パナソニック、卵子凍結とナプキン無償提供で女性支援強化

女性支援サービス導入

開催日:9月30日

女性支援サービス導入
これって社員以外でも使えるの?
トレルナは社員と関係者限定で一般利用は不可。Grace Bankもくらしアプライアンス社在籍の社員とその配偶者や家族が対象で、詳細な適用条件や手続きは社内規定や担当窓口で確認してください。
導入はいつからで費用は会社が出すの?
Grace Bankは法人価格で卵子凍結保管やセミナー・オンライン相談を提供し開始は2025年9月。トレルナは目黒ビルに5台設置で提供開始は2025-09-30。費用負担や細則は社内案内で案内されます。

パナソニック くらしアプライアンス社が示す“女性のキャリア形成と健康支援”の新たな一手

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社(以下、くらしアプライアンス社)は、2025年10月23日 13時00分付の発表で、女性のキャリア形成と職場での健康・快適性を支援するために新たな福利厚生サービスを導入したと公表しました。今回導入されたのは、卵子凍結保管サービス「Grace Bank(グレイスバンク)」と、生理用ナプキン無料提供サービス「トレルナ(toreluna)」の2つです。

くらしアプライアンス社は、組織内の多様性を尊重する方針のもとで“DEI+B(Belonging)”を推進しており、多様な人材が最大限に能力を発揮できる職場づくりを目指しています。今回の導入は、その一環として女性がライフイベントとキャリアを自律的に選択できる体制を整えることを目的としています。

健康経営推進の一環として女性のキャリア形成と健康を支援、卵子凍結サービスと生理用ナプキン無料提供サービスを導入 画像 2

導入サービスの中身──卵子凍結と生理用品無償提供の詳細

くらしアプライアンス社が導入した各サービスは、機能面と利用対象、提供開始日が明確に設定されています。導入は福利厚生制度として行われ、従業員が職場で安心して働ける環境整備を意図しています。

以下では、各サービスの提供内容、開始日、および提供対象や設置場所などの運用面の要点を整理します。

健康経営推進の一環として女性のキャリア形成と健康を支援、卵子凍結サービスと生理用ナプキン無料提供サービスを導入 画像 3

卵子凍結保管サービス「Grace Bank」

卵子凍結は、女性が将来のライフプランとキャリアを両立するための選択肢の一つとして注目されています。くらしアプライアンス社は、株式会社グレイスグループと提携し、福利厚生として卵子凍結保管サービスを法人価格で提供します。

導入に当たり、2025年9月には社内向けのセミナーを実施しました。講師にはグレイスグループのメディカルアドバイザーである産婦人科医の加藤恵一氏を招き、男女合わせて約70人の社員が参加しました。参加者からは「不妊治療は女性だけの課題ではない」といった職場での理解や仕組みづくりに関する感想が寄せられ、当事者以外の層も含めた知見の共有が図られました。

対象
くらしアプライアンス社に在籍する社員および社員とそのパートナーや家族(詳細条件は社内規定による)
内容
  • 卵子凍結保管サービス「Grace Bank」(法人価格で提供)
  • 不妊治療や卵子凍結に関するセミナー等のキャリア形成サポートプログラム
  • 社員およびその配偶者向けのオンライン相談窓口
提供開始日
2025年9月

株式会社グレイスグループは「子供を持ちたいと願う一人でも多くの女性の夢がかなう未来の創出」をミッションに掲げ、卵子凍結保管サービス「Grace Bank」や予防医療サービス「Grace Care」を提供しています。詳しくは公式サイト(https://gracebank.jp/)で確認できます。

生理用ナプキン無料提供サービス「トレルナ」

職場における女性の健康と快適性を支えるため、くらしアプライアンス社は株式会社ネクイノが提供する「トレルナ」を導入しました。このサービスは、女性用トイレの個室に設置されたディスペンサーとスマートフォンアプリを連動させ、必要な時に無料でナプキンを受け取れる仕組みです。

サービスの導入により、急な生理などで不安や不快感を抱えることなく業務に集中できる環境を目指します。ただし、本サービスは社員・関係者向けの福利厚生であり、一般利用は不可です。

設置場所 パナソニック目黒ビル 1F・8F・9F の女性用トイレ
設置台数 5台
提供開始日 2025年9月30日
提供対象 社員および関係者(一般利用不可)

ネクイノは2016年6月創業で、ICTを活用した医療・健康支援を展開しています。婦人科特化のオンライン診察「スマルナ」をはじめ、企業向けの健康支援サービスを手がけ、2024年より「トレルナ」が本格稼働しています。詳細は同社サイト(https://nextinnovation-inc.co.jp/)で確認できます。

制度設計の背景と組織的取り組み:DEI+Bの文脈での位置づけ

くらしアプライアンス社は、女性がキャリアとライフを自分らしく両立できる社会の実現を目指し、複数の制度を段階的に導入・検証しています。今回の2サービス導入は、個々の選択を支える制度設計の一部です。

DEI・組織開発室 室長の小泉朱里氏は、プレスリリース内で制度導入の意図と既存施策との関係について説明しています。ピル・漢方の処方サービスや卵子凍結補助、体調ナビゲーションサービス「RizMo」を活用した実証実験、子育て中社員が働きたい時間に働ける制度など、従業員の声を反映した取り組みを継続している点が強調されています。

関連するUNLOCKな取り組み一覧

くらしアプライアンス社が掲げる「UNLOCK」施策群は、柔軟な働き方や外部プラットフォームの活用、社内リソースの整備を通じて女性のキャリア支援を拡充するものです。以下は発表資料に記載された具体的な取り組みです。

  • 柔軟な働き方(試行導入): 2025年4月から2026年3月まで、育児・介護事由で利用希望の社員を対象に、「休日(週1回まで)」・「深夜(22時~24時)」の自発的勤務を事前の労使協定なしで試行導入。労働時間管理を徹底のうえ男女問わず利用が広がっているとしています。
  • ワーキングマザー向けキャリア支援「PeerCross」: 東日本旅客鉄道株式会社が提供するサービスを2025年7月から導入。社員は無料で利用でき、社外の多様な人脈を通じた1on1相談を通じて意識・行動変容を促進します。PeerCross主催の座談会に、くらしアプライアンス社 DEI・組織開発室 室長の小泉朱里が登壇予定(2025年11月18日)。
  • 体調ナビゲーションサービス「RizMo」の活用: 2025年8月から2026年1月にかけて、女性社員の健康行動支援と組織パフォーマンスへの効果検証を実施。本施策は経済産業省の令和7年度「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」事業者に採択され、株式会社ファミワンと協働しています。関連プレスリリースの参照先はニュースリリース(https://news.panasonic.com/jp/press/jn250822-1)です。
  • パナソニック目黒ビル内「Mama’s Room」設置: 産前産後休業・育児休業からの職場復帰者のニーズを受け誕生したスペースで、搾乳や休息のための予約不要の施設として運用されています。子育て中や妊娠中の社員のみならず、女性特有の不調を感じる社員が誰でも使える点が特徴です。

これらの施策は単独で完結するものではなく、相互に補完し合う形で従業員のウェルビーイングや組織パフォーマンス向上を目指しています。

発表で示されたメッセージと実務上の注意点

公表された文面では、制度設計だけでなく個々の選択を尊重する姿勢が繰り返し示されています。小泉朱里氏は、ライフイベントに左右されず安心して働き続けられる環境づくりを企業の持続的成長に不可欠と位置づけ、働き方の再定義を目指す意向を述べています。

一方で利用にあたっては以下のような実務上の留意点が明記されています。対象範囲や詳細な利用条件は社内規定に準じるため、社員は社内案内や窓口での確認が必要です。また、トレルナは社員・関係者向けであり一般利用は不可という点も重要です。

  1. 制度の対象範囲は「くらしアプライアンス社在籍の社員およびそのパートナーや家族(詳細条件は社内規定による)」であること。
  2. 施設設置や提供開始日はそれぞれ明示されている(Grace Bank提供開始:2025年9月、トレルナ提供開始:2025年9月30日)。
  3. セミナーやオンライン相談など、啓発・支援プログラムも併せて提供される点。

これらの詳細は社内の案内を優先して確認する必要があり、外部への情報提供や利用条件の適用には所定の手続きが関わります。

要点整理(本記事のまとめ)

ここまでに示した主要事項を表形式で整理します。表は導入サービス、提供開始日、対象、主な内容を簡潔にまとめたものです。本文で詳述した各項目の要点を確認する際に参照してください。

項目 内容
発表元・日付 パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社/2025年10月23日 13時00分
導入サービス(1) 卵子凍結保管サービス「Grace Bank」/提供開始:2025年9月/対象:くらしアプライアンス社在籍の社員およびそのパートナーや家族(詳細は社内規定)/内容:法人価格での卵子凍結保管、セミナー、オンライン相談窓口
導入サービス(2) 生理用ナプキン無料提供サービス「トレルナ」/提供開始:2025年9月30日/設置場所:パナソニック目黒ビル 1F・8F・9F 女性用トイレ/設置台数:5台/利用対象:社員・関係者(一般不可)
関連パートナー 株式会社グレイスグループ(Grace Bank提供元)/株式会社ネクイノ(トレルナ提供元)/関連リンク:Grace Bank(https://gracebank.jp/)、ネクイノ(https://nextinnovation-inc.co.jp/)
関連の組織的取り組み 柔軟な働き方の試行(2025年4月〜2026年3月)、PeerCross導入(2025年7月〜)、RizMoを用いた実証(2025年8月〜2026年1月)、Mama’s Room設置等
参考・出典 厚生労働省による不妊治療に関する調査(引用)およびパナソニック ニュースリリース(https://news.panasonic.com/jp/)

本記事では、くらしアプライアンス社が発表した全ての主要情報を網羅的に整理しました。導入されたサービスはそれぞれ開始日や対象が明確にされており、社内での周知と運用が進められています。制度利用や詳細条件については社内規定や担当窓口での確認が必要です。

参考リンク: