11/5開幕 ルイナール×ジュリアン・シャリエール展|失われた海の記憶

失われた海の記憶展

開催期間:11月5日〜11月9日

失われた海の記憶展
入場料ってかかるの?
入場は無料です。会場は大倉集古館とAnnex Aoyamaで、11月5日〜9日開催。各会場の開館時間や最終日は閉場が早まるので来場時間に注意してください。
展示の見どころは何があるの?
ルイナールの白亜質クレイエールの地質学的記憶とサンゴ礁の危機を重ねた展示が中心で、体験型サウンド・インスタレーション、版画、写真とRuinart Barでの提供が楽しめます。

海の記憶を呼び覚ます展覧会 — ルイナールとジュリアン・シャリエールの対話

2025年11月5日(水)から11月9日(日)まで、世界最古のシャンパーニュメゾンルイナールが、ベルリンを拠点に活動するアーティストJulian Charrière(ジュリアン・シャリエール)とのコラボレーションによる個展「conversations with nature 2025」を東京のAnnex Aoyamaおよび大倉集古館で開催します。主催はMHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社で、入場は無料です。

本展は、ルイナールの地下に広がる白亜質のセラー(クレイエール)という地質学的な記憶と、現代におけるサンゴ礁の危機を重ね合わせることで生まれた「失われた海の記憶」というテーマを軸に、サウンド・インスタレーションや版画、写真作品を通じて自然との対話を試みます。展示とあわせて会場内に設置されるRuinart Barではルイナールのシャンパーニュも提供され、視覚・聴覚・味覚を通じてメゾンの世界観を体験できます。

創造性と革新性を追求する世界最古のシャンパーニュメゾン「ルイナール」 ジュリアン・シャリエール氏による個展「conversations with nature 2025」 画像 2

開催概要の要点

開催期間と会場は以下の通りです。両会場それぞれの開場時間が設定されており、最終日は閉場時間が早まるため来場時刻にご注意ください。

  • 開催期間:2025年11月5日(水)~11月9日(日)
  • 会場:大倉集古館(東京都港区虎ノ門2-10-3)、Annex Aoyama(東京都港区南青山3-1-26)
  • 入場料:無料
  • 主催:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社(プレス発表日:2025年10月8日 15:30)

会場別の開館時間は次の通りです。大倉集古館は10:00~18:00、Annex Aoyamaは11:00~20:00(最終日のみ18:00まで)です。Ruinart Barは各会場の開催時間に準じます。

創造性と革新性を追求する世界最古のシャンパーニュメゾン「ルイナール」 ジュリアン・シャリエール氏による個展「conversations with nature 2025」 画像 3

作品構成と表現手法 — ディープタイムと現在をつなぐインスタレーション

今回の展示は、ジュリアン・シャリエールが長年にわたり探求してきた「時間×物質×変容」というテーマに立ち戻り、地質学的な時間軸と現代の生態学的危機を可視化する作品群で構成されています。作品は体験型のサウンド・インスタレーション、版画シリーズ、写真の再解釈による多層的な展示で来場者を迎えます。

制作にはルイナールのクレイエールという具体的な物質世界が参照されています。4,500万年前にルテシアン海が広がっていたシャンパーニュ地方の地層に刻まれた化石や石灰質は、作品制作の重要な素材的・概念的契機となっています。

サウンド・インスタレーション
クレイエールのチョーク壁に眠る化石の“ささやき”を呼び覚ますことを意図した体験型の音響作品。地質学的な時間の流れと海洋の変容を音で表現します。
版画作品
世界各地のサンゴ礁を撮影したデジタル画像を色分解し、白亜・石灰岩・サンゴ由来の顔料で再解釈。19世紀のリトグラフ技法を参照した石灰石版によって、地層と現代の海の脆弱性を一枚の画面に凝縮します。
写真シリーズ
撮影されたサンゴ礁のカラーイメージを淡く漂白されたようなトーンで再提示し、保存と喪失の間にある儚さを象徴的に示します。

こうした技法の組み合わせは、物質の痕跡を読み解く視覚的言語と、場に介入する音の経験を通じて、訪れる者に地質学的時間のスケール感を提示します。

創造性と革新性を追求する世界最古のシャンパーニュメゾン「ルイナール」 ジュリアン・シャリエール氏による個展「conversations with nature 2025」 画像 4

ジュリアン・シャリエールという作家

ジュリアン・シャリエールは1987年スイス生まれでフランス系スイス人、ベルリンを拠点に活動するアーティストです。パフォーマンス、映像、彫刻、写真を横断して作品を制作しており、世界各地の主要美術館やビエンナーレで発表してきました。

彼のプロジェクトは火山、氷原、放射能汚染地帯といった地学的に特徴ある場所でのフィールドワークを基盤にしており、科学者や歴史家、哲学者と協働しながら自然観と人類の生態系の関係を探求します。今回のコラボレーションにあたって彼は、ルイナールのクレイエールを知ったときに自らの「ディープタイム」概念と響き合うことを確認し、表現したいという意図を述べています。

創造性と革新性を追求する世界最古のシャンパーニュメゾン「ルイナール」 ジュリアン・シャリエール氏による個展「conversations with nature 2025」 画像 5

ルイナールの歴史、テロワール、そして環境への取り組み

ルイナールは1729年にランスで創業した、世界最古のシャンパーニュメゾンとして知られます。シャルドネを核に「清らかさ」「繊細さ」「上品さ」を追求し、「シャルドネの芸術」と呼ばれるスタイルを築いてきました。メゾンはコート・デ・ブランとモンターニュ・ド・ランスで収穫された最高品質のぶどうを厳選し、熟成にはガリア・ローマ時代の石切り場跡であるクレイエール(1931年にフランス歴史的建造物に指定)を使用しています。

このクレイエールは、一定の温度と湿度を保つことが可能で、ルイナールの繊細で丸みのある風味を生み出すうえで重要な役割を担っています。さらに、気候変動の影響はシャンパーニュ造りにも影を落としており、ルイナールの醸造チームは約10年にわたりシャルドネのプロファイル変化を観察・対応してきました。

  1. テロワールの観察と栽培調整
  2. 醸造工程の最適化と品質維持
  3. アートや学術との協働による自然理解の深化

こうした工程はすべて「自然との対話」を重視するメゾンの理念に基づいています。芸術との継続的な連携は、自然観とクラフツマンシップを一般に伝える手段として位置づけられており、本展「conversations with nature」シリーズはその一環です。

創造性と革新性を追求する世界最古のシャンパーニュメゾン「ルイナール」 ジュリアン・シャリエール氏による個展「conversations with nature 2025」 画像 6

会場での体験と実務情報、まとめ

会場ではジュリアン・シャリエールの作品展示に加え、体験型のインスタレーションを通じて地質学的時間と海洋環境問題に関する感覚的理解が促されます。同時にRuinart Barにてルイナールの主要キュレートドリンクが提供され、鑑賞体験を味覚的にも補完します。

Ruinart Barのメニューは下記のとおりです。提供形態はグラスおよびボトルでの販売となり、バーの営業時間は各会場の開催時間に準じます。

  • ルイナール ブラン・ド・ブラン(グラス/ボトル)
  • ルイナール ロゼ(グラス/ボトル)

関連情報や詳細はルイナールの公式ページで確認できます(https://www.mhdkk.com/brands/ruinart/)。本展は入場無料で、期間中は複数の視点から作品とメゾンの文脈を体験することができます。

項目 内容
展覧会名 RUINART×Julian Charrière “conversations with nature 2025”
開催期間 2025年11月5日(水)~11月9日(日)
会場 大倉集古館(東京都港区虎ノ門2-10-3) / Annex Aoyama(東京都港区南青山3-1-26)
開館時間 大倉集古館 10:00~18:00、Annex Aoyama 11:00~20:00(最終日のみ18:00まで)
入場料 無料
アーティスト Julian Charrière(ジュリアン・シャリエール)
作品テーマ conversations with nature(失われた海の記憶)
内容 サウンド・インスタレーション、版画、写真シリーズ、Ruinart Barでのシャンパーニュ提供
Ruinart Bar ルイナール ブラン・ド・ブラン、ルイナール ロゼ(グラス/ボトル)
主催・発表 MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社(プレス発表日:2025年10月8日 15:30)
公式情報 https://www.mhdkk.com/brands/ruinart/

本記事では展示の主題、作品構成、ルイナールの歴史と環境に対する取り組み、会場での体験や実務的な来場情報を整理しました。展示は自然との対話を通して地質学的時間と現代の環境課題を可視化する試みであり、視覚・聴覚・味覚を通じて多層的に体験できる構成となっています。

参考リンク: