ERPC、Firedancer要素採用RPCをDevnet/Testnetで稼働開始

ERPC Firedancer稼働開始

開催日:10月13日

ERPC Firedancer稼働開始
Firedancerって何で速くなるの?
Jump Cryptoが開発するSolana向けの新クライアントで、ネットワーク処理の効率化とハードウェア資源の最小化を目指す実装。ERPCの検証ではメモリ半減や応答速度改善などの効果が確認されています。
ベータテストに参加したいときはどうすればいい?
ERPC利用者を優先して案内されます。参加希望や導入相談はValidators DAOの公式Discordで受け付け中なので、該当のDiscordに参加して問い合わせると案内が届きます。

Firedancerを取り入れたERPCの新たなRPC稼働 — Devnet/Testnetでの確認結果

ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)がValidators DAOと運営するERPCは、Solanaの次世代クライアントであるFiredancerの構成要素を採用したRPCをDevnetおよびTestnet環境で正式に稼働開始しました。プレスリリースは2025年10月13日 04時46分に発表されています。

従来のAgave構成との比較では、全体的な軽量化と性能向上が確認されており、これにより基盤そのものを進化させる取り組みが一段と進みます。ERPCは「高速化・安定化・低レイテンシ」を掲げ、開発段階から本番環境に至るまでのユーザー体験向上を目指しています。

ERPC、Solana Firedancer ベースのRPCをDevnet/Testnetで運用開始。軽量化と性能向上を確認し、Mainnet Beta ベータテスト受付開始 画像 2

Firedancerとは何か

FiredancerはJump Cryptoが開発を進めている新しいSolanaバリデータクライアントで、既存のAgaveとは独立した実装を目指しています。目的はネットワーク処理の効率化とハードウェア資源の最小化であり、圧倒的なスループットと低レイテンシを両立することです。Solana Foundationも導入支援を行っており、完全版のリリースに向けた準備が進んでいます。

現在のERPC運用では、Frankendancerと呼ばれるAgaveとFiredancerを併用するハイブリッド構成を段階的に採用しています。段階的アプローチによりネットワーク全体の安定性と互換性を保ちながらFiredancerの要素を先行展開しています。詳細はJump CryptoのFiredancer紹介ページ(https://jumpcrypto.com/firedancer/)にて公開されています。

  • 稼働開始日:2025年10月13日(プレスリリース発表日時:2025年10月13日 04時46分)
  • 運営:ELSOUL LABO B.V.(代表:川崎文武)/ Validators DAO
  • 導入環境:DevnetおよびTestnet
ERPC、Solana Firedancer ベースのRPCをDevnet/Testnetで運用開始。軽量化と性能向上を確認し、Mainnet Beta ベータテスト受付開始 画像 3

Frankendancerによる具体的な改善点と運用状況

ERPCが導入したFrankendancer構成は、AgaveクライアントとFiredancer要素を併用するハイブリッド構成です。DevnetおよびTestnetでの稼働確認により、従来のAgave構成に比べて処理効率の向上メモリ使用量の大幅削減(半分以下のメモリで安定稼働)が確認されています。

この結果により、軽量化と応答速度の改善が同時に実現され、開発・検証段階でも滑らかな操作感と安定性を両立できる環境が整いました。Frankendancerは本番規模のトラフィックや高負荷下での挙動を重点的に検証するための前段として位置付けられています。

検証で得られた技術的インパクト

検証の過程で得られた代表的なポイントは次の通りです。まず、メモリ使用量の低減はノード運用コストの低下につながり、同時に応答速度の改善はトランザクションの遅延削減に直結します。これらは特に高頻度トランザクションを扱うアプリケーションで重要となります。

また、段階的導入により互換性リスクを抑えつつ新技術を適用できるため、既存ユーザーへの影響を最小化しつつ本番環境移行への準備を進められる点が強調されています。

主な改善点
・全体的な処理効率の向上
・メモリ使用量が従来比で半分以下での安定稼働
・応答速度(レイテンシ)の改善

Mainnet Beta段階的展開と参加案内

ERPCはDevnetおよびTestnetでの安定稼働確認を受け、FiredancerベースのRPC構成をMainnet Beta環境へ段階的に展開します。ベータテストではFrankendancer構成が本番規模のトラフィックや負荷下でも安定動作を維持できるかを重点的に検証します。

参加案内は既にERPCを利用中の顧客を優先して案内する方針です。ベータテスト参加や導入相談はValidators DAO公式Discord(https://discord.gg/C7ZQSrCkYR)を通じて受け付けています。既存ユーザーを優先する理由は、本番環境移行時の互換性確認や安全性の確保を重視するためです。

ベータ段階で重点的に評価する項目

ベータテスト期間中に重点的に評価される項目は以下の通りです。まずはトラフィック耐性の検証、次にネットワーク遅延・応答時間の安定性、そして最後にメモリ・CPUなどのリソース消費の実務的な評価です。これらは本番切替時のリスク管理に直結します。

参加に関する手順や相談は、Validators DAOの公式Discord(https://discord.gg/C7ZQSrCkYR)で案内されています。既存ERPCユーザーは優先案内対象となるため、導入検討中のプロジェクトはDiscordでの確認が推奨されます。

開発者向けサービス:Solana RPC BundleとPremium Ryzen VPS

ERPCが提供するSolana開発者向けのサービスとして、Solana RPC Bundleプランと同一ネットワーク内で稼働するPremium Ryzen VPSがあります。BundleはgRPC(Geyser)とShredstreamを組み合わせる実務的なニーズに対応するために設計されています。

多くの開発者はまずGeyser gRPCからリアルタイムストリーム活用を始めますが、プロはより高速なShredstreamを利用して高頻度のデータ取り込みを行います。BundleはRPCとgRPCのコネクションを持っていれば、より安価にShredstreamをセットにできる料金設計となっており、導入障壁を下げる仕組みです。

Bundleの特徴と利用シナリオ

Bundleの主な特徴は以下です。gRPC(Geyser)は既に多くの導入例があり学習コストが低いこと、Shredstreamはより高速でprocessedとconfirmedの両方のデータが取得可能な点です。Shredstream単体での活用は独自クライアントの開発が必要ですが、BundleはまずShredstreamを受け取る経路を提供することでその移行を容易にします。

BundleのgRPCはフィルター制限がなく、開発段階はもちろんRPCのDevnet/Testnetにも対応します。これにより、開発のスタートから本番運用への移行まで一貫した環境で作業できます。導入や移行の相談はValidators DAO公式Discord(https://discord.gg/C7ZQSrCkYR)で受け付けています。

Premium Ryzen VPSの仕様と設置環境

Premium Ryzen VPSはERPCと同一ネットワーク内で稼働し、次の仕様を備えています:世界最速クラスの5.7GHz高クロックCPU、ECC DDR5メモリ、NVMe4ストレージ、25Gbps×2のネットワーク。仮想化環境でありながらオーバーコミットを行わない設計のため、ベアメタル級の安定性能を提供します。

また主要SolanaバリデータやJito Shredstreamと同一データセンターに配置されており、ゼロ距離接続によってインターネット経由の遅延を排除しています。性能とコスト効率を両立する構成として、多くのプロジェクトから評価を得ています。導入相談はValidators DAO公式Discordで受け付けられます(https://discord.gg/C7ZQSrCkYR)。

開発体制、SLVオープンソース、解決を目指す課題

ERPCとValidators DAOはSLVを中核としたオープンソース開発を進めており、Solanaノード運用の即時立ち上げ、自動更新、ゼロダウンタイム移行を可能にしています。SLVはFiredancerを含むRPCやノード構成の立ち上げを簡単にして、検証参加を広く受け入れる環境を提供します。

これまで数多くのテストランニングを通じてERPCおよびバリデータ運用の継続的改善が実施され、信頼できるデータセンターパートナーと連携した成果はユーザーに還元されています。SLVのソースはGitHubで公開されており、詳細はhttps://github.com/ValidatorsDAO/slvで確認できます。

ERPCとValidators DAOが掲げる主要な解決課題

今回の取り組みで明示された解決対象は次の項目です。RPC環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動、多くのインフラプロバイダーによる性能制限、ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ、そして小規模プロジェクトが高品質インフラへアクセスしづらい点です。

Epics DAOの開発過程で得た知見から、これらの課題を解消するための独自プラットフォーム構築が行われ、そのノウハウを基にERPCやSLVが提供されています。金融分野などミッションクリティカルなアプリケーションでは遅延やエラーが直接UXに影響するため、高性能基盤の提供が特に重要視されています。

関連リンク一覧
・ERPC公式サイト:https://erpc.global/ja
・SLV公式サイト:https://slv.dev/ja
・elSOL公式サイト:https://elsol.app/ja
・Epics DAO公式サイト:https://epics.dev/ja
・Validators DAO公式Discord:https://discord.gg/C7ZQSrCkYR
・Firedancer(Jump Crypto):https://jumpcrypto.com/firedancer/
・プレスリリース掲載ページ:https://labo.elsoul.nl/ja/news/2025/10/13/erpc-solana-firedancer-devnet-testnet-rpc/

また、プレスリリース素材として使用された画像ファイルのダウンロード提供も案内されています。

要点整理(表形式)

本稿で紹介した主な事実とリンクを表で整理します。以下の表は発表要旨、技術的効果、提供サービス、問い合わせ窓口を簡潔にまとめたものです。

項目 内容
発表者 ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武) / Validators DAO
発表日時 2025年10月13日 04時46分
導入技術 Firedancer要素を採用したRPC(Frankendancerハイブリッド構成)
稼働環境 Devnet / Testnet(安定稼働確認済み)、Mainnet Betaへ段階的展開予定
確認された効果 処理効率の向上、メモリ使用量が半分以下で安定稼働、応答速度の改善
ベータ参加案内 既存ERPC利用者を優先。問い合わせ:Validators DAO公式Discord(https://discord.gg/C7ZQSrCkYR)
開発者向けサービス Solana RPC Bundle(RPC+gRPC+Shredstreamのセット)、Premium Ryzen VPS(5.7GHz、ECC DDR5、NVMe4、25Gbps×2)
オープンソース SLVを中核にオープンソース開発を継続(GitHub: https://github.com/ValidatorsDAO/slv)
解決を目指す課題 トランザクション失敗やレイテンシ変動、インフラ制限、通信距離による品質低下、小規模プロジェクトのインフラ参入障壁
関連リンク ERPC公式:https://erpc.global/ja、プレスリリース:https://labo.elsoul.nl/ja/news/2025/10/13/erpc-solana-firedancer-devnet-testnet-rpc/ 他

上記はERPCとValidators DAOによる発表内容を整理したもので、Devnet/Testnetでの技術検証結果、Mainnet Betaへの段階的展開方針、Solana開発者向けのBundleとVPSの仕様、SLVを中心としたオープンソース活動と解決を目指す課題までを含めてまとめています。

参考リンク: