EXPO2025シンガポールパビリオン10/13閉幕、赤ディスク四條畷へ
ベストカレンダー編集部
2025年10月15日 15:14
シンガポールパビリオン閉幕
開催期間:4月13日〜10月13日
シンガポールパビリオンが紡いだ「夢」と来館者の数
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に出展したシンガポールパビリオンは、2025年10月13日(祝・月)の閉幕をもって、6か月間にわたる展示期間を終了しました。会期は2025年4月13日から10月13日までの184日間に及び、期間中の来館者数は210万名以上に達しました。プレスリリースは2025年10月15日 12時59分付で発表され、写真クレジットには「ⒸThe Singapore Pavilion, Expo 2025 Osaka」と記載されています。
パビリオンは「夢」をテーマに掲げ、タグライン「ゆめ・つなぐ・みらい」を体現する場として設計されました。来場者は展示を通じてシンガポールの創造性や持続可能性を体験し、個々の未来への想像力を共有することができました。展示内の主要コンテンツには来館者自身が未来への夢を書き込むスペース「ドリーム・リポジトリ」があり、多世代にわたる来場者の願いが集まりました。
来館者が共有した「夢」の内容と飲食体験
ドリーム・リポジトリに集まった夢のうち、上位を占めたのは「平和」「健康」「幸せ」の三つでした。世代や背景を越えて共通する願いが来場者間で確認され、展示のテーマと強く結びつきました。
また、パビリオン内に設けられた飲食スペース「シオック!カフェ」では、シンガポールを代表する料理が提供され、来場者の人気トップ3はチキンライス、ラクサ、ロティ・プラタでした。食を通じた文化理解・交流の場としての役割も果たしました。
文化発信とパフォーマンス、著名人の来訪
パビリオンでは、シンガポールから招聘したパフォーミングアーティストによるステージが定期的に行われ、多彩な音楽シーンとパフォーマンスを通じて来場者との文化交流が図られました。公演や展示の内容はメディアにも広く取り上げられ、国内外での注目度が高まりました。
また、敬宮愛子内親王ら多くの要人の来訪が記録され、両国の友好関係を象徴する機会となりました。駐日シンガポール共和国大使兼シンガポール陳列区域政府代表のオン・エンチュアンは次のように述べています。
「シンガポールパビリオンは、愛子内親王殿下をはじめ多くの皆様をお迎えし、夢を共有する場となったことを心より嬉しく思います。来年の外交関係樹立60周年を前に、この万博は両国の絆を深める意義深い機会となりました。シンガポール政府、そしてこの万博に感銘を受けた全てのシンガポールの人々に代わり、日本政府、2025年日本国際博覧会協会をはじめ関係者の皆様のご支援に対して、心より感謝申し上げます。この万博を通じて、人々の夢が国境を越えて繋がり、持続可能な未来の礎となることを願っております。」
この発言は、文化交流と外交的な意味合いの両方を示しており、来年迎える日・シンガポール外交関係樹立60周年に向けた期待も述べています。
受賞と評価――来場者からの支持
シンガポールパビリオンは、米国の展示会専門誌EXHIBITOR Magazine主催の「People’s Choice Award」を受賞しました。この賞は実際に来場した来館者の投票で決まるもので、来場者から高い評価と共感を得たことを示す国際的な評価です。
受賞はパビリオンの展示体験、プログラム、演出、来場者とのインタラクションが総合的に評価された結果であり、展示の質と来場者満足度の高さを裏付けています。
持続可能性と地域への継承:赤いディスクの新たな役割
展示に使用された建材のうち、外観に用いられた赤いアルミニウムディスク約2,000枚が、会期終了後に再利用されることが決定しました。これらは大阪府四條畷市で新たに整備される文化施設「100にんのサンタえほんの森」の屋根材として活用されます。
この再利用は、パビリオン設計時に掲げられた持続可能性の理念を具体的に地域に還元する取り組みです。使用済みの展示資材を地域の公共施設に転用することで、廃棄を最小化し資源循環を図るモデルとなります。
「100にんのサンタえほんの森」プロジェクトの概要
「100にんのサンタえほんの森」は既存建物をリノベーションして図書館・美術館・カフェが融合した複合文化施設として整備される計画です。本プロジェクトは絵本作家・谷口智則氏の作品『100にんのサンタクロース』の世界を体感できる場づくりを目指します。
市内にはすでに99体のサンタクロースが設置されており、最後の100体目はこの新施設に配置されます。そこにシンガポールパビリオンの赤いディスクが屋根材として使われることで、パビリオンの持続可能な資源活用の理念が地域文化のプロジェクトに継承されます。
- 再利用資材:赤いアルミディスク 約2,000枚
- 再利用先:大阪府四條畷市「100にんのサンタえほんの森」屋根材
- 施設内容:図書館・美術館・カフェの複合施設(既存建物のリノベーション)
- 関連作家:谷口智則氏(『100にんのサンタクロース』)
経済連携・組織情報・オンラインでの発信
シンガポールパビリオンは展示を通じて観光文化の紹介だけでなく、ビジネス連携の場としても機能しました。パビリオン内では、シンガポール経済開発庁(EDB)やシンガポール企業庁(EnterpriseSG)など政府機関や業界専門家と連携し、スマートシティ技術、持続可能エネルギー、フィンテックなどの分野での知見や取り組みを共有しました。
これらの活動は、日・シンガポール間の経済連携を深める基盤形成に寄与するものと位置づけられます。展示で示された革新的なアプローチは、今後の共同研究や事業展開の契機となる可能性があります。
組織の概要とオンライン窓口
シンガポール政府観光局(Singapore Tourism Board, STB)は、シンガポール通商産業省に所属する政府機関で、観光の促進と観光資源の開発を担っています。海外に20の支局と5のマーケティング・オフィスを持ち、日本では1973年に東京オフィスを設立しています。
万博期間中の情報発信および今後の関連情報は以下のオンライン窓口で行われます。また、パビリオンの公式マスコット・キャラクター「マーリー」も引き続き関連情報やイベントで登場予定です。
- 公式パビリオンサイト
- https://expo2025singapore.sg/?lang=ja
- Visit Singapore(公式観光情報)
- https://www.visitsingapore.com/ja_jp/
- シンガポール政府観光局(コーポレート)
- https://www.stb.gov.sg/
- 公式日本語Instagram
- https://www.instagram.com/visit_singaporejp/
- 公式YouTubeチャンネル
- https://www.youtube.com/visitsingapore
- 公式LinkedIn
- http://www.linkedin.com/company/singapore-tourism-board
以上がシンガポールパビリオンに関する主な事実と取り組みの整理です。以下に本記事で取り上げた主要項目を表形式でまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| パビリオン名 | EXPO 2025 大阪・関西万博 シンガポールパビリオン |
| 会期 | 2025年4月13日〜2025年10月13日(184日間) |
| 閉幕日(発表記載) | 2025年10月13日(閉幕)、プレス発表日 2025年10月15日 12:59 |
| 来館者数 | 210万名以上 |
| テーマ/タグライン | テーマ「夢」、タグライン「ゆめ・つなぐ・みらい」 |
| 来館者のトップ3の夢 | 平和、健康、幸せ |
| 人気料理トップ3(シオック!カフェ) | チキンライス、ラクサ、ロティ・プラタ |
| 再利用資材 | 赤いアルミディスク 約2,000枚(屋根材として再利用) |
| 再利用先 | 大阪府四條畷市「100にんのサンタえほんの森」 |
| 関連プロジェクト | 谷口智則氏『100にんのサンタクロース』をテーマにした複合文化施設(図書館・美術館・カフェ) |
| 受賞 | EXHIBITOR Magazine 主催「People’s Choice Award」受賞 |
| 主要連携機関(ビジネス面) | シンガポール経済開発庁(EDB)、シンガポール企業庁(EnterpriseSG)等 |
| 組織情報 | シンガポール政府観光局(STB)— 海外20支局、マーケティング・オフィス5、東京オフィスは1973年設立 |
| 関連URL | https://expo2025singapore.sg/?lang=ja https://www.visitsingapore.com/ja_jp/ https://www.stb.gov.sg/ |
本稿では、シンガポールパビリオンの会期中の活動、来館者の反応、受賞歴、建材の循環利用と地域プロジェクトへの継承、並びに関連機関とオンライン窓口を整理しました。展示で示された複合的な取り組みは、文化・観光・経済の各分野での交流を通じて、持続可能性と共生をめざす実践として記録されています。
参考リンク: