ZUU（東証G 4387）

地域事業者の成長戦略支援、メディアを活用した認知・顧客獲得支援、資金調達支援、自治体DX支援など。

ギグワークス株式会社（東証S 2375）

アイドルのセカンドキャリア支援を含む取り組みへの協力。

actcoin

社会貢献に関心のあるユーザー基盤の動員を担当。

メディアエクイティ株式会社（HEXA）

NFTプラットフォームの提供およびNFTを活用した販売の実施。

株式会社1to10

子育てインフルエンサーによる地域情報発信を担当。

その他インフルエンサー（限界OLエリザベス、セントくんとおねね夫婦、なつぴぴ等）

フォロワー数の多いSNS発信者による地域情報の拡散支援。

プロジェクトの背景、調査結果と連携体制の連関

このプロジェクトは、株式会社GMTSが昨年度に実施したコスプレイヤーを起用した「デジタルアンバサダーNFT」事業の成果を踏まえて設計されました。内閣府交付金の交付決定は本年3月末であり、この半年間で実施内容の詳細を詰めています。

また、一般社団法人公民連携推進機構が令和7年6月に実施した「全国地方自治体統一アンケート」（対象1716自治体・有効回答数402自治体）では、半数以上にあたる235自治体が「アイドルを活用した地域経済活性化」に興味を示しており、来年度は約50程度の自治体で類似のプロジェクトを展開する予定である点も公表されています。

調査と事業展開の関連

アンケート結果は各自治体のニーズ確認として事業設計に反映され、アイドルの発信力を用いた観光誘客、物販・農水産物販売強化、移住・交流促進といった施策へと繋がります。調査に基づく需要把握が、参加自治体の拡大計画の根拠となっています。

事業は公民連携推進大使の月次訪問を核に、地域事業者・酒蔵・漁港・道の駅・宿泊施設等の現場との連携を重ねる形で進められる見込みです。

まとめ（本記事で触れた主要事項の整理）

以下の表は、本記事で紹介した本プロジェクトの主要事項を整理したものです。表は発表日、主催・プロデューサー、参加自治体、参加アイドル、主な施策、直近スケジュール、参画企業、連絡先をまとめています。

本プロジェクトはデジタル技術（NFT）とアイドルの発信力を組み合わせ、地域事業者と連動した具体的な商品・イベントを通じて地域経済の活性化を目指すものです。関係する企業・自治体・タレントが連携し、各地での訪問や販売・イベントを通じた実証を重ねることで、同様の手法を全国の自治体へ展開していく計画が示されています。