11月11日開催｜越境体験×人的資本を75分で解説

越境体験を経営資源へ変える新たな提携の狙い

2025年11月4日午前9時、株式会社仕事旅行社（代表取締役：田中 翼）と株式会社SP総研（代表取締役：民岡 良）が戦略的パートナーシップを締結した。この提携は、従来は感覚的に語られてきた越境体験の価値を定量化し、人的資本経営の指標として可視化することを目的としている。

仕事旅行社が提供してきた越境型の学習プログラムは、従業員の主体性や熱量の向上に寄与してきたが、今回の協業によりその効果を「人的資本データ」として捉え直し、経営成果や企業価値との関連を明確に示すことが可能となる。人的資本開示に利用できる定量指標の生成を目指す点が本提携の特徴である。

提携発表の概要

発表日時は2025年11月4日 09:00。提携の中心的な目的は、越境体験による従業員の成長をデータで示し、企業の人的資本経営に貢献することだ。両社はそれぞれの専門性を生かし、測定・分析・設計の3領域で協働を行う。

本稿では提携の背景、協業の全体像、今後の実証計画および企業向け体験会の開催情報、代表者コメント、会社概要までを網羅的に整理する。

3つの協業領域――測定から経営インパクトへの接続まで

両社は協業において明確に3つの取り組み領域を定義している。これらは相互に連関し、越境体験を投資対効果の観点で説明可能にするための設計になっている。

各領域については役割分担が明確であり、仕事旅行社は体験による変化を捉える側面を、SP総研はその変化を経営指標に結び付ける分析を担当する。最終的には両社が共同で最適な体験設計を実現する。

1. 体験による変化の可視化（仕事旅行社の役割）

仕事旅行社は越境体験を通じて生まれる従業員の熱意・主体性・視野の変化を独自手法で捕捉し、データ化する。これまでの現場知見とプログラム設計ノウハウを基盤に、定量化可能な指標群へ落とし込む作業を行う。

具体的には、体験前後の行動変化、自己評価、同僚や上司による360度評価などを含む多面的なデータ収集を想定している。

2. 経営インパクトへの接続（SP総研の役割）

SP総研は、体験で得られた（広義の）スキルや意識変容を分析し、生産性、業績、ROIなどの経営指標との関連性を明らかにする。人的資本経営の知見を活かして、体験の効果を経営言語で説明するフレームを構築する。

この分析により、どの指標が企業の短期・中長期の成果に結び付くかを示し、人的資本開示に資するデータとして加工することが可能となる。

3. 最適体験設計の実現（両社共同）

蓄積したデータを基に「どの人材が、どのような越境体験で最も成長するか」を予測するマッチングアルゴリズムを開発する。これにより人材投資の精度と効率を高め、再現性のある人材育成施策を実装する。

この取り組みは、体験→変容→成長→成果→企業価値、という「体験→変容→成長→成果→企業価値という人的資本ROIサイクル」を確立するための中核となる。

実証計画とサービス展開、企業向け体験会の詳細

両社はまず2025年度内に50〜100名規模のパイロットプログラムを実施し、体験による変化と業績指標との相関データを収集・分析するとしている。パイロット結果を踏まえ、企業向けの本格導入と人的資本開示支援サービスを提供する計画だ。

今後のサービスラインには、企業の人的資本開示を支援する「越境ROIレポート」を含むことが明示されている。越境体験を単なる研修ではなく、経営の投資として評価可能にすることが狙いである。

パイロット・スケジュールと目的

実施期間: 2025年度内。規模: 50〜100名規模のパイロットプログラムを予定している。目的は体験による変化と業績指標の相関関係を示すデータの収集・分析であり、モデル精度を高めることにある。

このフェーズで得られる知見はアルゴリズム開発、越境ROIレポートの設計、企業導入プロセスの標準化に活用される。

企業向け体験会（オンラインセッション）

本協業の全体像と実証プロセスを紹介するオンラインセッションが開催される。参加者は協業モデルと実証の進め方を75分で確認できる構成だ。

• 開催日時: 2025年11月11日(火) 12:00〜13:15
• 形式: オンライン配信（後日アーカイブ配信あり）
• 申し込み: https://sp-inst-shigoto-ryokou2025.peatix.com/

代表者コメントと会社概要

両社代表は今回の提携に関して次のように述べている。仕事旅行社 代表取締役の田中 翼氏は、自律的なキャリア形成や組織への貢献に繋がる越境体験の価値を経営言語で語れる形にする意図を示した。SP総研 代表取締役の民岡 良氏は、熱量や主体性といった概念を定量計測する試みが人的資本経営の深化につながると説明している。

以下に両社の会社概要を明示する。連絡先や事業内容、所在地などは企業導入検討時の参照情報として整理されている。

株式会社仕事旅行社

所在地: 東京都港区新橋5-1-3 新正堂第一ビル5F

代表者: 代表取締役 田中 翼

事業内容: 越境型学習プログラム / キャリア教育事業

URL: https://www.shigoto-ryokou.com

株式会社SP総研

所在地: 東京都中央区日本橋箱崎町1-2 FtFビル2F

代表者: 代表取締役 民岡 良

事業内容: 人的資本経営コンサルティング / HRテクノロジーの提供

URL: https://www.sp-inst.com

本提携は、就職・転職・人材派遣・アルバイト領域や経営・コンサルティング分野に関連する取り組みとして位置づけられる。キーワードとしては、人的資本経営、越境学習、人財開発、人的資本開示、リスキリング、自律型人材、キャリア、ROI、従業員エンゲージメントなどが挙げられる。

要点整理（本稿で触れた項目の一覧）

以下の表は、本提携の主要情報を整理したものである。発表日時、当事者、代表者名、協業の3領域、パイロット規模、オンラインセッションの開催情報、提供予定の新サービスなどを網羅している。

本稿は両社のプレスリリースに基づき、提携の目的・構成・スケジュール・提供予定サービス・代表者コメント・会社情報を整理した。越境体験を人的資本として経営に結び付ける試みは、人的資本開示や人材投資の評価に新たな基準を与える可能性がある。