積水化学が江別・野幌で子育て向けスマートタウンを開発

野幌若葉町開発開始

開催期間:10月1日〜9月30日

野幌若葉町開発開始
ここで何が始まるの?
積水化学が北海道江別市野幌若葉町の旧市有地で、戸建69区画・集合賃貸20戸・商業施設・自治会館を含む複合まちづくりを2025年10月から開始します。
どんな住宅や設備があるの?
戸建てには太陽光発電と蓄電池を標準装備、雨水貯留にクロスウェーブ採用。IoTや住民アプリ「NiSUMU」で防災・防犯とまちの運営を強化します。

若年世帯が選ぶ地域性と本事業の成り立ち

積水化学工業株式会社 住宅カンパニーは、2025年10月9日付の発表において、北海道江別市野幌若葉町の旧市有地(面積約27,929.80㎡)で、定住促進と地域活性化を目的とした住居・利便施設の複合型まちづくり事業を開始したと公表しました。開発開始は2025年10月で、工期は令和7年10月から令和8年9月までの予定です。

江別市はJR野幌駅を中心としたコンパクトシティの推進により利便性が高まり、2018年から7年連続で「年少人口(14歳以下)」の転入超過数が全国で20位以内に入るなど、子育て世代に選ばれる地域となっています。本事業はそうした地域ニーズを踏まえ、公募型プロポーザルの選定結果(2024年3月公募、2024年10月契約候補者選定、2024年11月土地売買契約締結)を受けて具体化したものです。

若年世帯から選ばれる注目エリアで「学びと子育て、成長を楽しむ」まちづくり『江別市野幌若葉町市有地利活用事業』 開発開始 画像 2

選定から開発までの経緯

市が実施した公募型プロポーザルに対し、積水化学の提案が評価され、契約候補者として選定されました。以降、江別市と複数回の協議を重ね、開発行為の許可取得を経て造成工事を開始しています。

この事業は2024年2月に江別市、北海道旅客鉄道株式会社、生活協同組合コープさっぽろの三者が締結した「魅力あるまちづくりに関する連携協定」に基づいて実施されます。周辺地域と連携した環境配慮型のまちづくりを目指す点が明記されています。

若年世帯から選ばれる注目エリアで「学びと子育て、成長を楽しむ」まちづくり『江別市野幌若葉町市有地利活用事業』 開発開始 画像 3

生活利便性と災害に強いインフラ設計

本開発はJR函館本線「野幌」駅から徒歩約8分(約580m)の立地を活かし、戸建用宅地69区画、集合賃貸住宅20戸、さらに商業施設(ドラッグストア、コンビニエンスストア)とクラブハウス(自治会館)を配置することで、日常生活の利便性と地域のにぎわいを両立させます。

ライフライン面では、雨水貯留設備に積水化学の製品であるクロスウェーブを採用するなど、地下からのインフラ整備で災害対応力を高めます。戸建住宅には太陽光発電システムと蓄電池を標準装備し、自然エネルギー活用によるレジリエンス向上と住民の光熱費負担軽減、まち全体でのCO2排出量削減を目指します。

防災・防犯とIoTの活用

IoT技術を用いたシステムにより、防災性・防犯性を強化します。具体的には、地域全体でのセンシングや連携により早期検知や迅速な対応を可能にする仕組みを導入する計画です。

太陽光発電や蓄電池を含む住宅単位の設備と連動させることで、停電時のバックアップ機能やエネルギーの有効活用にも配慮します。これらは単に設備を導入するだけでなく、まち全体の耐災害性を高めるための設計思想に基づいています。

多世代に配慮したコミュニティ設計と運営スキーム

本事業では、単に住宅を供給するだけでなく、多世代が交流する場とまちの持続性を担保する運営スキームが組み込まれています。クラブハウス(自治会館)は地域イベントや交流拠点として機能し、住民の地域への愛着形成に資することが期待されます。

また、戸建住宅の所有者だけでなく賃貸オーナーや商業施設運営会社も管理組合員に含める形で、自治会運営費や長期修繕費の確保を図るスキームが組まれています。これにより、住民の負担軽減とコミュニティの継続性の両立を目指します。

スマートタウンとタウンマネジメント

スマートタウン向け住民専用アプリ「NiSUMU」を導入し、住民向け情報発信、施設予約、緊急時の連絡などを統合的に提供する予定です。NiSUMUは株式会社Secualと積水化学工業が共同開発した統合サービスであり、地域の運営効率化や住民利便性の向上が見込まれます。

さらに、タウンマネジメントはグループの専門会社であるセキスイ合人社タウンマネジメント株式会社が担い、管理組合スキームに基づく運営・管理を行います。これにより、自治会運営の事務負担軽減や長期的な資金確保を実現し、地域の持続可能性を支えます。

開発概要とスケジュール、法制度上のポイント

本開発の所在地は北海道江別市野幌若葉町2番1ほか5筆、開発区域面積は27929.80㎡です。交通はJR函館本線「野幌」駅徒歩約8分(約580m)で、住環境と交通利便性のバランスが取れた立地です。

工期は令和7年10月(2025年10月)から令和8年9月(2026年9月)までが予定されています。開発にあたっては、北海道庁として初の景観協定の認可が予定されており、戸建分譲住宅街区ではガイドラインに基づいたまちなみ整備が行われます。

事業計画の主な内容(要点整理)

  • 戸建用宅地:69区画
  • 集合賃貸住宅:全20戸
  • 商業施設:ドラッグストア、コンビニエンスストア等
  • コミュニティ施設:クラブハウス(自治会館)
  • 防災・環境対策:クロスウェーブ(雨水貯留)、太陽光+蓄電池を標準装備
  • スマートタウン機能:住民専用アプリ「NiSUMU」、タウンマネジメント実施

これらは地域の利便性向上、子育て世代の定住促進、環境配慮とまちの防災性向上という三つの観点を同時に満たす設計思想に基づいています。

本事業の要点整理(表)

以下に、本記事で取り上げた事業の主要情報を表形式で整理します。事業の目的・規模・スケジュール・主要技術・関係機関などを一覧にまとめ、内容の把握を助けます。

項目 内容
発表者 積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:吉田匡秀)
発表日 2025年10月9日 11時00分
所在地 北海道江別市野幌若葉町2番1 ほか5筆
交 通 JR函館本線「野幌」駅 徒歩約8分(約580m)
開発区域面積 27,929.80㎡(約27,900㎡)
供給計画 戸建用宅地69区画、集合賃貸住宅20戸、商業施設(ドラッグストア・コンビニ)、クラブハウス(自治会館)
主要技術・設備 雨水貯留:クロスウェーブ、太陽光発電+蓄電池を戸建に標準装備、IoTを活用した防災・防犯技術、住民アプリ「NiSUMU」
スケジュール 工期:令和7年10月~令和8年9月(予定)/造成工事開始:2025年10月
関係機関・協定 江別市、北海道旅客鉄道株式会社、生活協同組合コープさっぽろ(三者の連携協定に基づく事業)
特徴的な制度対応 北海道庁における初の景観協定認可予定、戸建分譲街区のガイドライン策定
参考リンク SEKISUI Safe&Sound Project: https://www.sekisuiheim.com/safeandsound/index.html
総務省住民基本台帳等(江別市調査): https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003419945
江別市三者協定: https://www.city.ebetsu.hokkaido.jp/soshiki/tosikei/124381.html

本事業は、若年世帯の定住を支援する居住選択肢の拡充、地域利便性の向上、災害に強いインフラ整備、そしてコミュニティを長期に維持するための運営スキームを一体的に整備する点が特徴です。関係機関との連携や制度面での対応も含め、総合的なまちづくりとして進められます。