11月12日幕張で実演 PRECILENCE搭載ロールの精度
ベストカレンダー編集部
2025年10月28日 18:27
高機能フィルム展出展
開催期間:11月12日〜11月13日
高精度化を軸にした共同出展の狙いと背景
株式会社ジェイテクトのグループ会社である株式会社ジェイテクトプレシジョンベアリング(以下、ジェイテクトプレシジョンベアリング)は、彦山精機株式会社(以下、彦山精機)とともに、2025年11月12日から幕張メッセで開催される「第16回 高機能フィルム展 FILMTECH JAPAN」に共同出展します。今回の出展コンセプトは「高精度ロールユニット(ロール+超高精度ベアリングPRECILENCE+ハウジング)化によるお客様の課題を解決」です。
ジェイテクトグループは「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」というミッションのもと、JTEKT Group 2030 Visionとして「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」を掲げています。既存製品の高付加価値化と新領域へのチャレンジを両輪に、塗工機やロール関連の課題解決に向けた技術提案を行うことが今回の出展の狙いです。
- 出展主旨:塗工工程における精度向上と歩留まり改善への貢献
- 共同出展:ジェイテクトプレシジョンベアリングと彦山精機による協業展示
- 展示コンセプト:高精度ロールユニットを中心としたソリューション提案
主要出品製品の特徴と技術的優位性
出展の中核をなすのは、ジェイテクトプレシジョンベアリングが開発する超高精度ベアリングPRECILENCE®(プレシレンス)と、それを組み込んだ高精度ロールユニット、さらに特殊環境向けベアリングEXSEV®(エクゼブ)です。各製品は塗工機やロールの性能改善を直接的に目指す構成になっています。
以下に各製品の詳細とその特長を整理します。数値や構造上の要点は具体的に示されており、導入の判断材料となる情報が含まれています。
PRECILENCE®(超高精度ベアリング)の詳細
PRECILENCEの最大の特長は圧倒的な回転精度です。一般的な高精度ベアリングの振れ精度が1.5µmであるのに対し、PRECILENCEは0.1µmという世界最高水準の精度を実現しています。この精度は軌道面を鏡面仕上げにする独自技術によって達成されています。
鏡面仕上げによる摩耗の低減と回転振れの抑制は、精密加工や塗工面の均一性向上に直結します。さらにPRECILENCEは寸法ばらつきが極めて小さく、適切なはめあいや予圧の調整がしやすいため、個別のベアリング選定が不要となり、最適な寿命条件での提案が可能です。
- 振れ精度
- 一般:1.5µm に対し、PRECILENCE:0.1µm
- 実現技術
- 軌道面の鏡面仕上げによる高精度化
- 設計上の利点
- 寸法ばらつきが小さく、個別選定不要。適切なはめあいと予圧で最適な寿命を提供
PRECILENCE組込の高精度ロールユニットとデモンストレーション
展示会ではPRECILENCEを組み込んだ高精度ロールユニットのデモンストレーションを行い、ロール回転時の振れ精度を実機で示します。今回のデモ機は実際にロールを回転させ、ロール振れ精度0.5µmを達成したことを実演する構成です。
デモの目的は塗工面の精度向上や歩留まり改善を視覚的に示すことにあり、塗工装置の設計段階や組付け段階で発生する様々な課題に対するソリューション提案を行います。提示される技術は、塗工プロセスに直接的な効果をもたらす仕様であるため、装置設計者や生産技術部門にとって有用な情報となる設計知見を含んでいます。
EXSEV®(特殊環境用ベアリング)の用途と対応範囲
EXSEVはクリーン、真空、高温、腐食環境などの特殊環境や、非磁性、絶縁、高速といった特殊性能が要求される用途向けのベアリングです。一般的なベアリング鋼や油・グリース潤滑が使用できない場合に対応するための設計と材料選定を行っています。
この製品は、ベアリング材料や潤滑方法の制約が厳しい用途に対するソリューションを提供し、電子デバイス製造や特殊環境装置での採用を想定した設計条件を満たします。潤滑が難しい環境下でも動作可能な点が評価されます。
展示会の実務情報と来場に関する要点
今回の共同出展に関する日時や会場、ブース位置などの実務的な情報は以下の通りです。プレスリリース本文では共同出展が「2025年11月12日~13日」と表記されていますが、展示会自体の会期は「2025年11月12日(水)~14日(金)」です。来場を検討する際は、会期全体のスケジュールと主催側の案内を併せて確認する必要があります。
出展ブースの表示と入場方法も明記されており、事前登録制による無料入場が案内されています。以下は展示会側の公表情報と本出展の小間情報です。
- 展示会名:第16回 高機能フィルム展 FILMTECH JAPAN(高機能素材Weekの一部)
- 開催会期(主催側表記):2025年11月12日(水)~14日(金) 10:00~18:00(最終日17:00終了)
- ジェイテクトプレシジョンベアリングの共同出展日(プレスリリース表記):2025年11月12日~13日
- 会場:幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬2-1)
- 小間番号:展示1ホール 2-40
- 入場料:無料(事前登録制)
出展ブースでは製品のデモンストレーション展示が行われ、塗工装置の設計や組付け時の困りごとに対する技術的なソリューション提案が提示されます。具体的なセッション時間はプレスリリースに明記されていないため、来場前にブース側または展示会公式サイトで最新情報を確認することが推奨されます。
出展企業の概要と業界への示唆
ジェイテクトプレシジョンベアリングはジェイテクトグループの一員として高精度ベアリングの開発・供給を担い、彦山精機はロール専門メーカーとして設計から製造までを一貫生産できる体制を持ちます。両社の協業により、ロールの設計とベアリング性能を一体で最適化する提案が可能になります。
この連携は、塗工工程における歩留まり改善や製品均一性の向上に直結することが期待されます。特に電子ディスプレイ関連や高機能フィルムを扱う製造ラインでは、ロールの振れや回転精度が製品品質に与える影響が大きく、精度の改善は工程全体の安定化に寄与します。
ジェイテクトプレシジョンベアリングおよびジェイテクトの基本情報
株式会社ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市、社長:近藤 禎人)は、グループとしてモノづくりとモノづくり設備を通じて社会の未来を創ることを目指しています。ジェイテクトプレシジョンベアリングの本社所在地は大阪府和泉市、社長は木村 勉です。
グループのビジョンや高精度製品の位置づけは、2030年ビジョンである「ソリューションプロバイダー」への転換と整合しており、今回の出展はその具体的な活動の一環として位置づけられます。
彦山精機株式会社の概要
彦山精機は高精度・高品質なロールを設計から製造まで一貫生産できるロール専門メーカーです。創業は1965年2月25日、資本金は9,000万円で、公式ウェブサイトは http://www.hikoyamaseiki.co.jp/ に公開されています。
長年にわたりロールに関するノウハウを蓄積してきた同社は、創業以来の専門性をベースに精度向上に資するソリューションを提供しており、ジェイテクトプレシジョンベアリングとの共創により塗工機業界向けの最先端技術提案が可能になります。
展示内容の要点整理
以下の表は、本記事で示した出展に関する主要な情報を整理したものです。展示会日程の表記についてはプレスリリース内の記載(共同出展:11月12日~13日)と展示会側の公表(11月12日~14日)を両方併記しています。来場や取材を検討する際は、主催者情報と出展者側の案内を併せて確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出展企業 | 株式会社ジェイテクトプレシジョンベアリング(本社:大阪府和泉市、社長:木村 勉)および彦山精機株式会社(本社:千葉県印西市、代表取締役:彦山 佳介) |
| 主催 | RX Japan株式会社 |
| 展示会名 | 第16回 高機能フィルム展 FILMTECH JAPAN(高機能素材Weekの一部) |
| 会期(展示会) | 2025年11月12日(水)~14日(金) 10:00~18:00(最終日17:00終了) |
| 共同出展日(プレスリリース記載) | 2025年11月12日~13日 |
| 会場 | 幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1) |
| 小間番号 | 展示1ホール 2-40 |
| 出品製品 | PRECILENCE®(超高精度ベアリング)、PRECILENCE組込高精度ロールユニット(振れ精度0.5µm達成のデモ)、EXSEV®(特殊環境用ベアリング) |
| PRECILENCE仕様 | 振れ精度:0.1µm(一般的高精度ベアリング:1.5µm)、鏡面仕上げ軌道面、寸法ばらつきの低減による最適寿命提案 |
| リンク | PRECILENCE関連:https://www.precision.jtekt.co.jp/、彦山精機:http://www.hikoyamaseiki.co.jp/、展示会:https://www.material-expo.jp/tokyo/ja-jp/visit/film.html |
以上が出展内容の整理です。今回の共同出展は、ロールとベアリングという両社の専門性を結合させ、塗工工程に関わる技術的課題に対する具体的な改善策を提示する点に意義があります。展示会期間中に提示されるデモや技術資料は、塗工装置設計や生産工程改善の検討に直接寄与する内容を含むため、関係者は主催者と出展者の最新案内を確認の上で訪問することが望ましいです。
参考リンク: