星野リゾート「界 蔵王」2026年9月開業予定、御釜を望む湯宿

界 蔵王 2026秋開業

開催日:9月1日

界 蔵王 2026秋開業
いつ開業するの?もう予約できるの?
公式発表では開業時期は2026年秋の予定。客室は49室でルーフトップや複数の湯船など概要は明らかだが、具体的な開業日と予約開始日は未定で、後日発表される予定です。
御釜をテーマにすると何が変わるの?何が楽しめるの?
御釜の景観をモチーフにした360度ルーフトップテラスから蔵王連峰や朝日連峰の絶景を満喫でき、ジャグジーバスや庭園付き露天、濃度の異なる三つの湯船で段階的に強酸性硫黄泉を楽しめる設計です。

蔵王の象徴「御釜」をモチーフにした新たな温泉旅館の登場

星野リゾートは、温泉旅館ブランド「界」を蔵王温泉に展開する新施設「界 蔵王(かい ざおう)」を2026年秋に開業すると発表しました。プレスリリースは2025年10月22日14時00分付で、同社にとって山形県への初進出に当たる施設となります。

本施設は、蔵王連峰の自然、火山活動による地形と温泉資源を背景に、シンボルである火口湖「御釜(おかま)」をテーマに据えた設計がなされています。360度のパノラマを実現するルーフトップテラスや、蔵王温泉の強酸性硫黄泉を堪能できる複数の湯船が特徴で、景観と湯浴みを結びつけた滞在体験が打ち出されています。

星野リゾートが山形県に初進出!天空のルーフトップテラスから蔵王の絶景を望む温泉旅館「界 蔵王」、2026年秋開業 画像 2

蔵王温泉の位置づけと歴史的背景

界 蔵王が位置する蔵王温泉は、開湯から1900年以上の歴史を持つ温泉地です。標高約880mに位置し、「天空の温泉郷」とも称される地域性と、姫の湯や美肌の湯といった別名で知られる硫黄泉が特徴です。

この地域の温泉資源は火山活動に根ざしており、火口湖「御釜」はその象徴的存在です。五色沼の異名を持つ御釜の景観は、四季折々に色合いを変える点でも地域の観光資源として重要です。

星野リゾートが山形県に初進出!天空のルーフトップテラスから蔵王の絶景を望む温泉旅館「界 蔵王」、2026年秋開業 画像 3

屋上テラスと露天風呂――視点の異なる二つの「湯」の提案

「界 蔵王」の最大の特徴は、御釜を想起させる設計思想を反映した360度パノラマのルーフトップテラスです。遮るもののない空間からは、東側に蔵王連峰の雄姿が広がり、西側には山形平野と朝日連峰の遠景が見渡せます。

テラスの中心にはジャグジーバスを備え、蔵王山野草を配した植栽が空間を彩ります。また、テラス各所には腰を掛けられるスペースを設け、訪れる人は景色の移ろいを観察しながら思い思いの場所で過ごせる設計です。

星野リゾートが山形県に初進出!天空のルーフトップテラスから蔵王の絶景を望む温泉旅館「界 蔵王」、2026年秋開業 画像 4

屋上テラスの構成要素

  • 360度パノラマの展望テラス
  • ジャグジーバス(テラス中央)
  • 山野草を配した植栽
  • 多様な腰掛けスペース(思索・会話・静養に対応)

ルーフトップの開放感と蔵王の自然が一体になる空間は、宿泊者専用として設計されており、日常からの距離感を生み出すことを目的としています。

大浴場と湯小屋――段階的な湯浴みの設計

宿泊棟の隣に佇む湯小屋では、日本有数の強酸性硫黄泉を活かすため、温泉の濃度が異なる三つの湯船を用意します。これにより、段階的に身体を慣らしながら湯を愉しむ「湯巡り」に近い入浴体験を提供します。

露天風呂の前には蔵王石を配した庭園が広がり、温泉のダイナミックな景観とは異なる静かな環境が用意されます。泉質をじっくり味わう源泉かけ流しの湯や、上がり湯として身体を整える湯など、入浴の目的に応じた選択が可能です。

三つの湯船の想定用途
・やさしく身体を慣らす湯(低温・段階的入浴向け)
・源泉かけ流しの湯(泉質を味わうタイプ)
・上がり湯(身体を整える用途)

施設仕様、設計・施工チーム、開業スケジュール

施設は敷地面積6,320.03㎡、建築面積1,212.53㎡、延床面積6,127.29㎡という規模で計画されています。客室数は49室、付帯施設としてフロント、大浴場、食事処、ルーフトップテラス、ショップ等が設けられる予定です。記載の内容は予定であり、変更の可能性があることが明記されています。

開業日は2026年秋を予定しており、予約開始日は未定で詳細は今後発表される見込みです。設計や施工の体制は次の通りです。

  • 建築基本設計・デザイン監修:神谷修平+カミヤアーキテクツ
  • ランドスケープ設計:株式会社オリザ
  • 設計・監理:浅井謙建築研究所株式会社
  • 施工:株式会社市村工務店

これらの専門チームは、景観と温泉資源を活かした設計監修やランドスケープ計画を通じ、地域性と滞在品質の両立を図る役割を担います。

星野リゾートの投資スキームと「界」ブランドの位置づけ

本プロジェクトは「星野リゾート観光活性化投資事業有限責任組合」(以下「星野リゾート観光活性化ファンド」)の第3号案件として位置づけられます。同ファンドは2020年10月30日に星野リゾートと株式会社リサ・パートナーズが組成したもので、国内宿泊施設を対象に投資を行い、地域の観光・宿泊産業の成長に寄与することを目的としています。

「界 蔵王」は本ファンドの第3号案件であり、これ以前には岐阜県・奥飛騨温泉郷の「界 奥飛騨」と宮城県・秋保温泉の「界 秋保」が扱われています。ファンドを通じた投資は、地域の優良な観光資源に対して施設運営のブラッシュアップや持続的な価値創造を図ることが狙いです。

「界」ブランドについて

「界」は星野リゾートが全国で展開する温泉旅館ブランドで、2026年時点で23施設を有しています。ブランドのテーマは「王道なのに、あたらしい。」で、和の趣や季節感、地域の伝統を踏まえつつ現代的なサービス需要に応えている点が特徴です。

具体的には、地域文化や工芸を体験する「ご当地楽」や、その地域固有のテーマを反映した客室「ご当地部屋」を通じて、滞在を通じた地域理解と体験価値を提供する取り組みを継続しています。

  • 2026年の「界」関連の主な動き:開業予定の「界 草津」(群馬・草津温泉)、「界 宮島」(広島・宮島口温泉)、「界 蔵王」(山形・蔵王温泉)およびリニューアルオープン予定の「界 松本」(長野・浅間温泉)

要点の整理と主要データ一覧

ここまでに示された「界 蔵王」の主要情報を、読みやすく整理します。施設の特色、設計・施工体制、ファンドによる位置づけとブランド戦略が明確に記載されています。以下の表で主要項目をまとめます。

項目 内容
施設名 界 蔵王(かい ざおう)
発表日 2025年10月22日 14:00(星野リゾート 発表)
開業時期 2026年秋(予定)
予約開始 未定(今後発表予定)
所在地 山形県・蔵王温泉(蔵王連峰麓、標高約880m)
客室数 49室(予定)
敷地面積 6,320.03㎡
建築面積 1,212.53㎡
延床面積 6,127.29㎡
主な付帯施設 フロント、大浴場、食事処、ルーフトップテラス、ショップ等(宿泊者専用)
温泉の特徴 日本有数の強酸性硫黄泉(「姫の湯」「美肌の湯」としての評価)
設計・監修等 建築基本設計・デザイン監修:神谷修平+カミヤアーキテクツ、ランドスケープ:株式会社オリザ、設計・監理:浅井謙建築研究所、施工:株式会社市村工務店
投資スキーム 星野リゾート観光活性化投資事業有限責任組合(星野リゾート+株式会社リサ・パートナーズ、2020年10月30日組成)第3号案件
関連URL https://hoshinoresorts.com/ja/brands/kai/

本記事では、発表されたすべての情報を反映して整理しました。開業日や予約開始など今後の発表により変更となる可能性がある点は押さえつつ、設計・湯の構成・投資スキームといった主要情報を網羅しています。