中国発IP「小林漫画」新宿で期間限定ポップアップ、ライブ制作も

ロンドンでの手応えを携えて新宿へ——中国発IP「小林漫画」の東京進出

2025年10月9日にロンドン・コヴェントガーデンでのポップアップストアが文化的な反響を呼んだ中国オリジナルIP「小林漫画」が、2025年10月9日付の発表を受けて本日東京・新宿にテーマポップアップストアをオープンしました。プレスリリースの公表日時は2025年10月11日15時10分となっており、同ポップアップは期間限定で10月12日までの開催です。

今回の出展は「中国IP + 中国製造」というコアモデルを掲げ、無料展示と文化クリエイティブ商品の販売という二つの形態を並行して展開します。ロンドンでの手応えを基点に、世界各地の生活シーンへ中国発のクリエイティブ表現を取り入れるための取り組みとして位置づけられています。

世界堂に近接する新宿三丁目の立地が意味するもの

ポップアップストアは新宿三丁目のアート街区の中心に位置し、日本最大級の画材店である世界堂新宿本店から徒歩約3分の距離にあります。世界堂は80年以上の歴史を持ち、約15万種類の専門美術用品を取り扱うことで知られており、周辺にはスタジオやギャラリーが密集するアートエコシステムが形成されています。

この立地は、小林漫画が持つ水墨に由来する表現と現代的な癒し系のビジュアルを、創作現場と日常的に接続させる点で戦略的です。画材の聖地としての世界堂と周辺の文化的集積は、訪れるアーティストや愛好家に向けた展示と商品の接触機会を高める効果が期待されます。

共同制作と展示構成：金城と林帝浣による時空を超えた対話

ポップアップの核心的なハイライトは、広東省の著名なアーティスト金城と小林漫画の創始者である林帝浣（りん ていかん）による現地での共同制作です。共同制作は10月10日から11日の期間中に実施され、二人は会場で主視覚装置を共同制作します。

両者は2019年に共同で企画顧問を務めた企画「水墨から来る——中国アニメ日本行」に関わった経歴を持ち、その際の展示は大阪や神戸で熱い反響を得ていました。今回の共同制作は、金城の「古を学びつつ古にとらわれない」精神と、林帝浣の癒し系表現を融合させ、水墨を基礎にした現代漫画の線を織り交ぜた視覚装置を生み出すことを目指します。

共同制作日程

2025年10月10日〜11日（会場でのライブ共同制作）

主な展示要素

水墨を基にした主視覚装置、金言とビジュアルの組合せ、世界堂の画材要素と東京の街景の融合

過去の関連活動

2019年「水墨から来る——中国アニメ日本行」企画顧問（大阪・神戸で展示）

展示作品の表現と観覧ポイント

展示は小林漫画の象徴的な癒し系スタイルを踏襲しつつ、視覚的に日本のアートコミュニティの日常風景に溶け込むことをねらっています。作品は水墨画の筆致と漫画的な線描を並列させ、言葉（金言）を併記することで静かな共鳴を生み出します。

会場で提示される言葉には以下のようなものが含まれます。これらは作品に頻出するテーマであり、国境を越えて共振する短い語句として提示されます。

• 「時には大人になり、常に自分でいる」
• 「光を心に隠し、常に自分を照らす」

主視覚装置は世界堂の画材要素と新宿の街景を重ね合わせることで、来場者が作品を通じてアーティストの制作プロセスや素材感を直感的に把握できる構成となる予定です。

来場・販売の仕組みと文化的意義

本ポップアップストアは展示入場が無料であり、同時に中国製の高品質な文化クリエイティブ商品を販売する形態を採ります。主催側は無料展示によって文化的接触の障壁を低くし、商品販売を通じて日常的なシーンへ中国IPを自然に取り入れることをめざしています。

プレスリリース中で林帝浣氏は次のように述べています。「ロンドンのポップアップストアの成功は、誠実な感情表現が国境を越える力を持つことを示しています。新宿は東京の文化的なハブとして、世界堂周辺のアートエコシステムは私たちのIPの遺伝子と高度に一致しています。私たちは無料の展示を通じて文化的接触の障壁を打破し、中国製の高品質な文化クリエイティブ商品を用いて、中国IPをより軽やかな姿勢で国際的な生活シーンに取り入れたいと考えています。」

このポップアップの取り組みは単なる販売促進を超え、アーティストによる現地での制作や展示構成を通じて、中日間の文化交流の新しいシーンを模索する試みとしても位置づけられます。関連情報や作品の詳細はオフィシャルサイトで確認できます：https://www.xiaolincomic.com/

以上が今回のポップアップストア開催に関する主要な情報となります。ロンドンでの成功を踏まえ、新宿のアートエコシステムに位置づけられた今回の出展は、作品表現と物販を通じた柔らかな国際展開を試みるものです。展示・共同制作・販売の三本柱が、現地のアーティストコミュニティや来訪者とどのように結びつくかが注目されます。