11月17日発売 角幡唯介『43歳頂点論』が問う頂点

43歳頂点論刊行

開催日:11月17日

43歳頂点論刊行
この本って何を主張してるの?
角幡唯介が体力と経験の二軸で「人生のピーク」を論じ、43歳が両者の交差点として特別だと主張する本。自身の犬橇旅行や著名な冒険家の事例を元に、判断やリスク変化の関係を実地観察で検証している。
発売日と刊行記念イベントはいつどこでやるの?
発売は2025年11月17日。刊行記念トークは11月18日に本屋B&Bで開催(角幡唯介+栗原康)、オンライン配信とアーカイブ視聴あり。定価1,034円、ISBNも発表済み。

角幡唯介が導く「四十三歳」の見取り図

株式会社新潮社は、探検家・作家の角幡唯介氏による人間論書『43歳頂点論』(新潮新書)を、2025年11月17日(月)に刊行すると発表しました。プレスリリース日は2025年10月29日 11時00分です。刊行に合わせて11月18日(火)には本屋B&Bにて刊行記念トークイベントが行われます(オンライン配信とアーカイブあり)。

本書は角幡氏の初めての「人間論」として位置づけられており、体力と経験という二つの尺度を軸に「人生のピークはどこにあるのか」を論じます。著者自身の40代後半の長期犬橇旅行、グリーンランドの対岸にあるカナダ・エルズミア島到達という実体験を踏まえた考察が随所に配されています。

探検家・角幡唯介がたどり着いた比類なき人間論『43歳頂点論』(新潮新書) 11月17日(月)発売決定! 画像 2

体力と経験が交差する地点としての43歳

角幡氏は若い頃に耳にした「体力の衰えは経験でカバーできる」という先達の言葉を当初は軽視していました。しかし自らが40代後半になった段階で、その言葉は単なる衰退の言い訳ではなく「真理」であると実感したと述べます。馬力と勢いだけでは成しえなかったことが、経験と体力の掛け合わせによって可能になるという視点が本書の基底にあります。

この章では、著者の経験則に基づく年齢論が提示され、なぜ43歳が特別な位置を占めうるのか、どのようなメカニズムで「頂点」が形成されるのかが論じられます。実地の探検から得た知見が、抽象的な年齢論を現実に結びつける役割を果たします。

「魔の領域」としての43歳—冒険家の事例分析

本書が特に注目しているのは、多くの著名な冒険家が43歳で命を落としているという事実です。角幡氏はこの共通点に着目し、年齢とともに低下する体力と上昇する経験値のギャップが生む危険域、すなわち「魔の領域」を詳述します。

冒険家に限定した検証にとどまらず、広く人生論としての普遍性を探る試みがなされている点が特徴です。単なる統計的な指摘に終わらず、なぜその年齢での判断や行動が致命的になりうるかを行動や心理の観点から論証しています。

名だたる冒険家の事例

本書で名前が挙げられている人物は次のとおりです。

  • 植村直己
  • 長谷川恒男
  • 星野道夫
  • 河野兵市
  • 谷口けい

これらの例を通して、著者は単純な偶然ではない可能性を示し、年齢と判断、行動力との複合的な関係性を解き明かそうとしています。事例ごとに背景や状況を検討し、共通項と差異を整理しています。

著者の経験と本書の構成

角幡唯介氏は1976年北海道生まれ。探検家・作家としてチベットの単独探検や極夜の北極探検、近年では犬橇によるグリーンランドとカナダ・エルズミア島の長期旅行などの実績を持ちます。本書はそうした現場経験に裏付けられた思索の集積です。

受賞歴としては、『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞・大宅壮一ノンフィクション賞、『雪男は向こうからやってきた』で新田次郎文学賞、『アグルーカの行方』で講談社ノンフィクション賞、『極夜行』で大佛次郎賞など多数あります。近著には『裸の大地』第一部・第二部、『書くことの不純』、『地図なき山 日高山脈49日漂泊行』などがあります。

目次と主要構成

本書の目次は次の通りです。

  1. はじめに
  2. 第一章 四十三歳までの膨張期
  3. 第二章 頂点としての四十三歳
  4. 第三章 四十三歳以降の減退期
  5. あとがき

それぞれの章は、時間的推移(膨張期→頂点→減退期)を追いながら、経験と体力の相互作用、判断の変化、リスク認識の変容などを具体的なエピソードとともに解説しています。

刊行記念トークイベントと本文抜粋

角幡氏の新刊刊行を記念して、11月18日(火)に本屋B&Bでトークイベントが開催されます。登壇者は角幡唯介氏と、政治学者の栗原康氏(『アナキズムQ&A』著者)です。イベントは会場開催のほかオンライン配信とアーカイブ視聴が予定されています。

プレスリリースには「詳細はこちら!」との案内が付されており、書籍の公式ページ(https://www.shinchosha.co.jp/book/611106/)が告知情報の参照先となっています。

刊行に際しての本文「まえがき」抜粋

プレスリリースからの抜粋は以下のとおりです。

四十三歳が人生の全盛期だ。これが私の年齢論的な持論である。

もちろんこんなものに客観的な基準などあるわけもない。にもかかわらず四十三歳が最盛期なのだと強弁するのは、ひとつに私が個人的に四十三歳を過ぎたときに、嗚呼、下りに入っているな、と自覚したからである。もうひとつは、詳細は後述するが、有名な登山家、冒険家に四十三歳で死亡している人が多いからでもある。

書誌情報と要点の整理

書籍概要はプレスリリースに明記されています。新書判240ページ、定価1,034円(税込)、ISBNは978-4-10-611106-8、発売日は2025年11月17日です。出版社は株式会社新潮社で、新潮新書の一冊として刊行されます。

本書は、個人的な体験に基づく実証的考察と、歴史的事例の比較分析を合わせて提示することで、年齢論としての新しい視座を提示しています。読者は冒険家たちの具体的事例や著者自身の極地経験を通じて、43歳という年齢が持つ意味を多角的に理解することができます。

項目 内容
書名 43歳頂点論
著者 角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)
出版社 株式会社新潮社(新潮新書)
発売日 2025年11月17日(月)
刊行記念イベント 2025年11月18日(火) 本屋B&B(オンライン配信・アーカイブあり) 登壇:角幡唯介、栗原康
判型・頁数 新書判・240ページ
定価 1,034円(税込)
ISBN 978-4-10-611106-8
関連URL https://www.shinchosha.co.jp/book/611106/
プレス発表日 2025年10月29日 11時00分

この記事では、刊行の告知に加え、本書が扱う主題、著者の背景、目次構成、刊行記念イベントの詳細、本文からの重要な抜粋を網羅的に整理しました。読者は書籍の内容と事実関係を確認し、刊行日やイベント情報、購入のための基本データを把握できるよう構成しています。

参考リンク: