給食愛を描く新作文庫『炎の修学旅行』刊行、映画と連動

給食愛がスクリーンから文庫へ──シリーズ最新作の刊行情報

「おいしい給食」シリーズの最新作となる原作本『おいしい給食 炎の修学旅行』が、中央公論新社の中公文庫より2025年10月21日に刊行されます。本作は映画『おいしい給食 炎の修学旅行』の原作であり、映画では俳優・市原隼人が主演を務めます。プレスリリースは学校法人吉田学園より同日12時30分に発表されています（Ⓒ紙吹みつ葉／中公文庫）。

本記事では刊行の基本情報と、原作者・挿絵担当がともにアミューズメントメディア総合学院（以下、AMG）に関係する点に着目して、書誌データや関係者の経歴、作品のあらすじ、学校側の産学共同体制までを整理してお伝えします。

刊行の基本情報

刊行物は文庫判の書籍で、定価は946円（10%税込）、ページ数は248ページとなっています。初版刊行日は2025年10月21日、ISBNはISBN978-4-12-207706-5です。書籍の公式商品ページは中央公論新社の該当ページに掲載されています。

書誌情報は以下の通りで、URLは出版社の製品ページへリンクしています。作品は映画化と連動した刊行であるため、原作としての位置付けと関連したメディア展開にも注目が集まります。

原作者・挿絵担当はAMGに縁のあるクリエイターたち

本作の原作者は紙吹みつ葉（かみふき みつは）さんで、挿絵や書籍内の給食イラストはアミューズメントメディア総合学院 キャラクターデザイン学科2年のこんぶさんが担当しています。両者ともAMGに縁のあるクリエイターとして、学内外の産学共同の取り組みと実務経験が反映された作品となっています。

原作者と学生イラストレーターの関わりは、作品の表現に具体性と現場感をもたらしており、原作小説が映画と連動するメディアミックス作品としての厚みを増しています。

紙吹みつ葉の経歴と主な活動

紙吹みつ葉さんは東京都生まれ、アミューズメントメディア総合学院 小説・シナリオ学科の卒業生です。AMGを2006年に卒業し、同年に『つよきす～Mighty Heart～竜胆館のユーレイ』（ファミ通文庫）で作家デビューを果たしました。

その後も映画『柴公園』やドラマ『おいしい給食』の原作本を担当するなど、多岐にわたるメディアで執筆活動を継続しています。comicoノベルやチャット風小説アプリ「peep」での連載もあり、紙吹さんの創作活動は小説・シナリオの分野で幅広く展開されています。学歴・デビュー年などは以下に整理します。

卒業年

2006年（アミューズメントメディア総合学院 小説・シナリオ学科）

デビュー作

2006年『つよきす～Mighty Heart～竜胆館のユーレイ』（ファミ通文庫）

主な担当作

映画『柴公園』原作担当、ドラマ『おいしい給食』原作本担当、各種連載（comicoノベル、peep等）

こんぶさん（キャラクターデザイン学科2年）の担当とコメント

本書に収録された給食の献立イラストは、AMGキャラクターデザイン学科の在学生であるこんぶさんが担当しました。こんぶさんは「入学前から産学共同のコンペティションで実績を積みたいと思っていたため、チャレンジしました」と述べています。

さらに制作について、こんぶさんは「キャラクターと同じぐらい食べ物を描くことが好きで、細部まで楽しく制作することが出来ました。思わず食べたくなるようなリアルさを目指しながら、美味しそうに魅せる工夫は以前採用された先輩方の作品を見て学びました」と語っており、学生作品としてのクオリティと制作姿勢が反映されています。学生作品としての献立イラストは本書に収録されています。

物語の舞台設定と映画化とのつながり

『おいしい給食 炎の修学旅行』の物語は1990年（平成初期）を背景に、函館の中学校を舞台とする日常と修学旅行のエピソードを通して「給食愛」を描きます。主人公は数学教師の甘利田幸男で、担当する三年生とともに修学旅行に出かけ、青森・岩手の郷土料理に触れる展開が物語の中心に据えられています。

原作が映画化されるにあたって、舞台設定や料理描写、人物関係の丁寧な描写は映像化の際にも重要な要素となり、映画版と文庫版の双方で世界観を共有する資料としての役割を果たします。

あらすじ（本文の要旨）

物語の大筋は次の通りです。1990年、函館の中学校で相変わらず「給食愛」を貫く数学教師の甘利田幸男が、担当する三年生とともに修学旅行に出かけます。舞台は青森と岩手で、地元の名物であるせんべい汁やわんこ蕎麦といったご当地料理が物語の重要な背景として描かれます。

甘利田はライバルの粒来ケン（つぶらい ケン）とともに期待に胸を膨らませますが、旅行先で思わぬ人物と再会することになり物語は展開していきます。給食や食事に対する細やかな描写が、登場人物たちの心情や関係性を色濃く描き出します。

• 時代：1990年（平成2年頃）
• 舞台：函館（発端）→青森、岩手（修学旅行）
• 主要人物：甘利田幸男（数学教師）、三年生の生徒たち、粒来ケン（ライバル）
• 地域の名物：せんべい汁、わんこ蕎麦など

映画との関連と公式サイト

映画『おいしい給食 炎の修学旅行』は原作を基にした映像作品で、主演は市原隼人が務めます。原作本の刊行は映画公開やプロモーションと連動したメディア展開の一環として行われており、両者の相互参照により世界観を補強します。

映画の公式サイトは次のURLで確認できます。映像化に伴うキャスト・スタッフや公開情報、関連イベント等の最新情報は公式サイトで案内されます。
https://oishi-kyushoku4-movie.com/

AMGの産学共同教育と刊行プロジェクトの位置付け

アミューズメントメディア総合学院（AMG）は、2年間でエンタテインメント業界の即戦力を育成することを目的に1994年に設立され、2025年で開校31年目を迎えます。本学院の教育理念は「制作現場こそ、最高の教育現場である。」であり、産学共同や現場実践教育を通じて在学中からプロの制作現場に参加する機会を提供しています。

今回の刊行もその一環として、AMG出版が企画立案を行い、学生や卒業生が外部企業と共同でプロジェクトに参加する形で実現しました。学院側の教育プログラムと出版・映像制作などの事業部門が連携する体制が、学生の現場経験とデビューの機会を生み出しています。

AMG出版と産学共同の仕組み

AMGでは学内に出版社（AMG出版）を持ち、マンガやイラスト本・小説などの企画立案を行っています。外部企業と共同で様々なプロジェクトを実施することで、在学中から商業コンテンツの制作に関わる機会が用意されています。

この仕組みにより、学生は実際の制作現場でプロの指導を受けながら、自らの作品を商業流通させる経験を積むことができます。邦画制作、外国映画の吹替えスタジオ、ゲーム開発、小説・漫画の出版など、多様な事業部門での参加が可能です。

学院名

アミューズメントメディア総合学院（AMG）

所在地（本館）

〒150-0011 東京都渋谷区東2-29-8

代表者

理事長 吉田 東吾／学院長 永森 裕二

創立

1994年

主な学科

声優学科、CG学科、アニメーション学科、キャラクターデザイン学科、声優専科、インディーゲーム開発専科

姉妹校

大阪アミューズメントメディア専門学校（大阪市淀川区西中島3-12-19）

URL（東京校）

https://www.amgakuin.co.jp/

URL（大阪校）

https://www.amg.ac.jp/

AMG出版HP

https://www.amgakuin.co.jp/amg-publishing/

資料請求

https://www.amgakuin.co.jp/ssl/shiryou/

まとめ（要約表）

以下の表は、本記事で取り上げた刊行情報、関係者、学校情報を整理した要約表です。刊行日やISBN、関係者の肩書きや担当内容、AMGの基本情報までを網羅しています。

文庫版は映画版の原作としての位置付けを持ち、AMGの卒業生である紙吹みつ葉さんと在学生のこんぶさんという両世代のクリエイターが関わった刊行物です。刊行情報や関係者の略歴、AMGの産学共同体制を踏まえて、本作は映像と書籍が連動するメディア展開の一例として注目されます。