窪田正孝ら共演、舞台『チ。』が新国立で開幕
ベストカレンダー編集部
2025年10月8日 21:55
舞台『チ。』東京開幕
開催期間:10月8日〜10月26日
新国立劇場で開幕した舞台『チ。 ―地球の運動について―』の初日と最終舞台稽古
2025年10月8日、原作漫画の衝撃的な世界観を舞台化した『チ。 ―地球の運動について―』が新国立劇場 中劇場で開幕した。主催は株式会社ホリプロおよびTOKYO FMで、初日を迎えるにあたり最終舞台稽古が行われ、公演開始に合わせて東京公演の一部売止席が開放されたという発表があった。撮影は田中亜紀による。
上演時間は3時間5分(休憩15分含む)を予定しており、東京公演の会期は2025年10月8日(水)から10月26日(日)まで。東京以降は愛知、広島、大阪、福岡の4都市巡演を予定している。舞台では一部衝撃的な演出や水を使った演出があるため、観劇の際には注意が必要とされている。
公演に関する基礎情報とサポート体制
東京公演では、鑑賞サポートとして音声ガイド機器の貸し出しや、舞台進行に合わせた字幕表示を行う字幕ガイドの貸し出しを実施する回がある。観劇時に配慮が必要な来場者に対して、会場側での支援が用意されているのは注目点である。
また、公演上の注意点として、物語の性質上拷問や痛みを伴う格闘などの衝撃的なシーンが含まれること、水を使った演出があるため座席の位置によっては水がかかる可能性があることが明記されている。該当座席にはビニールが用意される。
主要キャストと役どころ:登場人物が紡ぐ知と信念の物語
舞台版では原作の主要人物たちを演じるキャストが揃い、身体表現や歌、演奏を融合させた表現で作品世界を再構築している。中心となるキャストには窪田正孝、三浦透子、大貫勇輔、吉柳咲良、吹越 満、成河、森山未來らが名を連ねる。
作品は命を懸けて地球の真理を追う人々を描く。以下に登場人物ごとに配役と舞台での描かれ方を整理する。
- 窪田正孝(オクジー役)
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この世は汚れていて救いは天国にしかないと信じる代闘士オクジーを演じる。空を見上げることを恐れていたオクジーが知に触れて成長していく姿は繊細でありながら力強く、身体能力を活かした表現も美しいと紹介される。
- 三浦透子(ヨレンタ役)
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天文研究に熱中しながらも全うできず苦悩するヨレンタを演じる。学びへの情熱や感動、父親への愛情を歌声とともに儚く美しく立ち上げる役どころ。
- 大貫勇輔(グラス役など)
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無骨な代闘士グラスやほか複数役を演じ、オクジーに未来への希望を受け渡す役目を担う。グラスの行動が物語を動かしていく。
- 吉柳咲良(ドゥラカ役など)
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移動遊牧民のドゥラカなどを演じ、金を稼ぐことに執着する人物として描かれる。地動説に命を懸ける人々とは対照的だが、自らの信念を胸に生を掴み取ろうとする姿が映える。
- 吹越 満(アントニ役など)
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助任司祭としてノヴァクを敵視するアントニなど多くの役を演じる。アントニの冷酷さを鋭く見せる一方で、劇中でコミカルな役もこなす。
- 成河(バデーニ役など)
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修道士バデーニを演じ、聖職者でありながら禁忌の地動説に抱く情熱や知への渇望を凛とした佇まいで表現する。
- 森山未來(ノヴァク役)
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異端審問官ノヴァクを演じる。任務のために非情な行為を厭わない一方で、娘への愛に苦悩する人間像を示し、単純な善悪を超えた複雑な人物像を浮かび上がらせる。
- 小野桜介/駒井末宙(Wキャスト:ラファウ、シンガー)
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地動説に魅せられた天才少年ラファウおよびシンガーをダブルキャストで担当。知への純粋な憧れが物語の原動力となる役割を担う。
ダンサー・演奏陣・その他出演者
ダンサー陣と演奏者も舞台表現に重要な役割を果たす。ダンサーには皆川まゆむ、川合ロン、加賀谷一肇、笹本龍史、Rion Watley、半山ゆきのが名を連ね、演奏はMUSIC for ISOLATION(竹内理恵、ギデオン・ジュークス)が担当する。
これらの陣営が、俳優の芝居や歌、身体表現と結びついて舞台全体の肉体性と音楽性を高める構成になっている。
制作体制と原作の背景:演出・脚本・音楽・振付など
本作の舞台化は原作漫画『チ。 ―地球の運動について―』(魚豊、ビッグスピリッツコミックス刊)を基に、脚本:長塚圭史、演出:アブシャロム・ポラックが担当している。演出のアブシャロム・ポラックは、日本でのミュージカルやオペラ上演での実績があり、漫画のダイナミックさをライブパフォーマンスとして再現することが狙いだ。
音楽には阿部海太郎、振付にはエラ・ホチルドと国際的に活躍するクリエイターが参加。美術は堀尾幸男、照明はヨアン・ティボリ、音響は井上正弘、衣装は廣川玉枝(SOMA DESIGN)、ヘアメイクは大和田一美(APREA)らが作品世界を具現化する。
- 脚本:長塚圭史
- 演出:アブシャロム・ポラック
- 音楽:阿部海太郎
- 振付:エラ・ホチルド
- 美術:堀尾幸男、照明:ヨアン・ティボリ、音響:井上正弘
- 衣装:廣川玉枝、ヘアメイク:大和田一美
宣伝ビジュアルやPV制作、ヘッドピース制作、スタイリスト、フォトグラファーなど視覚面を支えるスタッフにも多くの名前が挙げられている。作品のプロモーションソングはPK shampooによる「星」。
原作『チ。』は2020年の連載開始以降、読者を惹きつけ、「マンガ大賞2021」第2位や「第26回手塚治虫文化賞マンガ大賞」を受賞するなど評価が高かった。アニメ化も行われ、幅広い注目を集めるコンテンツの舞台化である。
公演スケジュール・会場別の問い合わせ先・観劇上の注意点
公演は東京公演の後、4都市で上演される。各地の会期、会場、問い合わせ先とリンク先は次のとおりである。
| 都市 | 期間 | 会場 | 主催/問い合わせ | リンク |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 2025年10月8日(水)~10月26日(日) | 新国立劇場 中劇場 | 主催:ホリプロ/TOKYO FM | 公式ページ |
| 愛知 | 2025年11月8日(土)~11月9日(日) | 御園座 | 主催:御園座/問い合わせ:御園座 052-222-8222(平日10:00~18:00) | 御園座 公演情報 |
| 広島 | 2025年11月15日(土)~11月16日(日) | 呉信用金庫ホール | 主催:TSSテレビ新広島/問い合わせ:TSSイベント事務局 082-253-1010(平日10:00~17:30) | TSS 公演情報 |
| 大阪 | 2025年11月21日(金)~11月23日(日祝) | 梅田芸術劇場 メインホール | 主催:梅田芸術劇場/問い合わせ:梅田芸術劇場 06-6377-3800(10:00~18:00) | 梅田芸術劇場 公演情報 |
| 福岡 | 2025年11月29日(土)~11月30日(日) | J:COM北九州芸術劇場 大ホール | 主催:インプレサリオ/RKB毎日放送、協力:北九州芸術劇場/問い合わせ:info@impresario-ent.co.jp、TEL:092-600-9238(平日11:00~15:00) | インプレサリオ 公演情報 |
各公演ともに上演時間は3時間5分(休憩15分含む)を予定。東京公演の一部回では音声ガイドや字幕ガイドを貸し出す鑑賞サポートが用意される。
演出に関する注意点として、拷問や痛みを伴う格闘などのシーンが含まれ、また水を用いる演出のため座席位置により水がかかる可能性がある。該当座席にはビニールの用意がある旨が案内されている。
公演の要点まとめ
以下は本記事で紹介した主要項目を一覧化した表である。公演日程、上演時間、主要キャスト、スタッフ、観劇時の注意点、問い合わせ先と公式リンクを網羅している。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 舞台『チ。 ―地球の運動について―』 |
| 原作 | 魚豊『チ。 ―地球の運動について―』(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊) |
| 東京公演 | 2025年10月8日(水)~10月26日(日) / 新国立劇場 中劇場 |
| 巡演 | 愛知:2025年11月8日~11月9日(御園座)/広島:11月15日~16日(呉信用金庫ホール)/大阪:11月21日~23日(梅田芸術劇場)/福岡:11月29日~30日(J:COM北九州芸術劇場) |
| 上演時間 | 3時間5分(休憩15分含む) |
| 主要キャスト | 窪田正孝、三浦透子、大貫勇輔、吉柳咲良、小野桜介・駒井末宙(W)/吹越 満、成河、森山未來 他 |
| スタッフ(主要) | 脚本:長塚圭史/演出:アブシャロム・ポラック/音楽:阿部海太郎/振付:エラ・ホチルド/美術:堀尾幸男 他 |
| プロモーションソング | PK shampoo「星」 |
| 観劇上の注意点 | 拷問や痛みを伴う格闘等の衝撃的シーンを含む/水を使った演出があり座席により水がかかる可能性あり(該当座席にはビニールを用意) |
| 支援・サポート | 音声ガイド機器貸出、字幕ガイド(舞台進行に合わせた字幕表示)を一部回で実施 |
| 主催・制作 | 主催:株式会社ホリプロ/TOKYO FM 企画制作:株式会社ホリプロ 助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 |
| 公式情報 | https://horipro-stage.jp/stage/chi2025//公式Instagram:@chi_orb_stage |
以上が舞台『チ。 ―地球の運動について―』に関する公演概要、出演者、制作陣、注意点、巡演スケジュールおよび問い合わせ先をまとめた内容である。公式情報や各会場の案内を確認のうえ、上演時間や支援サービスの提供回、座席位置による演出の影響などに留意して観劇の準備を行うことが適切である。
参考リンク: