首都圏学生が浜松で学ぶ ものづくり×食文化ツアー
ベストカレンダー編集部
2025年10月20日 11:17
遠州・浜松スタディツアー
開催期間:9月10日〜9月12日
首都圏の学生が遠州・浜松で地域産業と食文化を学ぶ3日間
有限会社春華堂(本社:静岡県浜松市)、株式会社静岡新聞社・静岡放送株式会社(本社:静岡県静岡市)、スズキ株式会社(本社:静岡県浜松市)、ローランド株式会社(本社:静岡県浜松市)は、首都圏の大学生を対象とした「スタディツアー」を、2025年9月10日(水)から9月12日(金)までの3日間、浜松市の後援のもと開催しました。このプレスリリースは有限会社春華堂より、2025年10月20日 11時00分に発表されています。
本事業は遠州・浜松のものづくり産業と食文化を軸に据え、首都圏の学生に実際の企業訪問、農業体験、ワークショップを通じて地域課題について考える学びの機会を提供することを目的としています。地域社会の活性化と次世代人材の育成を目指す越境型の地域学習プログラムです。
開催趣旨と運営体制
本スタディツアーは、一般社団法人和栗協議会へ参画し、事務局を担う有限会社春華堂が発起人となり実施しました。主催・運営には新聞・放送・製造業など多様な企業が参画し、地域の産業構造と企業文化を学生に直接伝える仕組みとなっています。
また、浜松市の後援を受け、地域の協力を得ながら実施。写真資料として「講義の様子」や「移動の様子」といった現地での活動を伝える画像も提供されています(発表資料より)。
訪問先とプログラム構成:企業・農園・ワークショップを一体化
参加学生は企業訪問と農業体験、グループワークの三領域を組み合わせたプログラムを通じて、現場で働く人々の思いや地域資源の特性を学びました。訪問先や体験内容は次のとおりです。
本章では訪問先の企業と、現地で行われた具体的な活動について詳述します。各訪問先でのディスカッションや社員との意見交換が、課題解決型のワークショップでの議論に直接結びつく設計です。
訪問先一覧と役割
- 有限会社春華堂(浜松市)— 本ツアーの事務局機能を担う企業。地域の食文化とスイーツ製造の現場を紹介。
- スズキ株式会社(浜松市)— モビリティ産業を代表する企業として製造現場や技術・事業戦略を公開。
- ローランド株式会社(浜松市)— 音楽機器を中心とした製造と情報コンテンツ事業の現場を紹介。
- 株式会社静岡新聞社・静岡放送(静岡市)— 情報発信と地域メディアの役割を講義・現場見学を通じて提示。
- 株式会社ソミックマネジメントホールディングス(本社:磐田市)— 自動車部品や関連事業の視点から地域産業の連携を紹介。
- 株式会社HACK(浜松市)— 地域に根ざしたスタートアップや事業開発の取り組みを共有。
- 山ノ舎(浜松市)— 地域の暮らしや小規模事業の現場を学ぶ拠点。
- 栗園地(掛川)— 農業体験のフィールド。和栗の栽培現場における一次産業の実態を体感。
ワークショップとチーム編成
参加者は立命館大学、立教大学、立正大学の学生21名と教員10名で構成され、テーマごとにチームを編成しました。テーマは「食」「情報コンテンツ」「モビリティ」「音楽」「学び」の5分野で、各チームは企業社員とディスカッションを重ねながら課題解決のアイデアを創出しました。
最終日には各チームがまとめた課題解決アイデアを発表し、参加企業の担当者や経営層と意見交換を行いました。学生の提案は、現場の視点を取り入れた具体案が多く、企業側にとっても新たな気づきとなる場になりました。
参加学生の声と発起人の意図
プログラムに参加した学生や運営側のコメントは、学びの深さとプログラムの設計意図を示しています。ここでは参加者の体験談と、発起人である有限会社春華堂の間宮専務のコメントを紹介します。
学生の声と運営側コメントは、プログラムが単なる見学に留まらず、参加者の価値観や行動を広げる実践的な学習機会であったことを裏付けています。
参加学生の声
立命館大学 食マネジメント学部の3年生(女性)は、三日間のツアーを通じて地域の現状や課題に触れるだけでなく、自身の考え方や行動の幅が広がったと述べています。多様な専門分野の学生と議論を交わす中で、相手の意見を尊重しつつ自分の考えを整理して伝えることの重要性を学んだとしています。
この学生は、スタディツアーで得た学びを今後の活動に生かし、人とのつながりを大切にしながら新たな挑戦に取り組んでいきたいと述べています。企業や地域での具体的な経験が将来の選択や行動に影響を与える様子がうかがえます。
発起人:有限会社春華堂 間宮専務のコメント
間宮専務は、スタディツアーの目的を次のように語っています。都会の学生が遠州の地域資源や現地の生産者・企業人との出会いを通して学ぶことで、一次産業が地域文化を形づくり、その上に成り立つ二次・三次産業の関係性を理解してほしいという点を重視しています。
さらに、単なる「職業選択」のヒントに留まらず、「その土地でどう生き、どう貢献するか」を考える機会にしてほしいとの意図を述べ、まずは実践してみるという“やらまいか精神”にもとづき本事業を実施したと説明しました。運営に携わった若手社員の成長や企業間の関係構築にもつながる点を評価し、地域全体の学びと誇りを育む場になることが期待されています。
追加参加と和栗協議会の位置づけ、実施内容の整理
本スタディツアーには、9月の第1グループに続き、2025年10月10日(金)から10月12日(日)にかけて法政大学の学生8名と教員1名が初参加し、天竜の山間地域を中心とした企業訪問や課題解決プログラムに取り組みました。参加者や訪問先、地域の特性を踏まえた演習が行われています。
ここでは実施した活動内容を整理し、関係団体としての一般社団法人和栗協議会の概要を示します。和栗協議会は地域資源の保全と産業復興を目的に設立され、本取り組みとも関連性があります。
実施内容の一覧
- 地元企業訪問(有限会社春華堂、スズキ株式会社、ローランド株式会社、静岡新聞社・静岡放送、株式会社ソミックマネジメントホールディングス、株式会社HACK、山ノ舎)
- 栗園地(掛川)での農業体験
- ワークショップ(地域課題解決型グループワーク)
- 学生と企業経営層・担当者との交流
これらは全て、学生が地域資源と企業活動の連関を理解し、現場での課題に対する実践的な提案を行うための構成となっています。
一般社団法人 和栗協議会 概要
- 理念
- 「地域“志”本主義」で描く、リジェネラティブなまちづくり。
- 沿革と組織
- 遠州・和栗プロジェクトとして2022年7月にスタートし、2025年2月には51者へと参加組織を拡大して一般社団法人「和栗協議会」を設立しました。
- 目的
- 「和栗」産業復興をケーススタディとし、産×官×学×農×林の枠を超えた共創により一次産業と地域の活性化を推進すること。
本スタディツアーは和栗協議会の活動とも親和性が高く、地域資源を活かした教育・産業連携の一環として位置づけられます。
ツアー要点の整理と結び
以下の表は、本記事で取り上げたスタディツアーの主要事項を整理したものです。プログラムの目的、参加者、実施日程、訪問先および主催・協力団体を一覧で示しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表元 | 有限会社春華堂(2025年10月20日 11時00分発表) |
| 開催日程(第1回) | 2025年9月10日(水)〜9月12日(金) |
| 追加開催 | 2025年10月10日(金)〜10月12日(日) 法政大学の学生8名・教員1名が参加 |
| 参加者(第1回) | 立命館大学・立教大学・立正大学の学生21名・教員10名 |
| 主な訪問先 | 有限会社春華堂、スズキ株式会社、ローランド株式会社、静岡新聞社・静岡放送、株式会社ソミックマネジメントホールディングス、株式会社HACK、山ノ舎、栗園地(掛川) |
| 主要テーマ | 食、情報コンテンツ、モビリティ、音楽、学び |
| 実施内容 | 企業訪問、農業体験、地域課題解決型ワークショップ、学生と経営層の交流 |
| 後援 | 浜松市 |
| 関連組織 | 一般社団法人和栗協議会(2022年7月にプロジェクト開始、2025年2月に51者で法人化) |
| 問い合わせ・参照 | https://www.shunkado.co.jp/waguri/ |
このスタディツアーは、学生が現場に触れることで地域資源と産業構造の関係を理解し、課題解決に向けた発想を具体化することを狙いとしています。また、運営側にとっても社員の成長や企業間の連携強化につながる取り組みとして位置づけられています。発起団体と参加企業、教育機関が連携することで、地域の学びの場が広がりを見せていることが確認できます。